どうもこんにちは、mimoriです。
本日のネタバレ記事はコレ
毎週土曜日連載で、2022年8月6日現在ピッコマ・韓国版共に46話まで配信されています。
韓国・日本版は46話をもちまして第1シーズンが終了し、休載に入りました。
前回は、いよいよ宴会とデビュータントが始まるところまで書きました。
今日はその続きです。
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いよいよこの夏至の宴会の主催者の一人であり、デビュータントの主人公である人が登場した。
「エルミルに一つだけの星、アイシャ・ド・エルミル様と光の神官様のご入場です」
その言葉を聞くと周りが静かになったのが感じられた。
今日の主役であるアイシャに対して、皆好奇心を感じたからだろう。
そしてゆっくりとドアが開いた。
開いたドアから美しい少女が軽やかに歩いてきた。
彼女が着た白いドレスと、キラキラした宝石は彼女にとても似合っていた。
いつものようにアイシャの方にはルーが乗っていたが、宴会に浮かれているのか明るく笑っている姿がとても良かった。
皇后は思わず口元に笑がこぼれるのを感じた。
そしてその後を追って神官が入ってきた。
腰まである長い白金髪を何の飾りもなく垂らし、白い神官服を首の先まで着飾った彼は、ただ無表情に立っていただけだが、それ自体がまるで光っているようだった。
神官ルーン、皇后は純粋にその美しさに感嘆した。
何度かみたが、適応できない眩しい美貌だった。
アイシャとルーン、その二人はこの宴会場を明るく照らしていた。
皇帝ティリオンは「アイリス」と低い声で彼女の名前を呼んだ・
「あのドレス・・・・」
アイリスはアイシャのデビュータントドレスについて、ティリオンに説明しなかったことを思い出した。そして同時に驚いた。
「覚えてますか?」
数十年前のことだ。アイリスが驚いて口を覆うと、ティリオンは微かに笑った。
「もちろん」
「・・・・」
「泣いていたあの令嬢を覚えていないはずがない」
その言葉にアイリスの顔は赤くなってしまった。
かなり時間が経ったが、彼の優しさは相変わらずだった。
幸福感におのずと笑みがひろがった。
アイリス・ド・エルミル 彼女は本当に幸せなひとだった。
彼女がこの帝国の皇后で最も身分の高い女性であることはそれほど重要ではなかった。
愛する娘と息子がいて、彼女を何よりも世の中で一番大事にしてくれる夫がいる。
それだけで胸がいっぱいになるほど嬉しくなるのだ。
「アイシャの頼みでした。あのドレスに新しい思い出を重ねたいと言ってました」
「そうだったんだ」
ティリオンがにっこり笑った。
アイシャと神官は彼らの足元に近づいていた。
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「エルミルの星、アイシャ・ド・エルミルが帝国の太陽と月、そして小さな太陽に挨拶します」
「よし、前に来なさい」
父の許しがおりた。私は一般貴族に許された距離を越えて、同じ皇族にだけ許された距離に近づいた。
ふと父のささやきが聞こえた。
「緊張してる?」
「いいえ」
私は微笑んだ。すると父は安堵した顔をしていた・
「今日デビュータントを開く君の未来を祝福する・これからも健康であることを祈る」
「ありがとう、お父様、お母様」
私が軽く挨拶して後ろに下がると、父は宴会場に向かって叫んだ。
「私、ティリオン・ド・エルミルは言う。
今日はとてもめでたい日だ。我が帝国の伝統的な記念日である夏至を祝う日であると同時に、皇女のデビュータントの日だからだ。
だから私は宣言する。この嬉しい日を迎え、首都の民に金貨を配り、今日の宴会に来たすべての人に神官の祝福をプレゼントする!」
私はびっくりしてしまった。この言葉を事前に聞いていなかったからだ。
神殿からわざわざ神官を招待したのも、私のデビュータントを祝う一環だったということを。
もちろん神殿との関係を緊密にする理由もあっただろうが。
「今この時間から、夏至の宴会の始まりを知らせる」
その言葉とともにあちこちでシャンパングラスが鳴った。
「さあ、アイシャ」
席を立った母が私とルーン様を導いた。
「デビュータントを記念して、ルーン神官の祝福を受けよう」
いよいよその時がきた。
ルーン様に祝福を受けるこの栄光の瞬間だ。
私はとてもドキドキして心臓が痛くなるのを感じた。あらかじめ約束された手続きだったので、ルーン様は素直に私の前に近づいてきた。
ルーン様は私にじっと手をかざした。
そんなルーン様の手には暖かい光が漂っていた。
それがルーン様が持っている固有の光の力だろう。
ルーン様はそっと手を出して額の上にあげた。温もりが伝わってきた。
光の力は暖かいね。
そんな考えをしている時、ルーン様が口を開いた。
「アイシャ・ド・エルミル。この帝国の一つだけの星。
あなたの将来に幸運がいっぱいになることを心から祈ります」
短い祝辞だった。しかし、それだけでも嬉しかった。
そう言ったルーン様は私の額に小さな称号を描いてくれた。
暖かさが額から爪先まで広がっていくような気がした。
夢見たい!
「これで儀式は終わりだ」
父が声をかけた。
私はルーン様に声をかけた。
「ありがとうございました」
「たいしたことないです」
公式的な席だったせいか、彼は私に敬語を使っていた。
私は微笑んだ。私が言ったことが彼にまだ有効だったようだ。
「さぁ、最初のダンスの時間ね」
母が言った言葉に私は両手を軽く握った。
祝福の次に続く初のダンス。
社交界にデビューして、踊る初めてのダンスであるだけに、大きな意味があるダンスだった。
お母様はデビュータントの時、お父様と踊ったって言ってたよね!
パートナーがいない私はおそらく兄と踊ることになるだろう。
ところが、どうなのか心の片隅が寂しかった。
無意識に私はルーン様を見つめていた。
ルーン様に初めてのダンスを踊ろうと誘うのは大変失礼でしょう!
いずれにせよ、その方の正体を知っている私としては、とても声がかけられなかった。
初めてのダンスが特別だとはいえ、だからと言って無理なお願いをしたくはなかった。
兄に初めてのダンスをお願いしよう!
兄はいつも喜んで私のパートナーになってくれた。
そのため、私たち二人の呼吸はぴったりで、踊る時はいつも一度のミスもなく滑らかに続いた。
その時、私とルーン様を交互に眺めていた母が突然言った。
「ところで、アイシャ、ルーン神官様。
最初のダンスはパートナーと踊るのが慣例だと言うことを知っていますよね?」
「もちろんです。しかし、私は今日パートナーがいないんですよ。宴会の主催なので、わざわざパートナーを探さなかったことをご存知じゃないですか」
母はにっこり微笑んだ。
「そうだね、それで・・パートナーがいない代わりに、一緒に宴会の主宰を務めるルーン神官と初めて踊るのはどうだろうか」
「え?」
私は驚愕した。それは私だけではなかった。
対話をじっと聞いていた兄も同じだった。私と同じ姿で驚愕している兄と私を交互に眺めていた母は、軽く笑った。
「今日のような日にもお兄さんと一緒に踊るのは寂しい。お母さんとして、君がパートナーがいないことが申し訳なかった。ルーン神官様がどうかこの提案を受けてくれたら、二人で踊るのはどうだろうか?」
私は母の提案に戸惑ったが、その言葉に兄が口を開いた。
「ダメです!」
思ったより強い反発だった。
「いつもアイシャと踊るのは私の役割だったんです。それにデビュータントの最初のダンスなら譲れません」
「イシス」
母は優しく笑った。
ところでそんな母に顔に、断固として態度が漂っているようなのが勘違いだろうか。
「初めてのダンスだから、他の人とダンスをするのが意味があるんじゃない?
アイシャもデビュータントをしたし、いつまでも家族と踊る必要はないからだ」
「それはそうですが・・」
「だから二人の意見を聞いてみよう」
私はルーン様を眺めた。私よりずっと背が高くなった彼なので、彼と私の目線には差があった。
ルーン様とダンスを・・?
ルーン様とダンスなんて、可能でも震えて私が倒れるかもしれない。
でも、どうしてだろうか、私は私を見つめるルーン様の瞳から抜け出すことができなかった。
「やりましょう」
「・・・!!!」
「あら!」
母が嬉しそうに笑っていた。
「よろしかったら、どうぞ」
ルーン様は遠慮なく私に手を差し出した。
とても綺麗な手を眺めた。
「大丈夫ですか?」
私の言葉に彼は頷いた。
「はい」
幸福感に頭がくらくらしそうだった。
私とルーン様が宴会場の真ん中の踊り場に向かうと、そこにいた人たちが場所をあけた。
神官服を着たルーン様とドレスを着た私の組み合わせはあまり合わなかった。
しかし、楽団は彼を気にせず、静かなダンス曲を演奏し始めた。
私がよく知っている曲だった。
たくさん練習して踊った曲だったから、少なくとも他の人の前で恥をかくことは なさそうだった。
「ところでルーン様、ダンスは踊れますか?」
ルーン様は奇妙な表情だった。まるであきれた質問を聞いた表情だったというか・・
「精霊たちにとってダンスは基本中の基本だ」
そういえば、精霊たちも宴会が大好きだよね。
一生懸命ダンスを習ってよかった!
私はデビュータントのために、念のため再びダンスの練習をしたことを心から安堵していた。
ルーン様と初めて踊るダンスで、決してミスをしたくなかったのだ。
そして私とルーン様のダンスが始まった。
旋律に合わせて回った。ルーン様と視線が合い、落ちた。
彼は月の光のように美しい金眼を持っていた。少しずつ速くなり始める旋律のせいか、息切れを感じることができた。
胸があまりにもどきどきしていた。
取り合った手の温もりが暖かかった。
ルーン様と踊っている。クラクラするほど強く回ると、かえって気が戻ってきたようだった。
ルーン様は何を考えているんだろう・・
普段のように無愛想な彼の表情からは特になにも読み取れなかった。
しかし、彼の瞳に映った自分の顔はとても幸せそうに見えた。
そう、私は幸せだった。
幸福感に胸があまりにもドキドキするほど、時間が進まないことをこんなに強く感じたのは初めてだった。
しかし、曲というのは終わりがあるもので、ダンスにも最後のシステムはあるため、結局私とルーン様のダンスは終わりに向かっていくしかなかった。
短くて長い時間が過ぎた。
私とルーン様はその場に立って、相手に向かって挨拶をした。
つづく・・・
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アイシャへ光の祝福をしたルーン。
そして母の提案で、初のダンス相手を務めるルーン。
イシスはシスコン度合いがひどい
当面は週1,2回の不定期更新になります。
またよろしくお願いします。
それではまた!