愛だろ、愛。
さて本日は私のやや突っ込んだ嗜好について書いてみたいと思います。
よく言われる事ですが、物の良し悪しと好き嫌いは別です。嫌い→悪い、みたいな発想でモノを語るのは宜しくありません。
腕時計は良し悪しを理解したうえで、好き嫌いで買えばいいのです。そして「他人の好き」は尊重する、というのも大の大人なら理解している事でしょう。
しかしですよ、私が思うに、「好き」が同じ人よりも「嫌い」が同じ人の方がより親密になれます。
ですからマッチングアプリは好きなものを登録するより、嫌いなものを登録してマッチングした方が絶対成功するという確信を持っています(なんの話や)。
という事で、本日は私の好き嫌いについて書こうと思います。
なんだその非生産的な記事は、と思われたらここで読むのをやめて下さいね。
人によっては気分を害されるかも知れませんが、個人の嗜好など人それぞれなのだから、私の主観的意見など気にしてはいけません。
私が嫌いでも貴方が好きならそれで良いじゃないですか。
私としては今後気持ちが変わるかも知れないので、今の考えを記録したいと思って書いている次第です。
好き
- 美しい時計
- 薄い時計
- 軽い時計
- ユルい時計
- 小径の時計
- ドレスウォッチ
- 2針orスモセコ3針の時計
- 人と被らない時計
- クラシックなデザイン
- シンプルなデザイン
- 非ラウンドケース
- 過度に気を遣わなくていい時計
- 手巻きキャリバー
- マイクロ・ローター・キャリバー
- スワンネック緩急針
- チラネジテンプ
- キドニー型ヒゲ持ち
- シースルーバック
- しなやかなブレスレット
- テーパードベルト
嫌い
- 皆んな持ってる時計
- 重い時計
- 厚い時計
- 大き過ぎる時計
- シャープな時計
- ギラギラした時計
- アバンギャルドなデザイン
- スケルトン文字盤
- 4時半位置のデイト窓
- 硬質なブレスレット
- ほっそいベルト
ざっとこんな感じですね。普段からこのブログを読んでくださっている方であれば、あまり違和感無いかと思います。
とにかく私はシンプルで美しく、薄くて軽くて小さいサイズのドレスウォッチ信者なのです。
手持ちでその筆頭はやはりアルティプラノです。もうこの時計は最高です。
あと人と被らないというのも私の中ではめちゃくちゃ重要です。
これは最早病気に近いのですが、私は物心ついた頃から服や持ち物がその辺の人と被ることを異常に嫌悪していました。はっきりした理由は謎ですが、多分私にとって自己実現のために必要なのでしょう。
制服を絶対着たくない、というそれだけの理由で中学受験した程です。
これを理解して欲しいとは思いませんが、まあそんなヤツもいるのだと思っておいて下さい。
といっても全く誰とも被らない時計なんてカタログモデルでは有り得ないというのは分かっています。
私が求めているのは知る人ぞ知る的な時計です。よっぽど時計好きで色々調べていないと知り得ない時計であれば、被っても平気です。だって相手も同類ですから
あとユルい時計。これは最近凄く重視しています。
なんやそれ?と問われると難しいのですが、最近の時計って加工技術の進歩に伴ってとにかく隙のない造形の時計が増えています。
一切隙間のないロレックスの弓管とか、めちゃくちゃシャープなロイヤルオークの外装とかです。
ああいうのはなんか肩が凝ると言うか、伸びたブレスとか隙のある造形に宿る脱力感みたいな物をMinority’s Choice は求めているんです。
それらは基本的にやや古い時計です。手持ちでいえば筆頭はアクアノート(Ref 5066)かな。
なんというか、このキリッとしない顔つきや変なブレスレットが最高じゃないですか?
ユルさでいえば昔のロレックスなんかもかなり良いです。枯れた文字盤やヨレヨレの巻きブレスとか堪らないですね(にしちゃ高すぎですが)。
あとは非ラウンドケース。ラウンドか非ラウンドかでいえば私は圧倒的に非ラウンドケースが好きなんです。
だってお洒落でしょ?
レクタンギュラー、スクウェア、トノー、アワーグラス、クッションなどなど、非ラウンドケースは実に魅力的です。
円運動する時分針に対して円形以外のケースをあてがうなんて、視認性を考えれば愚かとしか言いようがないのですが、私には機能性より見た目の方がずっと大事。
流石に思いとどまりましたが、いっときラウンド時計は全て処分しようかなと真剣に考えていた事もありました。
ダニエル・ロートなんかは特徴的なダブルエリプスケースと絶妙なバランスのスモセコダイアルが映える非常に美しい姿をした時計です。
アルティプラノのおかげでラウンドケースの時計はもう当分要らないかなと思えるので、今後は非ラウンドケース中心に買っていこうかなと思っています。
タンク(カルティエ)やレベルソ(ジャガールクルト)あたりは筆頭候補ですね。
ムーブメントに関しては何となく察しておられる方も多いかも知れませんが、私は然程重視していません。まあある程度気にはしてるんですけど、それ以上にデザインが好き(かつ価格が見合っている)ならそれで良いと思っています。
とか言いつつムーブメントに拘った時計も一つは欲しいと思うんです。その理想の条件がチラネジ、スワンネック、キドニー型ヒゲ持ちを持つ手巻き(またはマイクロ・ローター)キャリバーです。
これ古いジュネーヴシール機(パテックのCal 12-400など)なら幾つか該当するんですが、それだけ拘っていればシースルーバックが良いですよね。
<Cal 12-400 / PATEK PHILIPPE>
となるとこれを完全に満たす腕時計は現時点では無いんじゃないかと思います一番近いのはランゲの幾つかの機械(キドニー型ヒゲ持ちじゃないけど形状は近い)でしょうかね。
でも不思議なことにランゲ欲しい!ってあまり思わないんですよね〜。めちゃくちゃ素晴らしいんですけどね。不思議なものです。
ほぼ価格一緒のサクソニア・フラッハとアルティプラノ比べて後者を買うなんて行動は、他人には中々お勧めできませんが、私のセンスではそうなったんです。
最後にブレスレットとストラップ。ドレスウォッチが好きなので基本革ベルト推しですが、絶対テーパードベルトが良いです。アルティプラノの惜しい点の一つはほぼストレートベルトな所。
20-16、18-14mmとかに絞っていると最高です。
メタルブレスも同じでテーパードが良いですが、それ以上にブレスにはしなやかさを求めています。
その意味ではカサブランカのブレスレットは最高です。
ポリッシュも非常に美しく、何より物凄くしなやかにフィットしてくれます。ブレスレットは緩く巻きたい私としては、時計自体が軽い(100g程度まで)事とブレスレットがしなやかな事は非常に重要になります。
現行の時計は中々良いブレスが無いんですよ。
色々話を聞いていると、恐らくノーチラス(パテック・フィリップ)のブレスレットが最高っぽいのですが、全く買える値段では無いですし。。
現行で他に気になるのはユリス・ナルダンのクラシコに付いているブレスレットですかね。
じゃあ嫌いは何なのかというと、だいたい好きの裏返しです。「嫌い」と言っちゃうと強い表現ですが、別に憎らしいわけではなくて、全く興味を惹かれないといった方が正確ですかね。
まずは皆んな持ってる時計です。理由は前述の通りですが、出歩いていて1日1回以上見かけるような時計は、幾ら物が良いと分かっていても全く欲しいと思いません。
なので超定番とされる時計は多分一生買わないでしょう。良い時計だと重々承知していますが、デイトジャスト、エクスプローラー、サブマリーナー、デイトナ、スピマスプロ、シーマスターなどを持つ機会はないでしょうね。
勿体ないと思う人もいるかもしれませんが、全く平気です。だって他に私の趣味に合う時計は幾らでもありますから。
次にデカい・厚い・重い時計はまずスルーです。大き過ぎる時計は不恰好というのも有りますが、それ以上に着けてて疲れる時計は長続きしません。
したがって(前にも書いた気がしますが)金無垢ブレスレットの時計を買う事は想像できません。そもそもお金もないですけど笑
重さ=高級感みたいな煽り文句を見たりもしますが、ズシっと重い金の延棒持って満足!みたいな感覚なのでしょうか?令和にもなって理解不能なセンス。
私は出来るだけ軽やかに生きていたいです。
<デイデイトは180gに達する超重量級>
デカ厚に関してはよくパネライは別腹と聞きますが、それとて私はおそらく買わないでしょう。人のを見ているだけで満足できます。
あとはシャープな時計、ギラギラした時計も好きではないです。これはストレートに言えば現行ロイヤルオークです笑
あのキレッキレの外装仕上げやキラキラしたブレスレットは好きになれません。装着感もあまり良く無いと聞きますしね。
でも年月を経て角が取れたロイヤルオークは良いですね。昔のモデルはそもそも現行モデルほどシャープじゃないというのもあるでしょうが、10年以上使い込まれると中々いい感じに仕上がって来る気がします。
ギラギラした時計という意味では、ロジェ・デュブイとかもアレです。昔のロジェは素晴らしい時計が結構あるのですが、現行モデルとかは私には理解できないセンスです。
あとはケースどころかブレスレットまでダイア盛り盛りの奴とかね。
<キラキラ時計の代表は現行ロイヤルオーク>
また、クラシックなデザインが好きなので、逆にアバンギャルドなデザインには抵抗感があります。その代表はやはり前述のロジェの他ウブロなどが代表的。
リシャール・ミルやウルベルクなどの超高額ブランドもこの手のデザインですが、全く惹かれません。
またアバンギャルド・デザインの象徴とも言えるスケルトン文字盤も私は好きになれません。
でもスケルトン文字盤って実際かなり人気です。最近はジラール・ペルゴやユリス・ナルダンといった老舗も一部モデルでこの手のデザインを手掛けており、一般的な人気は高そうですね。
しかしロジェ・デュブイのウラカンとかは完全に私の理解を超えており、何がナニやら分かりません。
この辺りは私のような雑魚サラリーマン向けの時計ではなく、そうした旧世代の遺物とは一線を画す、Tシャツ短パンでメイクマネーするニューリッチの為の時計なのだから、私に理解出来るはずはないのです。
<完全に私の理解を超えたロジェのウラカン>
あと、しょーもないところで言えば4時半位置のデイト窓も許せません笑
これは探せば結構あります。私の大好きなブランパンですらフィフティ・ファゾムスでこれをやっちゃってます。
三つ目クロノグラフで3、6、9時をインダイアルに使ってしまっているため、仕方なく4時半にデイトを置いているパターンが多いですが、だったらデイト要らんから、としか思いません。
まあフィフティ・ファゾムスは3針でも4時半デイトなんですけど…
ブレスレットに関しては、コマの稼働範囲が狭いものは好きではないです。私が今まで試着してきたものでいえば、ロイヤルオークやオーバーシーズのブレスレットはしなやかさに欠けます。
意図的なアプローチなのかも知れませんが、稼働範囲の狭いブレスレットは着けていて痛いので嫌なんです。
そしてケースに対して細いブレスレット/ストラップも好きではありません。これは装着感というより見た目の好みですが、やはり最も美しいシルエットは、カラトラバ Ref 96の様な小径ケースにテーパーの効いた太めのストラップです。
とまあ好き勝手書いてきましたが、最後に大事なことを記しておきます。
それは、私の好みに合わない時計を持っているからといって、その人まで好きじゃないとは決してならないという事です。
例えば私はロレックスの熱狂的コレクターを心からリスペクトしていますし、是非友人になりたいです。
「デカ厚最高ゥ!いぇあ!!」とか言ってる人も多分好きです。
だって私とは全く異なる視点から時計を愛しているんだから、話したら面白いに決まっています。
要するに大事なのは時計愛なのです。
それさえ共通していれば自分と違う時計が好きでも全く問題ないじゃないですか。むしろそうした人は新たな気付きを与えてくれるはずです。
逆に自分と同じ時計を持っていても、時計愛がない人間には全く興味がありません。特に資産価値やステータス(マウント合戦)にばかり気を取られている輩などはまるで取るに足らない存在です。
別に買った時計を手放す事を否定している訳ではありません。時計は維持費だって相応に掛かりますから、より好きな時計が出てきたら、手持ちを処分して入れ替えるはごく普通です。
そして売った時計がそれを探していた別の時計好きの手に渡るなら、それは実に優れたエコシステムです。
別に好きでもないけど、転がしたら儲かるとか見せびらかしてドヤれる、みたいな目的で時計を利用している人間は下らないし関わりたくないというだけです。
最後に
結局なにが言いたいんや、という話ですが、人間誰しも個人の嗜好として好き嫌いは当然ある。けど、時計愛があればオールOK、LOVE & PEACE という事です。
そして、いつも弊ブログを読んで下さってありがとうございます。と同時にこのブログは非常に偏向しているので、あまり真に受けず色々な意見に触れて時計ライフを楽しんでいって下さいね。