そもそもチーズケー問題とは

精神科医がチーズケーキ問題なるものを解説している動画をYoutubeで見た。

自閉症スペクトラム:ASDをテストするためのものでこんな問題文でした。

 

 

 

さわこちゃんとお母さんがチーズケーキを作っています。

そこにおばさんが遊びに来ました。

さわこちゃんはおばさんに「今、ケーキを焼いているの!」と言いました。

おばさんは、「ケーキは大好きよ!でも、チーズが入っているのは食べられられないんだ」と言いました。

気まずい状況を作ったのはだれで、なぜ気まずいのでしょうか。

 

 

 

 

というもの。

そのYoutuber医師の読み上げた問題は本当に↑これだけでした。

 

答えは

原因を作ったのは「おばさん」

なぜ気まずいかは「チーズケーキを焼いている子にチーズケーキは食べられない」といったことが空気が読めないと。

 

 

この問題文を見て私はこう思いました。

なんか、スッキリしないんだよな。

 

まぁ、これは、お母さんとさわこちゃんは気まずいよね・・・。

それはわかる。

 

「チーズケーキを作っているのに」

「チーズだめなんだよ」

と言われたら

 

気まずいというより

「あ・・・・・・。」

ってなるよねぇ。

 

それは想像つく。

 

私の場合、その状況を考えると

「え?代わりのお茶請けあったかしら!?」

と焦る自分しか思い浮かばないので、違った意味でずれているのかも(笑)

 

  私のモヤモヤの原因

正直、状況説明から唐突に出てくる「気まずい原因を作ったのは誰?」という問題の出し方がなんかしっくりこない。そして「原因を作った」という言葉の中にどうしても「気まずくさせた犯人は誰?」といったニュアンスを感じ取ってしまうので「ん?」っと思考がこんがらがってしまう。

 

そもそも、チーズケーキを焼いていたのは何のため?

おばさんが遊びに来る予定があったから?

 

それとも、母娘が自分たちで食べる分のチーズケーキを焼いているところに、アポなしでおばさんが来てしまったの?

 

状況もわからない。

 

この問題を見たときに

「チーズが食べられないといったおばさんの発言で」

「さわこ母娘が気まずくなった」

という答えを求めているんだろうなとは理解はしたが、

 

そもそもおばさんはチーズケーキを焼いていることを知らないんだし

「原因を作ったのは誰か」という言われ方をするほどのことをしたのかと言ったら

そこまでか!?…としか言えない。

 

結局は「気まずくなった」というけれど、せめて問題文からその場にいた(さわこ・母・おばさん)の誰がどのような状況下で、どの程度気まずくなって、どんな雰囲気になったかを想像できるような情報が欲しいと思ってしまう。

 

この問題分だけでは

その気まずい雰囲気つくった原因となる人

 

なんて特定できないんじゃ?

なんて考えてしまうのでした。

 

「あなたのためにケーキを焼いているんだ」と言っているわけでもなく、

 

 

「おばさんのために焼いているわけではなく、たださわこがお母さんとケーキを焼いているの!と事実を報告しているだけなのに、おばさんが「ケーキは好きよ!」と食べる気満々な空気を醸し出すから、なんとなく気まずくなった」

なんて状況かもしれない。

 

 

  考察してみる①

 

おばさんが事前に訪問の約束をしていて、かつチーズケーキを焼いていることを知っていた場合

なぜ気まずいのか

・チーズケーキを焼いているのに気づいていながら「チーズが食べられない」というおばさんの配慮のなさ→さわこの立場よ・・・。

 

誰が原因か

①母親がおばさんがチーズケーキ苦手だと知っていたら、知っていてチーズケーキを焼いた母と、チーズケーキを焼いていると知っていて「私チーズ苦手なの」と言い放つおばさんの配慮のなさ・・・・過失割合5:5

 

②母がおばさんがチーズケーキ苦手だと知らなかったら、チーズケーキを焼いていると知っていてわざわざ子供に「おばさんチーズ苦手なの」と言い放つおばさんの配慮のなさ・・・・おばさんの過失割合8

 

 

おばさんがチーズケーキを焼いていることを知らなかった場合

誰が原因か

①苦手発言を受けて娘のフォローしなかった母。もしくは、おばさんがチーズ苦手なのを知っていて娘に「ケーキ」焼いていると発言させてしまう母

 

②焼いているケーキがチーズケーキかもしれないという可能性も0ではない状況でチーズケーキは・・・という不適切発言をしてしまったおばさん

 

①と②を合わせて母とおばさんの過失割合 5:5

 

 

ほかにもいろいろな状況が想像できてしまうため、この状況では〇〇だった、ということが難しい。えーんあせる

 

 

 

  結局

 

この状況で

・この3人のうちのだれが

・どのような気まずさを覚えたか

(問題の意図的にはさわこを中心に考えているのだろうけれど、どんな気まずい状況下が明確に類推できるような確定情報がない以上、その定義は欲しい)

 

・上記2点を踏まえたうえで「気まずさ」を感じた人が気まずさを感じるに至った原因はどの発言か。(気まずさの原因はだれか、ではなくて「どのような発言」により対象者にとっての気まずい状況が生じたのか)という質問をしてほしい。

 

 

  ネットの反応

知〇袋やYoutubeのコメントでは

 

・誰が悪いとかないのでは?

・おばさんが気が利かないなぁという気はする

・母親がもう少し状況を見てフォローするべきだった

・そもそもこの質問自体が不適切問題なのでは?

 

などと様々な意見がありました。

 

一方

 

問題で「誰が原因」で「何が気まずくなったのか」と明記してある以上、「気まずくなった」ということを大前提として考えなければならないので「誰も悪くない」という答えを言っている人こそ状況が判断できていないASDなのでは?

 

たとえチーズが苦手でも、アレルギーでも「ありがとう。」とお礼はいうべきだし、おばさんがあまりに大人として空気が読めない。それが想像できない人もヤバい

 

 

大人がこの状況を想像するときに「さわこ(子供)」がどう思ったか、という視点で考えてしまうから「子供に対してもう少し配慮をするべきだ」という常識ベースの回答が出てきてしまう。

 

などという意見もありました。

 

 

  実は、本来の問題はもっと詳しい状況説明がされていた

結局、おばさんがさわこがチーズケーキを焼いていることを知っていたか否かが一番の論点だと思います。

 

いろいろと調べてみたところ、

もともとはとある番組内で紹介された問題であり、その時の問題文の意味を落とさずに記載してくださっていた方がいました。

 

 

問題

 

Aさんという女の子の家に、おじさんが遊びに来ました。

Aさんは、おじさんに食べてもらおうと思ってお母さんに手伝ってもらい、チーズケーキを作り始めました。

 

作りながら、Aさんは、食卓で待つおじさんに言いました。『私、おじさんのためにチーズケーキを作っているのよ』

 

おじさんはこう答えました。『ケーキは大好きだよ。チーズが入っているのはダメだけどね』

 

Aさんも周りの人たちも黙ってしまい、その場の雰囲気は一気に気まずくなりました」

 

ここで質問です。
この場を気まずくさせたのは誰だと思いますか?

 

 

 

  本来の文の考察

①こどもが「おじさんのためにチーズケーキを焼いた」と明言している

②そのうえで「ケーキは大好きだが、チーズが入っているのはだめだ」と言ってしまうおじさん

 

①の1文が入るだけで、このチーズケーキ問題の難易度はググッと下がりました。

 

 

 

 

やはり、お母さんがおじさんがチーズケーキが苦手かどうか確認していなかった過失は感じられるものの、この問題は「私はおじさんのためにチーズケーキを焼いたの!!!」と作っているのが「あなたのため」であり、「チーズケーキだ」と明言しされてます。他人の気持ちを慮れる人であれば「チーズが入っているのはだめだけど」とは言いませんから・・・・・・。

 

この問題の質問に対しては

 

A:この状況下であれば、おじさんが場の空気を気まずくさせてしまった

 

と答えるでしょう。

 

 

  やはり、問題が問題だったのでは?

ここまで長々と記載してしましたが、

元の問題を読むと私が視聴したYoutuber医師の問題が圧倒的情報不足だったのでは?

と感じました。

 

察するにネット上の様々な意見も、私の見たものに近い内容の問題を見られた方だったのだと思います。

 

問題が本来の形から変わってしまうと、やはり受け止めるほうにも影響は出ますよね。

 

今回Youtubeで出会ったチーズケーキ問題ですが、その答えうんぬんよりも

元々の問題から必要な情報が削られて(それが正のように)伝えられていることがあるのだと勉強になりましたし、私自身が問題の定義がしっかりしていない場合、いろいろな状況を考察しすぎて単純に物事を見ることができないタイプなのかな?と気づくことができました。