消費税も上がっちゃったし
たかが2%、されど2%、ですね。皆さん、消費意欲が減退していませんか?中古時計店は値段据え置きやキャッシュレス還元などを謳ってむしろお得感出てますね。
そんな機会も利用しつつ、お手軽に時計欲を満たしましょう。
Classic Mechanical “Bambino” 36mm / ORIENT
Ref:RA-AC0011S
ケース径:36.4mmケース厚:12.0mm
重量:-
ケース素材:ステンレス・スティール
風防:ミネラル・ガラス
裏蓋:ミネラル・ガラス
ベルト素材:ステンレス・スティール
バックル:ピンバックル
防水性:3気圧(30m)
価格:実勢$200程度
海外の一部マニアの中で熱狂的な支持を受けるオリエントのドレスウォッチがバンビーノです。ファンの間ではもはやピープルズ・カラトラバ的位置付けです。
メンズモデルは40.5mm径と大きいのですが、レディースとして36.4mm径のモデルがリリースされています。36.4mmなんて完全にメンズサイズだと思うので、ご紹介です。
上の写真は海外用の公式HPの物で、ややピンクゴールドに見えますが、実際はイエローゴールドです。
いたってシンプルな3針デイトモデルですが、パーツ配置のバランスが良く、綺麗な顔をしています。ふっくらとしたボンベダイアルがヴィンテージの風合を出していて良いですね。
細身のドーフィンハンズに楔形インデックス、控えめなミニッツマーカーと、クラシカルで上品な組み合わせです。
ただ、やけに小さいデイトが気になります。デイト不要説を唱えたい所ですが、安価で良質な実用時計を信条としているオリエント(※私の一方的な解釈です)ですから、デイトは必要な機能なのでしょう。
文字盤はサンレイ仕上げが施されており見映えがします。ブランドロゴや、筆記体で書かれたAutomatic, Water Resistant のサインも古時計風でダイアルデザインとよくマッチしています。
インデックスはアプライド、針は中央から山折りにすることで光の反射に変化がつけられており、平らな鉄板をプレスで打ち抜いただけのような物とは明らかに質感が異なります。
欲を言えば針はもう少し大きめのドーフィンにして分針はダイアルギリギリまで長さが欲しかったですが、価格を考えればそこまでは要求できません。
少なくとも$200の時計とは思えないかなり上質な仕上げであり、バンビーノが世界中で支持される大きな理由の一つがこの外装の質感の高さにあることは間違いありません。
ベルト幅17mm(かつテーパード)というのは確かに細めですが、別にメンズモデルと考えてもあり得ない細さでもないです。例えばタンクアメリカンMM(メンズで最適なサイズと私は思っています)のベルト幅は15-14mmですからね。
型番:F6724
ベース:-
巻上方式:自動巻
直径:-
厚さ:-
振動:21,600vph
石数:22石
機能:センター3針デイト
精度:日差 -15/+25秒
PR:40時間
搭載するのはインハウス・キャリバーF6724です。これは名機と呼ばれる46系ムーブメントの発展系にあたる機械です。
6振動/時のロービートで40時間パワーリザーブという性能は世界の最新キャリバーと比較するともの足りませんが、日差 -15/+25秒というのはかなり高精度です。
同価格帯のセイコー5の7S系はもとよりプロスペックスなどで使われる4R系をも上回る精度であり、普及機向けのムーブメントとしては相当精度の出る機械だと言えます。
緩急装置は昔ながらの緩急針。これは裏蓋を開ける強者であれば自分で精度調整する事も可能なシンプルな装置です。
また姿勢差にも強いとされ、廉価ムーブメントとしては出色の機械と言えるでしょう。秒針ハック機能と手巻き機能も付いているのも嬉しいポイントです。
装飾は皆無です。にも関わらずこの36mmバンビーノは裏スケを採用しています。しかし地味ながらしっかり仕事をする朴訥(ぼくとつ)な機械の表情が鑑賞できるのは個人的には嬉しいです。
これほどの良作が海外限定で、国内では逆輸入でしか手に入らないというのがよく分かりません。
ヴィンテージ風のデザインなんかは国内向けのオリエントスターよりかなり良いと思うんですけどね。評価しているのは一部の好事家だけなんでしょうか。
国内メーカーはマーケティングが下手なのか、消費者が舶来志向なのか、自国の若者にあまり受け入れられていない様な気がします。
各メーカーも試行錯誤はしている様なのですが(最近のセイコー5スポーツ再展開とか)、むしろ海外での方がファンを掴んでいる感じがあります。
このバンビーノの様に国内メーカーの機械式時計のバリューの高さは突出していますので、是非一度手にとってみて欲しいですね。
30年くらいしたら物凄くいい味になってそうです。
USN 1940s (Aged) / WMT WATCH
Ref:-
ケース径:38.0mmケース厚:14.0mm
重量:-
ケース素材:ステンレス・スティール
風防:ミネラル・ガラス
裏蓋:ステンレス・スティール
ベルト素材:キャンバス
バックル:ピンバックル
防水性:10気圧(100m)
価格:$435
巷で話題のWMTウォッチをご紹介です。香港の新興ウォッチメーカーで、特にロレックス・オマージュで名を馳せているブランドです。
それに関しては、そもそもロレックスを一本も持っていない私が語れる事は多くないのですが、いわゆるヴィンテージ・ロレックス蒐集家お歴々の評価がかなり高いので、再現度やオーラはその辺のオマージュブランドとは一線を画しているのではないかと。
Minority’s Choice が紹介するのはロレックス・オマージュではなく、(元ネタは知りませんが)ミリタリー・オマージュのモデルです。
こちらはエイジング加工付きというマニアックな仕上げです。写真を見る限りはかなりいい味を出しています。手軽に枯れた感じのヴィンテージウォッチが手にできるというのは面白いですね。
ウェッジ型のラグに厚みのあるベゼルを持つケースはオールドスクールで、リューズガードもない辺りがまた良いなと思うのです。
ボックスガラス、ベゼル、裏蓋がそれぞれに厚みがあって、出来上がりが14mmという厚さになっています。
ただの3針時計としては現代では有り得ない厚さなんですが、この厚さも含めて1940年代のオマージュという事なんでしょうか?
この時計のハイライトはやはり文字盤デザインでしょう。マット仕上げのダイアルにアラビアン・インデックス、ミニッツマーカー、カテドラル・ハンズ(これが良い)という組み合わせはミリタリー&ヴィンテージ感満載です。
カラーリングが黒、白、アイボリーというのも定番ですが、やはりいい色合いですね。
厚みはともかく38mmというサイズは使いやすいです。ベゼル幅がしっかりあるので、腕に乗せたサイズ感は数字以上に良さそうです。
型番:MIYOTA 821A
ベース:-
巻上方式:自動巻
直径:25.6mm
厚さ:5.67mm
振動:21,600vph
石数:21石
機能:センター3針
精度:日差 -20/+40秒
PR:42時間
ムーブメントはMIYOTA 821Aとあります。ミヨタのベーシックな3針デイトキャリバーですね。このモデルでデイト機能をちゃんと外しているのかは不明です。
でもまあ価格的にはリューズの2段引きが残っていても別に良いかという感じではあります。ちゃんとオミットしていたら大したものです。
このムーブメント、廉価エボーシュとしてはそこそこ優秀です。厚みが5.67mmとかなりありますが、公称日差 -20/+40秒というのはセイコー4R系(-35/+45秒)より良いです。
(逆に上のオリエントF6724が優秀すぎますね。)
秒針ハック機能、手巻き機能も付いていて実用性も高いです。821Aてハッキングなかったと思ってたんですが、最近のは実装されているんでしょうか。パワーリザーブもライバル機と比べて遜色ありません。
入門的な機械式時計のエボーシュとしては広く普及しており、日本製(シチズングループ)という事もあって信頼性は高いですし、何より街の時計屋さんでメンテナンス可能です。
5万円以下の海外謎ブランド(失礼)の機械式時計に入るムーブメントとしてはかなり安心出来る部類と言えるでしょう。
<思い切りの良い裏蓋デザイン>
堅牢性に関しては、SSケースに10気圧防水までは良いんですが、風防はミネラル・ガラスです。
しかし敢えてエイジド加工までするならミネラル・ガラスが傷付いていく様を楽しむのもアリだと思えます。
オールウェザー、オールシーズン、インドア/アウトドアあらゆるシーンで使える便利さが有りますから、一本持ってると便利ですね。
服装はカジュアルしか無理ですけど笑
梱包やインストも凝っていて面白いです。その気にさせる遊び心に溢れてて良いですね。
付属品もNATOストラップにバネ棒外しまで付いてくるというお得感のあるパッケージングで、かなりユーザーフレンドリーな印象です。
会社が香港で、シッピング価格などを見る限り組み立ては中国かなと想像します。その上オンライン販売がメインとなるとクオリティ・コントロールが気掛かりですが、公式HPのモデルは軒並み売切れで高い人気が伺えます。
国内にも正規代理店(ミゾラーウォッチマン)があり、そこなら国内で検品もなされているのでより安心感があるかも知れません。ただし一点物が多くこちらも売切れ続出です。
やはり人気はサブマリーナ・オマージュの様ですが、ミリタリーテイストの時計もかなり良い雰囲気持ってると思います。
公式HPではカスタマイズ注文も出来るみたいで、気が緩むとポチッと行ってしまいそうです笑
<適当に作ったサブマリーナ風の何か>
5万円以下のレンジというのは新興・老舗が入り混じってアイデアをぶつけ合う非常に魅力的なマーケットです。
性能面で言えば国内メーカーが優秀すぎるのですが、海外勢はオマージュやカスタマイズといった選択肢を提供し、消費者に訴えかけて来ます。
バラエティーが豊富すぎてハマると抜け出せそうもありません。
でも楽しいから良いんです。
余裕のある範囲内で存分にエンジョイしましょう!