【邦画・フライング・ラビッツ】


お寿司に例えると、
活きのよい美味しくいただけるネタ【役者さん】に、
得体の知れない、素人仕事のソースをドップリかけられたような映画です。

こういう作品を私は、【推理モノ】とカテゴライズします。
作品のバランスを損なってしまう結果をもたらした犯人を捜したくなるからですにひひ
この作品も、かなり創造力を掻き立てるケースでした。

◎演者の魅力

主演の石原さとみサンの名コメディエンヌぶりはもちろん、
真木よう子サンのシャープな表情のいろいろな面、

その辺りの楽しみどころは一杯です。

彼氏役の方演は、演技自体とキャスティングがパンク爆弾でした。

役者サンの仕事は、ある面で、スピーカーに例えられます。
監督や脚本の、意図や想いを受け取り、増幅して、観客に伝える訳ですが、

時として、ソフトを選べない立場でもあり、
与えられた、いかなるソフトに対しても、
その人が、『どう、立ち向かい』 『どう、抗い』 『どう、答えたか』
という部分で、どんな作品にも見所を与えてくれます。
       
            そういう意味では、滝沢沙織サンには荷が重かったような・・・。
            最後の試合のシーンは、ハードル高すぎでした。
            『ケガをかばいながら試合する一流プレーヤー』って・・・。



◎スポーツを描くにあたって・・・。

観客として感じたいことは、

『臨場感』ですよね・・・。

あたかも、自分がプレイしているような((o(-゛-;) 思わず身体が動いてしまうような(><;)
                         残念ながら、それが決定的に感じられません。

キモである『アリーウープ』のシーンが、あんなにも躍動感が伝わらないなんて・・・


『合気道の達人ゆえに、光る可能性』を見せなければいけないハズが、
ボールを避けるという行為の見せ方は、
『誰でも・・・そんな風にヨケません?』
という感じで、工夫が足りな過ぎはしないでしょうか?

紙一重でかわすとか、ボールを投げる相手の身体の動きを見て察知するとか、
納得させてくれる力のあるシーンが、一つもないのは悲しいです。

幼少時の、合気道の特訓シーン・・・センターに子役を置いて、その後ろの哀川サンまでをヌイて撮りたいのでしょうが・・・
雑踏に余裕があり過ぎて全然、困難な訓練に見えない・・・。



◎仕事はツライヨ物

特化した仕事の知らざれる側面を、必死に働く人々の姿を通して、おもしろくも楽しく鋭く描き出す
『職業映画』の一面も持つハズなのですが・・・・浅いっすY(>_<、)Y
                           『へぇーーー』って言わせて欲しかった。

内容的に、観客に心構えを必要とさせないライトな作品です。
それにしても、
『その場の空気で、んなこというか・・・?』という拭えない違和感が随所に散りばめられ、
ボディープローのように効いてきます。

人生のアレコレを、食べ物に対する主義『半ラーメン・半チャーハン』『腹八分目』『大盛り』と、
例えとしてブチこんで来ますが、ロジックとして納得できず・・・ついに、KOされるハメに・・・。


彼氏が突然実家の福岡に帰てしまいますが、主人公がフライトを犠牲にしてまで衝動的に行動する
                                 必要性が伝わってきません。
        
         そもそも、この彼氏との絆の深さを伝え切れていない

勤務を放棄することに対する切迫感も全く伝わりませんが、これJALの映画ですよね・・・。



◎モタナイということ・・・。

『画が持たない』と、プロの口から耳にすることがあります。

・同僚の突然の結婚引退で、船の上で黄昏る樹のシーン

・ちなつ が初めて自分のバスケとの出会いを語る際の移動直後のシーン

・最後の試合、ケガをおし参戦し続ける樹がベンチに戻ってきたシーン

                          画面から目を反らしたくなります。(x_x;)

興奮した白石美帆サン演じるアシスタント・コーチが、高田順次サンの首を絞めたシーンには、
人ごとながら、脇の下に汗をジットり感じました。

◎そのキャラがいる意味

影にスラムダンクがチラつく訳ですが、本来もっとわかり易く感じさせて欲しかった、
『花道』『赤木』間の【信頼感】、【想いを託す】部分が、

『ゆかり』『樹』の間にうまく投影されておらず、
           『樹』の最後のコートとに、一緒に立ちたいという
                          『ゆかり』のこだわりに重みを感じません。

結局、『樹』というキャラクターが、存在価値を失っています。

JOMOのコーチは、漫画『BACK』におけるコユキの歌声に対する観衆の役割をおっている訳ですが、
あの程度のことに、大げさにリアクションする度に、作品から心が離れていきます。

ライバル役・吉瀬サンの『樹を甘く見ないほうが、いいですよ。』という、
かっこよいフリに対して、樹サンの【渾身のカット・プレイ】が、アノ程度の扱いでは、

『ライバル』もまた、存在感を失うハメに・・・。

◎最大のマイナス要因


耳からの情報は、観客の無意識下に影響を与えます。

この【音楽】は、かなり足を引っ張っています。予算か、才能か、何かが、かなり足りません。
クライマックスに至っては、【映像】【音楽】の相乗効果で盛り下げるという結果に・・・。

ラストの壮大な(つもりの)BGMに、女性コーラスが入った時には、
               【NHKのど自慢】の鐘の音が一つ盛大に頭の中に、なり響きました。

それと、【効果音】、SEのフィット感の低さにイラッとさせられるのです。

観客のテンションにそぐわない歓声・・・邦画においてスポーツ物のエキストラの熱狂は再現度が低いので
この場合、ハメすぎると会場が盛り上がってないことになりますので、大げさに感じるのは、
会場のシーンの撮影の仕上がりが、むしろ問題か・・・。

試合のアナウンスが、アフレコなのが、より臨場感を奪います。

バスケといえば、バッシューの『キュッ』という音と、ボールの『ダムダム』というドリブル音、
得点の際のネットの『パサッ』等、聴き所は一杯ですが・・・。

スローモーション処理にするなら、ドリブルのSEには、もっとエコーをかけて欲しい・・・とか、
耳に悲しい部分が多い・・・。

特に、唖然とするのは、ギャグの場面転換にかぶされるSEのセンスの古さ(T▽T;)
ベタなことをするってことは、ハードルが高いということだと思うのです。

◎スポンサー商品の取り込み方

んーーーーここも、見所満載、これが意図的な開き直りでなく、本来のセンスならスゴイ!!

商品は作品から、剥離して浮まくりなので、ある意味でインパクト大叫び
そ・・・そこが、狙いか( ̄□ ̄;)


ちなみに、このケースの主犯は監督、共犯としては音楽・脚本、いろんな方の努力をムダにしていると思います。


正直、ツッコミ所を挙げたらキリがなく、お友達とその辺りを楽しみながら、
                              是非ご覧いただきたいです。

それでこそ、多くの努力が報われるというモノです。

100円程度のレンタルで、こんだけ思索に耽させてていただきましたので、
                     私にとっては、その金額に値する立派なエンターテイメントでした。



これで、ラストのシュートが入っていたら・・・ブログを書く気力さえ奪われていたかも・・・。

 

                                 という訳で、『邦画・フライング・ラビッツ』のそっか!そーなんだ!!





女優さんたちの美しい汗は、ステキですよ。ホント(ノ゚ο゚)ノ