毎月、岡山国際交流センターで開催されている『日曜ラボ』。当室顧問も務めてくださっている岡山大学大学院教授の佐藤暁先生が主催していらっしゃる特別支援教育についての「実践障がい学」の勉強会です。教員をされている方、保育士の方、支援者の方が、岡山だけでなく県外からも参加しています。私は開講当初から毎月参加しています。


哲学を通して、発達支援のあり方などを学ぶもので、とてもとても深い内容です。大学院に入ったばかりの頃は、「特別支援教育なのに、なぜ哲学?」と思いましたが、そのような愚問はすぐに払拭されました。佐藤先生の講義で、通り一遍の知識や小手先のテクニックで、真の意味での支援はできないのだと思い知らされました。


今日はベルクソン哲学の続きでしたが、支援が必要な子どもたちのなかで、いったいどのようなことが起こっているのか...ということが垣間見えた気がしました。彼らのなかで起こっていることは、窺い知ることは難しいですが、「なぜ、そんな行動に出るのか」ということを考える手がかりになり得るのではないか...と感じました。


今日のラボの後半では、岡山市内の某中学校での研究授業の様子を動画でシェアしてくださいました。大学院時代は、佐藤先生が行かれる研究授業には積極的に参加していましたが、最近は学校現場に足を運ぶことが減り、とても新鮮な気持ちで視聴しました。特別な支援が必要な子どもたちを、どのように授業のなかでケアしていくか...ということを考えさせられるビデオでした。


先生が訴えておられたのは、以下2点を重視すること。

①子どもをしっかり見とる

②子どもをきちんとケアする


子どもの様子から、「今、その子のなかで何が起きているか」をしっかりと見とることが、何よりも大事。そして、どのようにしたら、子どもの学びを支えることができるか。そのためには、とことん子どもに付き合う。子どもが学びから離れていってしまわないように、しっかりケアをする。当たり前のことだけど、どれほどの教育者や支援者が、それを実践できているでしょうか?自戒の念も込めて、あらためて胸に刻みました。


発達支援の現場では、とかく支援側が用意した課題を中心に進めがちです。それについてこられない子どもは、「難しい子」と見られがち。でも、それはその子に原因があるのではなく、支援者側に何か足りないものがあるのではないか...という視点が大事だと思います。


発達支援は誰のためにあるのか?それは支援者ではなく、子どものため。子どもが社会で幸せに生きていくためのものです。子どもの最善の利益のために発達支援はある。子どもを枠にはめるのではなく、支援者側が子どもに合わせていく姿勢が大事なのではないかなと思います。