多国籍企業の税逃れ対策でOECDが複数国平均での課税を検討! | 体脂肪率4.4%の公認会計士 國村 年のブログ

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 時事ドットコムニュースによると、経済協力開発機構(OECD)がまとめる多国籍企業による税逃れ防止策が、先日、分かったようです。
 租税回避地にグループ会社を置いて利益を移転するケースでは、各国・地域共通の法人税率の最低水準を設定し、租税回避地で実際に払っている法人税を差し引いて課税するようです。
 税逃れが複数の国・地域に及ぶ場合には、それらの地域の法人税の平均を元に課税する案などが議論されています。

 OECDが先日公表し、新たな国際課税に関して2020年中に策定する最終報告書に盛り込まれる見通しです。
 現状では、多国籍企業が租税回避地にあるグループ会社に特許料や使用料の支払いといった名目で利益を移し、法人税の負担を免れるといった例が相次いでいます。
 これに対し、租税回避地の低い税率で納められているグループ会社の法人税を、共通の最低水準から差し引いた上で、本社のある国が多国籍企業に課税できるようにします。
 例えば、法人税率の最低水準を15%、租税回避地を2%とすると、差し引いた13%の法人税を課税できます。

 問題はグループ会社が複数の国・地域にあるケースです。
 共通税率の最低水準を15%、グループ会社の所在地をA国(10%)、B国(2%)と仮定し、税率の平均を採用すると、法人税率は6%となり、本社のある国は多国籍企業に対してそれぞれの国で差額分の9%を新たに課税できます。
 平均を取ると、税率の高い国の影響で数字が高めに出やすい。国ごとに税率を差し引くケースに比べ、課税対象部分が小さくなるため、低税率国には有利となりますが、高税率国に不利となります。

 日本は国ごとに差し引く案を支持していますが、平均案の方が極端に税率の低い国にも受け入れられやすく、有力視されているそうです。
 法人税率の最低水準を決めること自体、各国の主権に関わるため容易ではなく、こうした面も含め協議は難航が予想されます。

 国ごとに税率などには政策的なものがあるでしょうから、難しいでしょうね。
 個人的には、色々と研究して、可能な限り税金の支払いを減らすということは営利企業として当然に経済的合理性があると思っていますが、そういう流れではなく、防ぐということになってきていますね。
 いわゆるGAFAの節税が度を越しているということなのでしょうが。

 多国籍企業の税逃れ対策でOECDが複数国平均での課税を検討していることについて、どう思われましたか?