■知らない人に説明するというスキル | 飛行機が好きな美濃焼エバンジェリストのBlog

■知らない人に説明するというスキル

多分、「スキル」という表現になると思うのですが、最近経験したことを書いてみたいと思います。

空港のデッキで撮影をしていると、(←おい!また飛行機ネタか!とか思わないでくださいね(笑))
誰かが誰かに話しかけている内容が聞こえてしまうことがあります。

ある日、ある女性の方が、あるマニア風な(笑)男性に飛行機について色々と質問していました。

その女性の方は、明らかに飛行機については知らないことが多いというレベルの方で、
でも飛行機に純粋に興味がある方のようでした。

色々と質問をされていたのですが、特に印象に残ったシーンがあります。

それは、

その女性の方が、

「なんで、飛行機ってエンジンが2つのものと4つのものがあるんですか?」

と男性の方に質問しました。

さて、あなたならどのように答えるでしょうか?

「いやー、友人の見送りに来ただけなので、詳しくなくて・・・」
と逃げるのも一つの方法ですね。
(↑なんか違う気もします(笑))



ではその男性の方がなんと言ったかと言うと、

「それはですね。。。推進力というものが関係していてですね・・・」

という感じで、唐突に説明を始めました。
第一声が「推進力」という言葉です。。。。


質問した女性の方は全く理解できないという表情をしながらも、
一生懸命説明してくださる男性に申し訳ないという思いもあったのか、
一応回答を聞いているという感じでした。

その一連の流れを見ていて、「知らない人に対して、とっさに何かを説明する事ができる」というのは、
立派なスキルの一つなんだなと感じました。

この男性の場合、自分の知っている最大限の言葉で一生懸命説明をしていたのだと思います。

決して「俺、いろんなこと知ってるんだぜ!」的な言い方ではなかったので、きっと知識は持っているけど、
それを誰かに対して、説明した経験があまりない方なんだろうと思います。
または、言葉が通じる者同士での話しかしたことがないのかもしれません。

なので、相手にとっては「答えになっていない」事をずーーっと話し続けてしまうことになり、なんとなく雰囲気も悪くなり、益々説明ができなくなり、という悪循環に陥ってしまったという、とても残念な結果に終わっていました。

この場合、まず大事な事は

・自分の知っている言葉を発するのではなく、相手がわかる言葉に置き換える必要がある。
・質問に答えるために前提となる知識が必要な場合は、それを簡潔にまずは説明しておく必要がある。
・相手にわかるような比喩表現が必要。

ということだと感じました。

今回の例で言えば、飛行機の原理とか、用語を知らない(と思われる)人に対して、
突然、「推進力」という言葉を使って説明しても、そりゃあ通じないですよね。。。

その前に、そもそも飛行機はどのような原理で飛ぶのか?なぜ飛ぶためにエンジンが必要なのか?という知識がなければ、エンジンが2つあるのと4つあるのの本質的な違いはわかりません。
だって、エンジン2つの飛行機でもエンジン4つの飛行機と同じぐらいの性能を持っているものもありますからね。

ということで、

冷静になってみればわかることですが、いざ、「とっさに」聞かれた時に、的確に答えられるか答えられないかは、
その事に対して本当に本質的なことを理解しているかどうかに尽きるのではないかと、
あらためて考えさせられたシーンでした。

営業スキルの一つとして、よくエレベータートークを訓練しておくと良いと言われますが、
まさにこのことなんだなと実感しました。

僕も比較的声をかけられやすい人なので(笑)
もう少し本質的な部分で色々なことを勉強しておこうと感じた経験でもあったし、
「○○については理解した」と言えるのは、知らない人に対して、その○○をわかりやすく説明ができる事と同じ意味なのかなと思います。