昨夜、道に倒れてる人を助けました。
と言っても、救急車を呼んだだけですが。

最初に断っておきたいのは、決して人助けをした事を自慢げに話したい訳ではなく、この出来事によって思った事を話したかっただけなんです。

そもそもこれが人助けだったのかどうかもあやしい所です。
倒れていた男性は、結構酒臭かったので酔っていたのだとは思うのですが、額から血を流し、酔って立てないだけではなく足の不自由さが感じられる状態でした。
殆ど進まないのですが、なんとか腕の力で這いずって進もうとしていました。
声をかけるとどこかを指指して、何かをおっしゃっているのですがどうも日本語ではありません。
救急隊の方達が到着し、暫くして解放された後歩きながら考えた事は、「これは良い事をいたんだろうか?」でした。
彼はもしかして不法労者だったりしたら、私は逆に有難迷惑な事をしたのではないだろうか。

ですが道に俯せで倒れている人を見過ごす訳にもいきません。
私が見つけた時も数人の人が歩いていましたが、皆ちらちらと彼を見て通り過ぎるだけです。
すぐ側では道路工事をしていて、交通整理にあたっている人がいるのですが、男性に「救急車呼びますからね!動かないでください!」と声をかけてる私の声も聞こえている筈の距離なのにおかしいくらいにしっかりとこちらに背中を向けています。

救急車を待つ間、「大丈夫!今、救急車が来ますからね!動かないで!」と肩を撫でたり手を触ったりしながら、なんとか這おうとしている彼を止めようとしていたのですが、その間も私の後ろを過ぎる人々がいました。
その時交通整理の人の一人が「大丈夫ですか?救急車呼びましょうか」と声をかけてきてくれました。
心情的に救われました。

程なく救急車が到着した時は、交通整理用のポールを外したり、車の来る大きな道から隠れる位置にいるこちらに「救急車来ましたよ!」と教えてくれたりと協力してくれました。


一人歩きながら考えた事がもうひとつ。
一番おごっていたのは私だったのではないかと言う事です。
立ち止まらなかった人々には、個々に急ぐ事情があったのではないか?
もしかしたら、急ぐ先には病気でふさぐ家族や大切な人がいて急いで仕事を切り上げてきたのかもしれない。

交通整理の人にしても、倒れている男性が気にはなっても持ち場を離れて事故でも起きたら大変な事です。

なにより私自信、男性を見た瞬間は「酔っ払いか」と思ってしまったのです!
(すぐに状態がただのそれとは違ったので、声をかけたのですが)

「良いこと」が「善いこと」とは限らない。
男性を助けてる間、まったく偽善者な愚かな私の一抹でした。