
「悲しみの場所に」
「灯された」
「裸電球に似た光」

悲しみは悲しみでも、多くの人の命が犠牲になるような…
悲しみの渦に直面したとき
アーティストは愛を語った分だけ、重い十字架を背負うことになるのかもしれませんね…
桜井さんは『もっと』を作ったときには、グラウンドゼロへの想いがあったと語っていますが
冒頭の歌詞に続く、次の歌詞……

「それはほら吹きに毛の生えた」
「にわか詩人の蒼い願い」
という部分は、作詞家の無力感を嘆いているようで、自分自身への皮肉を込めた表現にも感じられるのです

詩を作ることは文芸であり
すなわち芸である。
作詞においても同じことが言え、メロディーに合うように、リズムに乗るように…相応しい言葉を選択し、作品に仕上げる
桜井さんは、昨年のアリーナツアーで『かぞえうた』を発表したときに
“誰かを励ましたい、感動させたいという気持ちで音楽を作ることが、やましいことのような気がした”
と語っている
気持ちをそのまま表す言葉が、歌詞として表現される言葉に仕上がる過程には、技巧があり、工夫があり、
意図がある。
その意図を持つことすら、“やましい”と感じ――
『もっと』の中では「ほら吹き」「にわか詩人」と表現されているように感じてしまう
もちろん、そう感じることも一人のリスナーの勝手な解釈に過ぎず
『もっと』のAメロに相応しい言葉が、そこに置かれただけなのかもしれないけどねf(^_^)
―続く―
□□□■□□□■□□□■□□□
Mr.Children
『もっと』
作詞作曲:桜井和寿
アルバム『HOME』収録
□□□■□■□■□■□□□□