日本税理士会連合会による平成31年度税制改正に関する重要建議・要望項目! | 体脂肪率4.4%の公認会計士 國村 年のブログ

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 日本税理士会連合会は、2018628日に開催された第1回理事会において「平成31年度税制改正に関する建議書」を決定し、810日に財務省、国税庁、総務省、中小企業庁などに提出しました。

 内容は、以下のとおりです。


<最重要建議・要望項目>
●消費税における単一税率及び請求書等保存方式の維持
①単一税率の維持
 軽減税率(複数税率)制度は、区分経理等により事業者の事務負担が増加すること、逆進性対策として非効率であること、財政が毀損し社会保障給付の抑制が必要となること等の理由により、従来、単一税率制度の維持を強く主張している。低所得者への逆進性対策としては、例えば、あらかじめ国が一定額を入金したプリペイドカードを配付する方法や、一定額の簡素な給付措置などによる消費支出の負担軽減策等を検討すべきである。
②請求書等保存方式の維持
 平成3510月に導入予定の区分経理等のための適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)への移行は、事業者及び税務官公署の事務に多大な影響を与えることから、行政手続コスト削減の方向性に逆行することのないように配慮又は見直しをする必要がある。この点については、例えば、請求書等に一定の記載事項を追加することにより、区分経理等は十分可能である。
③消費税のあり方についての抜本的な見直し
 事業者の負担と徴税コスト等を考慮し、仕入税額控除方式(インボイス方式を含む。)及び免税点制度等の見直しを含めた消費税のあり方について抜本的に再検討すべきである。特に、免税事業者が適格請求書等を発行できないことに伴い、不当な値下げ要求等により経営状態が圧迫されることのないよう対策を講じなければならない。


●所得計算上の控除から基礎的な人的控除へのシフトと基礎的な人的控除のあり方
①所得計算上の控除から基礎的な人的控除へのシフト
 基礎的な人的控除(基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除及び扶養控除)は、憲法第25条が定める生存権の保障を目的としたものと解されており、健康で文化的な最低限度の生活を維持するために侵害してはならない課税最低限を構成するものである。したがって、このような性質を有する課税最低限は、財政事情を考慮しつつ、生活保護の水準に合わせていくことが望ましい。その際、給与所得控除及び公的年金等控除の水準が過大であることや、こうした所得計算上の控除が適用されない事業所得等とのバランスも踏まえ、所得計算上の控除を縮減した上で、基礎的な人的控除を中心として課税最低限を確保することが適切である。
②基礎的な人的控除のあり方
 最低限度の生活を維持するのに必要な部分は担税力を持たないとする最低生活費不課税の観点から、基礎的な人的控除については、その額を引き上げた上で、所得控除方式を維持すべきである。その際、課税最低限を構成する基礎控除を逓減・消失させることについては、憲法の要請もまえ慎重な検討が必要である。
 なお、その他の人的控除項目については、整理合理化を図りつつ、可能な範囲で税額控除化すれば、所得再分配機能が低下していることや高所得者の負担軽減額が大きくなるという問題は相当程度解消することとなる。


●償却資産に係る固定資産税制度の抜本的見直し
 償却資産課税について、(一財)資産評価システム研究センターの「償却資産課税のあり方に関する調査研究-申告制度の簡素化・効率化に向けた制度設計について-」(2018年3月)において、現行の賦課期日(11日)はそのままとし、申告期限については、現行制度(131日)と電子申告(eLTAX)に限り法人税の申告期限と一致させる新方式との選択制にするとの方向性が示された。事業者の事務負担軽減、市町村の課税事務効率化及び電子申告率の向上に伴う実務の簡素化・効率化の観点から評価できるものであり、まずは、これを早期に実現すべきである。
 また、当面の課題として、下記の項目についても検討する必要がある。
・中小企業の設備投資促進と事務負担軽減のため、免税点を現行150万円から倍額程度まで引き上げる。
・租税特別措置法により費用化が認められる30万円未満の少額資産は、償却資産課税の対象から除外する。


 僕も、基本的に同意見です。
 消費税の軽減税率制度は導入すべきではないと思っていますし、低所得者の保護が目的であるならば、期限付きの商品券を渡すのが良いと以前からこのブログでも書いています。
 日刊紙の軽減税率についても、低所得者の保護が目的であるならば、まずは、所得別の日刊紙購読者数を把握し、開示する必要があると思います。
 償却資産税についても、決算期にかかわらず一律に131日までに申告するのではなく、決算期に合わせて、申告時に固定資産台帳を提出する方が、漏れもなく、効率的かつ効果的なのではないかと思います。
 月次決算などを行っておらず、年に1回決算時にのみ入力などを行っているところが、漏れなく申告するのは現実的に厳しいと思います。
 あとは、印紙税の廃止も織り込んでほしいですね。

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