まだ幼い頃


うちの親戚に、独り暮らしのばあちゃんがいました


母親に連れられて


何回かそのばあちゃん家に遊びにいったことがあるらしいのですが…


僕は一回しか覚えていません


なぜその一回を覚えているかといえば…


夏休みに二泊して・・・帰る日に


見送りにきた、いつもと同じ満面の笑みを浮かべるばあちゃんに


手を振りながら


泣いていた僕のお袋の横顔が


幼い頃の僕の記憶に


付箋をつけたからだと思います


お袋は「あ~ばあちゃん明日からまた独りなんだよっ」って言いながら、涙を拭っていたっけなぁ


Bank Bandの『よく来たね』を聴くと


「よく来たね~」って迎えてくれた


あのばあちゃんの笑顔が思い浮かび・・・


その先を聴くと


僕が大人になる前に亡くなったばあちゃんを


天国で待っていたじいちゃんが


「大変だったんじゃない?」


ってねぎらっている声が聞こえてくるような気がします



アルバム『沿志奏逢2』収録