2019年11月19日に臨江閣別館で行われていた企画展「い・せ・きワールドin前橋2019」に行ってまいりました。
平成30年度、前橋市の発掘調査結果で、元総社蒼海遺跡群、遠見山古墳、上野国府等範囲内容確認調査、上細井中西部遺跡群などの遺跡から発掘された遺物が展示公開されていりました。


遠見山古墳。
平成30年度は前方後円墳の「くびれ部」を調査し、古墳を飾るみごとな葺石が見つかりました。葺石は、人のこぶしから子どもの頭ほどの大きさの石を丁寧に積み上げられています。また、古墳の中段では、墳丘に立てた埴輪が出土し、古墳を造った当時そのままの状態で残っていました。墳丘の南側では、幅10m以上の大きな堀が見つかりました。2年間の調査の結果、墳丘の長さが80m以上、堀まで含めると100m以上の大きさをほこる古墳で、有力な豪族のお墓であったことが分かりました。






元総社蒼海遺跡群・上野国府等範囲内容確認調査。
前橋市の元総社町は、古代には現在の県庁にあたる、上野国府という役所があったと考えられています。中世には蒼海城が築かれ栄えていました。現在、区画整理を続けているため、多くの発掘調査が行われています。平成30年度は12ヵ所の発掘調査を行い、古墳時代から平安時代の住居跡や水田跡、中世の蒼海城のお堀の跡などが見つかりました。
国府とは、おもに奈良時代から平安時代のころに、全国各地を支配するためにもうけられたもので、現在にたとえるなら、群馬県にもうけられた県庁のようなものです。上野国の国府はこれまでの研究によって、前橋市元総社町のあたりにあると考えられています。平成23年度から国府を探す発掘調査を行っていますが、まだ上野国府の中心は見つかっていません。これまでの発掘で国府とのかかわりが考えられる建物の跡や土器などが見つかっています。









上細井中西部遺跡群。
上細井中西部地区土地改良事業に伴い、発掘調査を実施しています。縄文時代から奈良・平安時代にかけての竪穴住居跡などが多数確認されました。
4区11号住居跡(奈良時代の住居跡)からは炭化材や焼土を多く含むことから火災があったと思われ、焼けて炭になった屋根や木材が残っていました。
また、カマドまわりでは生活で使用していた土器が多く出土しました。土器以外にも紡錘車や砥石も見つかりました。





2019.11.19