今回は、我が家に毎年やってきて子育てをするツバメを描いてみました。
思い起こせば12年前、この教室を開いたときのご案内チラシにもツバメを描いています。
ツバメは毎年春になるとやってきて玄関先に巣を作り、夏が終わるまでに2回ほど子育てをします。
ツバメたちが空を高く低くスイスイと自由に飛び回る姿は、見ていてとても気持ちよく、家にいながら自然と触れ合っているような心地よさを感じます。
ツバメはとてもおしゃべりで、鳴き声が聞こえるといつも身近にいてくれることを実感します。
ツバメは動きがとても素速いですが、2羽でシンクロして飛ぶ姿や、子育て中にエサを運ぶときの低空飛行は特に見応えがあり、ため息が出ます。
動画を撮ると画面に収まりきらないくらい、広く速く飛び回ってくれます。
私がツバメたちを見て何よりもいいなと思うのは、いつも楽しそうに見えるところです。
がんばってエサを運んでいるかと思うと、次の瞬間には仲間どうしで飛び回って遊んでいたりと、日々の暮らしを楽しんでいるようで、うらやましいなと思います。
カードの中のヒナは、今年1回目に巣立った子たちがモデルです。
巣立ちのときに、1羽だけなかなか巣から飛び出せなかったヒナがいたので、その子が左下に描かれています。
ヒナたちは巣立ってすぐの頃は、家の周りで飛んでいるのを見かけますが、そのうち昼間はほとんど姿を見なくなります。
「どこまで遊びに行ってるのかな」と少し寂しく思いますが、日が暮れるとちゃんと帰ってきて巣の中で寝ています。
毎日のように観察していると、お父さんツバメとお母さんツバメの違いが分かるようになりました。
オスは翼の羽の先が長く、メスは短いそうです。
ある日、お父さんツバメの長い羽の片方が曲がっていることに気づきました。
「あれ?寝ぐせ?」と思っていましたが、そのうちその片方の羽はすっかり失くなっていました。
何があったのかは分かりませんが、怪我をしている様子もなく元気です。
お父さんツバメ。長い羽の片方が短くなっています。
学研教室ののぼりがちょうど良い止まり木になっているようで、お母さんツバメが卵を温めている頃から、お父さんツバメはよくここにとまって巣を見守っていました。
ふらっと近付いてきたスズメや、近くにいるカラスを「チュピー!」と鳴きながら追い払う姿は、とても勇敢で頼もしく感じます。
時々ご近所のツバメたちが集団で我が家を訪れます。
動画を見返して、その中でも羽に特徴のあるツバメを見つけると「あ、お父さん」と分かるのは、密かな楽しみでもあります。
画面下のツバメはお父さんツバメと思われます。
子育てのマニュアルなどがあるわけでもなく、自然なままに子育てをするツバメの姿は、何か私たちが忘れている当たり前で大切なことを気付かせてくれるように思います。
巣立ちのときは、数羽の大人たちが巣の周りに集まって楽しそうに飛び回り、「出ておいで」とヒナを誘っているように見えます。
そして巣立ってからは、ヒナが近付いてくると大人は敢えて遠ざかって、飛ぶ練習をさせているように見えます。
『手をかけず見守ることで、自分一人で生きる力を育てる。
そして大人も子どもも楽しいのが一番✨』
そんなツバメの子育てと生き方に敬意を抱きつつ、その可愛さにますます魅せられて、ついツバメ観察に没頭してしまうこの頃です。