2年前、イタリアンバーGに勤めていたN田クンは、バーテンダーとして成長するために浅草のバーBに修行の転職をしました。
既に十分なお酒の知識、バーマンとしての腕もある彼は、Gにそのままいればシェーカーも振れてかっこいいバーテンダーさんのままでいられたのに、Bは数年は水を注ぐくらいしかやらせてもらえないとっても厳しいお店です。
花形バーテンダーさんになるのは長い道のりです。
あえてその道を選び、少しづつカクテルコンペなどにも出始め、東京で登りつめるぞ!って夢も目標も大きな彼は、実家の家業を継ぐ為明日、地元の九州に帰ります。
東京最後の夜に、私の店を覚えていてくれて来てくれた事にほんとに感涙しました。
呑みながらの会話は、やっぱりコンペでの出来事やこの2年お店でやって来たことばかり。
思い出のGで呑みなおし、カラオケに行き。
でも、間近に本当のお別れがくる呑みです。
「又、明日ね」なんて言えない飲み会は、ちょっと切ないです。
そうそう。
Gに向かう時、右からも左からでも行ける道で私は、普段は通らない左側の道からを選びました。
談笑しながら歩いていると後ろから「なべさん(私)!?」と呼ぶ声が!
振り向くと、2年前にN田クンと一緒に働いていたモンタくん!
なんて偶然!!
この後予定が入っている彼も半ばゴーインにGに誘いひととき盛り上がりました♪
いつも通り右の道を選んでたら、会わなかったんだもんな~・・・。
モンタくんもステップアップを目指し、赤坂のレストランバーで働いています。
N田クンは家業を継ぎながらも、今度は九州での成功を胸に帰京します。
私は今夜もいつも通り店に立っています。
でも、昨日までとはちょっと違う心境で立っている事と思います。