どうもこんにちは、mimoriです。

本日のネタバレ記事はコレビックリマーク

 

もう一度、光の中へ

毎週土曜日連載で、2022年8月11日現在ピッコマ・韓国版共に46話まで配信されています。

韓国・日本版は46話をもちまして第1シーズンが終了し、休載に入りました。

 

前回は、アイシャの初ダンスをルミナスが務めることになったところまで書きました。

今日はその続きです。

 

_____________

 

私は幸せだった。幸福感にあまりにも胸がドキドキするほどだ。

時間が進まないことをこんなに強く望んだのは初めてだった。

しかし、曲というのは終わりがあるもので、結局私とルーン様のダンスは終わりに向かっていくしかなかった。

短くて長い時間が過ぎ、私とルーンさんはその場に立って相手に向かって挨拶した。

 

「楽しかったです」

「ありがとうございます」

 

その言葉を聞いた瞬間、涙が出そうだった。

しかし、私が感情を落ち着かせる前に周りから大きな拍手が聞こえてきた。

 

「すごい!」

「とても美しかったです!」

 

人々が押し寄せた。私はさっと笑って見せた。

正直いて、私に詰めかけた人たちの半分ぐらいはルーン様の美貌に目が眩んでしまったようだった。

私を感嘆しながらも、ルーン様を一生懸命見ていたから。

 

その姿がなんだか見たくなかったから、その場を離れたかった。

 

「少し休憩してきます」

 

その言葉に人々は惜しまれながらも、私を捕まえておくことができなかった。

 

私は廊下に出て、柱に身を置いた。

人と離れると少しマシになり、静かに息を吐いた。

先ほどの出来事を思い出したかった。ターンをすると、私に向かって手を出してくれたルーン様の姿を。

その黄金色の目つきを思い出したかった。

記憶して、この日の記憶だけで一生生きられるようだった。

 

深呼吸をし、精霊王様と踊ったことは精霊使いとしてこの上ない光栄だ。

私はとても嬉しい。とても幸せだ。

ところでなぜだろう。心の片隅が少し痛かったのは・・。

その時、廊下の遠くからひそひそと音が聞こえてきた。

私は思わずそこを眺めてしまった。それがあまりにも聞き慣れた声だったから。

 

お兄様の声が聞こえる・・。

 

「リテオン公国の情勢はかなり乱れているようだね」

その言葉に大臣が答えていた。

「小規模な戦闘が繰り広げられているようです」

 

私は息を止めてしまった。

 

「そうだね、イデンベル帝国がますます軍隊を集めているということも聞いた」

 

一瞬心臓がどきっとした。

 

「鎮痛な話です」

 

さっきとは違う意味で、心臓が激しくドキドキした。

その後も彼らは続けて話をした。

私は息を殺したまま、その話を聞いていた。

 

リテオン帝国が我が帝国と軍事協定を結んでいたことは知っていた。

状況が乱れていることも。

その交渉の見返りとして、兄と父がダイヤモンド島を手に入れたのではないか。

しかし、グリオテン公国が乱れた理由が、イデンベルの軍拡張のためなのかは知らなかった。

イデンベルの情勢にはあまり変化がない。彼らを脅かす新しい部外者が現れたわけでもない。それにも関わらず群を拡張しているならば、その答えは誰でもわかるだろう。

戦争を準備しているのだ。イデンベルの皇帝は、ラキアスは、大陸征伐でも夢を見ているのだろうか。

彼らがリテオン公国を狙っているなら、我々エルミル帝国も黙っているわけにはいかなかった。文字通り、リテオン公国の国境を越えれば、まさに我が帝国だったからだ。

 

私がかなりショックを受けていた時、遠くから兄が歩いてくる音が聞こえた。

話を全部聞いてしまった。

兄がこのような話を私に知らせたがらないことを知っていた。

知ったかぶりをするべきか、それともどうすべきか迷った。

 

その時だった。

 

「アイシャ」

 

兄が私を呼んだ。私はビクッとしてしまった。

 

「そこにいるでしょ?息遣いでわかったよ」

「・・・・」

 

やはり兄はすごかった。息遣いだけで私を推測するなんて。

おそらく私がずっとここにいたという事実まで、彼は推察しているだろう。

私は仕方なく、柱の後ろからでてきた。

向かい合った兄の顔は影になってどこか暗く見えた。

 

「お兄様」

「どこに行っていたの?」

「ちょっと一息つこうと廊下に出ていました。中に人がとても多いからです」

「そうなんだ。デビュータントのせいで苦労したよね」

「いいえ、違います。他の方々が手伝ってくださって、私あhやることお特になかったんです」

「そうではない。お母様にデビュータントの準備はもちろん、宴会の準備までたくさん手伝ったと聞いたよ」

「・・・・皇女として当然のことですよ」

「お疲れ様」

 

兄はちょっと躊躇っているようだった。

 

「社交界に出ること、疲れない?お前がたくさん疲れたんじゃないかと心配になるよ。こんなに大きな舞台は初めてじゃないか」

「大丈夫です」

 

兄が本当に言いたいことはそうでないという気がした。

しかし兄は引き続き言葉をくるくる回すだけだった。

普段ならくだらない話だけでも楽しかったはずなのに、どうしてこんなことになったんだろう。

そして兄は本論を述べた。

 

「話、みんな聞いた?」

「・・はい」

「ごめんね、デビュータントの日に良くない知らせを聞かせて」

「・・・」

 

私は白いドレスの裾をぎゅっと掴んだ。

 

「デビュータント本当におめでとう。随分大きくなったね。幼い頃は小さかったのに」

「お兄様も幼い頃はあったでしょう?」

 

私は微かに笑、兄もちょっと悪戯な笑みを浮かべた。

 

「そうだね、あの時を思い出すね」

 

その時、私たち二人はあえて言わなくてもわかった。その美しかった国で、私が私の秘密を言ったあの日。夢なら切実に覚めないことを願った日だった。

兄は言葉を続けた。

 

「できるなら・・・。ずっと君を隠しておきたいな!」

「・・・・」

「南部の別荘のように、平和で美しいところで、君が明るく笑って楽しく話す姿さえ見られたら・・・」

 

そうはできないということを私たちみんなが一番よく知っているから、私は口を開いた。

 

「リテオンの現在の状況は正確にどうですか?」

「ずっとイデンベルの挑発を受けているそうだ。父は軍事協定によってリテオンに岸を派遣することを考えている」

「・・・・」

「我が帝国としても悪いことではない。いずれにせよ、イデンベルの勢力がさらに大きくなることは防がなければならないからだ」

「・・・・」

「近いうちに両国の間で戦争が起こるかもしれないね」

 

兄の苦々しい感情にどうかして、私の気持ちさえ限りなく沈んでいた。

 

「お兄様が、お兄様が出征する必要はないでしょう?」

「まだよくわからないね」

「お兄様!」

 

私は悲鳴を上げるように叫んだ。

 

「・・・いくら友好国でも、たった一人の後継者じゃないですか。この上なく貴重な方じゃないですか。だからお兄様が行くことはないでしょう?そうですよね?そうだとおっしゃってください!」

 

しばらく彼は黙っていた。

 

「どうか約束してください」

 

「あまり心配するな。状況がそれほど悪くなりそうにないから」

 

しかし、私は心配するしかなかった。

皇太子だったラキアスは先代皇帝から皇位を譲り受け、1年前に皇帝になった。

彼がどれだけの野心を持っているかはわからないが、エルミル帝国にとって危険だということに変わりはないだろう。

それでも今この状況では兄の言葉を信じたかった。何事もないだろうと、そうやって自分を慰めたかった。

 

「・・・はい、信じます」

「ごめんね」

「・・・・?」

「最高の日を作ってあげられなくて」

「・・・・?」

「言ったじゃん。デビュータントの日を最高の日にしてあげるって。

ところが、こんな話を聞くことになって・・・」

 

「いいえ、今日は私の最高の日です」

「しかし」

「本当です」

 

私は兄の目を深く覗き込んだ。それで、兄が私の本心に気付くように。

 

「そしておそらく、この状況を知らなかったら、決して最高の日には慣れなかったはずです。そういう意味で、言ってくれた兄に感謝します」

「・・・アイシャ?」

 

「目標ができました」

「目標?」

「はい、新しい目標。まだ申し上げることはできませんが、その目標を達成する日に堂々と申し上げます」

「・・・・危険なことではないだろう?」

「絶対にそうではないと約束します」

「そうなの?」

「むしろ心配しなければならないのは私の方なんですよ」

 

私は非難するように彼を眺めた。

 

「危険なことで私を隠すだけして、何も知らなければ私が幸せだと思いますか?」

「いや、そうじゃなくて・・・」

「お兄様の気持ちはわかりますが、けれど、以前にも言いました。私は家族を守りたいと」

「・・・・」

「だから、今日は私の最高の日になるしかないんです」

「そうだ。君を信じる」

 

その囁いに私は頷いた。

兄は廊下に続く皇居庭園を眺めた。夏至だが、いつの間にか世が老けて青黒い空には黄色い月が浮かんでいた。

 

「もう入る?」

「いいえ、私はここでももう少し考え直しておきます」

「そうか。早く戻ってこなければいけないよ」

「はい、すぐ入ります」

 

私の言葉に兄は安心したような微笑みを浮かべた。

兄が入ってから私はしばらく月を眺めた。

新しくしった事実と、前世の記憶。

そして様々な想念が入り混じってとても複雑な気分だった。

 

 

 

つづく・・・!!

 

 

_____________

 

 

ルーンと一緒にダンスをしたアイシャは、とても幸せな気分だったけど、

周りからチラチラルーンを見られていることにちょっと軽い嫉妬をしてる感じですかね?まだ自覚はない感じですが。

そして、久々にちょっと不穏な話を耳にしましたね。

しばらく平和な話が続いてましたが、また不穏な感じになっていくのでしょうか?

 

 

当面は週1,2回の不定期更新になります。

またよろしくお願いします。

 

それではまた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

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