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僕は鍵っ子だったわけでもないんだけど




小学生の頃、家に帰っても、母親が何かの用事で外に出ていて


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食事は1人…または妹と2人…なんてことがありました




そんな日は、家に帰って食卓をのぞくと、決まって置き手紙がありました

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手紙といっても、便箋にしたためられたような丁寧なものではなく




広告の裏にメモ書き程度に記された、支度済みの食事の食べ方を指示するだけの、簡素なもの


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ミスチルのNew Singleを開封したら、桜井さんへのinterviewを記したペーパーが挟み込んであり




本当にただ挟んであるだけだったから……昔の置き手紙を思い出したんです


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そのinterviewの内容は、ここには詳しく書きません




CDに収録された3曲について、それぞれの曲に関する質問に、桜井さんが答えるかたちなんですが

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歌詞について、曲について、桜井さん自らが解説を加えるような内容ではない(作品に自信のある作り手は、そんなことしないでしょ?(^-^))




読み終えてみると…


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“曲、できてるから、あとはCD聴いてみて”





とだけ言われているように感じました




去年のツアーの、あの熱狂の裏側で、20周年の新たなスタートに向け、支度してくれていたもの


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セールスという立場からすれば、何かしら付録を付けてでも、売上を伸ばしたいと考えるのが当然でしょう




雑誌にしろ、CDにしろ、付録流行りだしね




でも、実際に入っていたのは、簡素で質素な置き手紙。




そこには、曲を支度したから、曲を聴いてくださいという姿勢がうかがえ




もっと言えば、曲にきちんと全部込めたから、そこから感じてくださいという、作り手の誇り




そんなものが見え隠れするように思います。


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才能って、難なく取り繕えることではなく


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自分に足りないものを埋める努力を惜しまないことだと思うんです




一見完成に見えるものでも、なおわずかな余白に気付いてしまう感性がセンスであり




そこを埋めようとする努力を惜しまない人が才能を持つ人と呼ばれるのでしょう




そんな努力を惜しまない人だから、世に送り出した184曲の中のわずかな余白が気になって




また新しい1曲を、pieceを、そっと差し出してくれるのだと思います



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Mr.Children
『pieces』
作詞作曲:桜井和寿


4月18日発売のNew Single
『祈り ~涙の軌道/End of the day/pieces』収録

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