GDPが増える!
三橋貴明 著『崩壊する世界 繁栄する日本』(2009年3月)
P.20
日本人は昔から貿易収支の黒字に注目するのを好むが、国民への「ベネフィット」提供という意味では、重要なのは輸出よりもむしろ輸入である。その国の製造業がどれほど莫大な輸出を行おうとも、国民の腹が膨れるわけではない。
特に日本のように食料自給率が低い国では、輸出をどれほど拡大しても、海外から食糧を輸入できなければ、国民が困窮する事態に至るのだ。
もちろん「自国通貨(日本ならば円)」で海外から輸入を行うことが可能な国は少ないため、輸入代金の支払に必要な外貨を手に入れるという意味で、製造業の輸出によって貿易黒字を拡大することは価値がある。但し、外貨を手に入れる手段は輸出、あるいは貿易黒字に限らない。海外から融資を受け、輸入代金の支払に充てても、一向に構わないのである。
例えば、ある国の一般市民が外国の銀行から巨額の借金をし、その金で物を買いまくったらどうなるだろうか。GDPの見かけ上は、その国の個人消費が拡大し、華々しく経済成長しているように見えるのだ。
(強調は三橋)
例えば、ある国の一般市民が外国の銀行から巨額の借金をし、その金で物を買いまくったらどうなるだろうか。GDPの見かけ上は、その国の個人消費が拡大し、華々しく経済成長しているように見えるのだ。
どーだ、すごいだろ。