- 前ページ
- 次ページ
研修を終えて、実家に帰省している。出国までの期間は自宅待機だ。
出国までに地元広島県と広島市への表敬訪問を行い、親しい友人や家族にしばらくの別れを告げる。節目というのは普段目に見えにくいものを表面化させる。これまでずっと一緒に過ごしてきた友人や家族との時間が貴重に感じられるのも、節目あってこそのものだろう。
今日は研修の振り返りについて書いておきたい。
NTCでの生活は本当に充実したもので、出来ることならあのまま、あの場に留まっていたいとすら思うほどの環境だった。衣食住の心配をすることなく、日々派遣の為の語学や知識を学ぶ。そのなかで自身が考える事を人に伝え、考えを聞き、さらに考えを深めていく。これ程にお互いが何をどう感じ、どう考えているかを素直に意見交換できる機会は大人になってからは珍しく、刺激的だった。日々の生活には正直余裕がなかったが、自分自身の感情に素直であれたように思う。本気で話し合える事に喜びを感じ、思い通りにならない語学に凹み、思いがけない別れや不甲斐ない自分に涙し、でも声高らかに歌って楽しむ。そんなことを繰り返しながら少しずつ成長し、任国に近づいていく日々は希望そのものだった。もしかしたら、あそこで感じたような心の動きや体験を世界中の人に感じて欲しくて私達は海外へ行くのかもしれない。
ただ少し視点を変えてみてみると、研修はあくまでプログラムだ。自分が感じた心の動きも、起こした行動もJICAからの誘導であって受け身に過ぎないのかも知れない。任地では自分でプログラムを描き、さらに「お金」を稼ぎながら上記のような幸せを追及して行かなければならない。
それは考えるだけで難しいが、とても面白く遣り甲斐がありそうだ。
場所は違えど意見交換できる仲間もいる。このワクワクした気持ちを楽しみつつ、まずは計画と目標設定から始めたい。
NTCに入所して約一か月になる。規則正しい生活に語学の勉強。所外授業や週末の飲み会。入所時の新鮮さや緊張感と入れ替わりに、心地よい時間も増えてきた今日この頃。寝る前に談話室で班の仲間とごろごろしてみたり、ご飯の時にこれまで話したことない人の隣に座って友達になったり、習ったばかりの拙いインドネシア語で会話を試みたり。良い循環の中で健やかに過ごしている。ここでの生活には希望がある。この研修を経て任地で活動する訳だが、ここでの生活は語学やルール、習慣を含め任地で役に立ちそうな事ばかりなのだ。だからこそ何かに躓いても、何の為にやっているかを思い直すことで、前向きに頑張っていくことが出来る。様々な年代や職種、個性に溢れたこの集団のなかで少しでも多くを学び、自らも発信することで全体へプラスの影響を与えられる存在でありたい。自身のミッションはコミュニティ開発。コミュニティに所属する人が健やかに生きがいを持って生活する仕組み作りを考えていく仕事だ。残りの期間は周りに対して何が出来るか考え、行動で示していく。
いよいよ、二本松にて約70日間にわたる派遣前訓練が始まった。
ここでは主に語学(インドネシア語)と派遣先での行動計画の立て方や在外での生活の為の講義を受ける。ここでの生活はすべてが在外での行動基準が求められる。IDカードの携行から防犯意識に至るまで、ルールが細かく定められており、それを習慣化することが自身の身を守ることになるとのこと。政府系の独法ということもあり、形式的なことも多々あるが、税金を使いながらなのでそれも必要なのだろう。
研修所での生活が始まり5日が過ぎたが、とても快適に過ごしている。朝は体操・ランニングに始まり、規則正しい3食の栄養バランスが整った食事、ネイティブの先生による少人数制の語学の授業、wifi環境、新聞もある。体育館、ジム、音楽室、図書館、自習室も完備で日常生活が快適なのはもちろん、レクリエーションにも困らない。それに加えて研修生は多種多様な職種がおり、それぞれに特技を持っていて、それを全体に役立てようと考える人が多い。話を聞けば分かりやすく教えてくれるし、こちらから話すことにも興味を持ってくれる。利害関係や競争も無いので人間関係は良好だし、話したことがない人も仲間という認識で会話ができる。ただし、どこでもそうだが、我が道を行く変わりものも多く、意見対立するとヒートアップすることもあるそう。気を付けたい。
まだ始まったばかりで何が分からないかわからない状況ではあるものの、語学には苦手意識もあるので、まめに取り組み、うまくセルフマネジメントして習得を目指したい。ただし、それだけにならないように、自身の要請に対して何ができるのか、そういった本来の目的についての情報収集も疎かにならないように気を付けたい。
会社生活では自分の時間が土日しかなかった。ここではすべてが自分の為の時間だ。
有意義な時間を過ごしたい。