山陽新聞によると、カジュアルアパレル大手のストライプインターナショナル(岡山県岡山市)は、先日、ストライプインターナショナルの全株式を、ティーキャピタルパートナーズ(東京都千代田区、TCAP)の運営する投資ファンドが取得したと明らかにしました。
取得額は非公表です。
本社は引き続き岡山に残すようです。
ストライプインターナショナルを創業した石川康晴氏は、筆頭株主の立場から離れます。
ファンドの傘下に入ることで事業変革のスピードを増し、目標に掲げてきた新規株式公開を目指すのが狙いのようです。
ストライプインターナショナルは、「TCAPの豊富な投資実績に基づく経営ノウハウを生かし、より一層の企業価値向上を図る」としています。
ストライプインターナショナルの株式はこれまで、石川氏が関連会社なども含めて8割を保有していました。
他の株主分を含めた全株式を投資ファンドが買い取り、石川氏はファンドに出資する形で実質的な主要株主として残ります。
ストライプインターナショナルの常勤取締役の立花隆央社長と張替勉専務は現職にとどまり、TCAPから過半数の非常勤取締役を迎える予定です。
ストライプインターナショナルは、2020年3月、社長だった石川氏が退任しました。
新型コロナウイルス禍が逆風となり中国での自社ブランド販売からの撤退や一部ブランドの終了、東京で営業していたホテルの閉鎖といった事業リストラを進めていました。
購買の場が実店舗から電子商取引(EC)へと移り変わる中、全国への多店舗展開で成長してきたストライプインターナショナルはEC販売比率が1割前後にとどまるなど、デジタル化への対応にも課題を抱えていました。
ストライプインターナショナルは1994年、石川氏が岡山県岡山市内にセレクトショップを開いて創業し、翌1995年にクロスカンパニーとして設立されました。
1999年に製造から小売りまで手掛けるSPA業態に転換して、自社ブランド「アースミュージック&エコロジー」のヒットなどで急拡大しました。
アパレル事業はベトナムや台湾でも展開し、店舗数は国内外計1,500店です。
資本金は1億円、2021年1月期のグループ売上高は1,011億円、従業員約3,400人です。
TCAPは1991年に東京海上キャピタルとして設立し、2019年にMBO(マネジメントバイアウト)が行われ現社名となっています。
アパレルのほか幅広い分野に投資しています。
我が香川県高松市にも数年前に出店して、結構バーゲンばっかりやっているなぁと思っていたら閉店していましたが、岡山県では勢いのある会社だと思っていました。
IPOを目指しているのは以前、何かに書いてあったのを見たことがあると記憶していますが、あまりにも大きくなりすぎて、自力では無理と判断したということなんでしょうね。
最近、会社が大きくなりすぎると、創業社長とかサラリーマン社長では限界があり、プロの経営者が必要になるんだなぁと思うことが多々あります。
日本にも、プロの経営者が必要な時代になってきたと思いますし、我が会計業界でも資格を持たないプロの経営者がたくさん出てきているという話も耳にします。
投資ファンドがストライプインターナショナルの全株式を取得したことについて、どう思われましたか?