土曜日は、
ベトナム・ホーチミン在住時の友達と
東京駅近くでランチしてきました。
今もホーチミン在住のAさん
名古屋在住のBさん
そして東京在住の私
3人とも仕事を辞めて
旦那さんの海外駐在に帯同
そして
子供がいない夫婦二人の生活です。
再会は1年半ぶりで、
お互いの近況報告や、
最近のホーチミンの動向を聞くなど
盛り上がり、
あっという間の楽しい時間でした。
その中でホーチミン在住のAさんが
「私何もしていない」
「全然成長していない感じがする」
というのです。
聞いてみると、
前日に学生時代の友人と会い、
子育てと仕事で
大変そうにしている話題に入れず、
自分は夫の海外駐在に帯同し、
帯同先で主婦業をやっているだけ
何もしていない....
と、悲しい気持ちになったそうです。
その気持ち、痛いほどわかりました。
私自身も4年前、
結婚して主人と暮らすため、
20年以上勤めた会社を退職して
ホーチミンへ行きました。
行く前は、
楽しみで仕方がなかったのですが、
実際に行った後、
精神的に辛い状態になりました。
それまでは会社に毎日行って
多くの人と関わり、
にぎやかに過ごしていた生活。
一方でホーチミンでは、専業主婦。
会社に行くこともないし、
子供の用事もないので、
家のことが終ればやることがなく、
主人以外に誰と話すこともない。
働きたくても
家族ビザで滞在しているので
就業できない。
さらに当時の私は、
ベトナムに関する知識なし
当然ベトナム語もできない。
街へ出ると蒸し暑い気候で息苦しく、
自由過ぎるベトナムの人々に戸惑う...
ある時ふっと
にぎやかな街の中で、
「私、何しているんだろう？」
と、闇に囲まれるような、
社会から取り残されているような
孤独に襲われました。
自分が小さくなったような
気持ちになり、
「消えたい･･･」
そんな悪魔のささやきが
心の奥から聞こえてきました。
このままだとまずい！
と、はっと気がつき、
日本にいる母に電話をしてみたり、
語学学校に通う手続きをしたり
誰とも話さない環境を変える
ことにしました。
幸いにもその後、
語学学校へ通うことにより、
声を出し、毎日人と話すことで
気持ちが明るくなり、
また、そのように出かけることで
友達ができました。
そして徐々に、
ベトナム人のキャラクターや
気候にも慣れ、ベトナム生活を
楽しめるようになりました。
でも、それは表面的なこと。
本当は根本の部分で
私、これからの人生どうしよう
その気持ちを抱えていました。
主人との結婚生活は
楽しく、感謝していますが、
社会との繋がりがないことは
「この世に自分の居場所がない」
そのような想いに繋がります。
ある時これが、
「アイデンティティーロス」
だと知ります。
配偶者の転勤により、
これまでの自分の仕事を辞めたり
友人とも会えなくなる
そして
社会からの孤立を感じ
自分の価値、存在意義が揺らぐ。
そんな状態のことです。
Aさんの話に戻ります。
Aさんは、ご主人に帯同しながら
10年以上専業主婦ということですが、
その居住地がすごいんです！
中国→インドネシア→ベトナム
不便なだけでなく、
出歩くのも危険で
治安が不安な場所もあり
そのような中で、ご主人の生活を支え、
様々なトラブルを乗り越えてきた
こんなすごいことはない！
何もしていないどころか、
とんでもなく、大変な経験をしている！
そう、
「生きていれば、必ず何かしら経験して成長している」
そんな風に3人で話してきました。
最後には笑顔になってくれて
本当によかった。
まだしばらくは
ホーチミン生活が続くそうなので、
気をつけて、何とか楽しみを見つけて
日々過ごしてほしいと願いつつ
解散しました。
「転勤は人生を左右する」
それは社員だけでなく
その家族の人生も！
それを痛感した一日でした。
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