東京新聞によると、宗教法人「東京都神社庁」(東京都港区、小野貴嗣庁長)が、東京都神社庁の2,580万円の資金を着服したとして、元財務担当幹部の男性(48)=懲戒解雇=を業務上横領容疑で、警視庁赤坂署に告訴したことが分かったようです。
元幹部は事務局長を務めた任意団体「東京都神職教誨師会」(中川文隆会長)の預金600万円を着服した疑いもあり、東京都神職教誨師会が告訴を検討しています。
東京都神社庁は国内最大の神道系包括宗教法人「神社本庁」の地方組織で、東京都内約1,400の神社を取りまとめています。
元幹部は東京都港区内の神社の宮司で、2023年3月まで府中刑務所(東京都府中市)の受刑者に矯正教育を行う教誨師としても活動していました。
東京都神社庁の依頼で弁護士らがまとめた調査報告書によると、元幹部は2020年2月から2022年12月にかけて延べ40回にわたり、東京都神社庁の資金を自身や都神職教誨師会の口座に移して、総額2,580万円を横領した疑いが持たれています。
同月に不正が発覚した際、横領した金を競馬などに使ったと認めて謝罪し、既に全額を弁済しています。
東京都神社庁は2023年1月に元幹部を解雇する一方、懲戒処分は見送りましたが、その後に東京都神職教誨師会の口座悪用と預金着服が判明したため、懲戒解雇処分に改めました。
弁護士らによる調査チームの報告書を受け、2024年6月の役員会で告訴する方針を決めました。
元幹部は現在も宮司にとどまりますが、東京都内の神社関係者からは「神職資格を剝奪されず、堂々と続ける現状は社会正義に反する」と指摘する声もあるようです。
東京都神社庁の小野庁長は東京新聞の取材に対し、今回の資金横領問題について「監督責任は重大で、猛省して再発防止策に取り組んでいる」と説明する一方、元幹部の神職資格の取り扱いに関しては「刑事罰を受けた場合に神社本庁が判断すること」と述べるにとどめました。
この問題を巡っては、内部告発した職員が小野庁長から叱責とパワハラを受けたとして退職しています。
小野庁長は「外部への情報漏えいを叱責したが、それが退職の直接原因ではない」と主張しました。
最近、神社関係のところも、色々とニュースになりますね。
内部統制がきちんと整備・運用されていないというのはあるでしょうけれども、こういう寄せ集めのような組織は危険ということを改めて示したのではないかと思いました。
東京都神社庁が2,580万円の資金を着服した元幹部を横領で告訴したことについて、あなたはどう思われましたか?