どうもこんにちは、mimoriです。
本日のネタバレ記事はコレ
毎週土曜日連載で、2022年7月17日現在ピッコマ・韓国版共に46話まで配信されています。
韓国・日本版は46話をもちまして第1シーズンが終了し、休載に入りました。
前回は、敬語で話して欲しいとルミナスを説得することに成功したところまで書きました。
今日はその続きです。
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どのくらい道を進んだだろうか、先に道を案内していたお兄様がついに口が開いた。
「この前、あなたと私が会ったことがあったよね?」
ルーン様に声をかけたのだ。私は立ち止まった。
とげのあるお兄様の声が決してルーン様に楽しい話をするとは思わなかった。
「あなたが次期大神官候補だとは思わなかった。今日あなたを見て少し驚いた」
「そうだったんですね」
このルーン様の返答が兄の機嫌を悪くしたようだった。
「敬語はなくてもいいね。君にはまったく敬語が似合わないね。
父と母にするだけで大丈夫だ」
兄の冷たい顔に私はびっくりした。
喧嘩がおきそうな雰囲気に二人の顔色を伺う。しかし、ルーン様は依然として余裕があるだけだった。
「じゃあ、そうしよう」
二人は互いを詮索するようにゆっくり眺めていた。いや、正確には兄が喧嘩を仕掛けてルーン様が適当に彼に接しているみたいだった。
兄はこの帝国の指折りの武術家だが、どんなことが起こるか、二人の姿を見守りながらハラハラして歩いていると、大神官がこっそり近づいてきた。
「ああ、皇女殿下!」
「・・・え?」
彼は本当に気になっていたようで、私に聞いた。
「ところで、一体どんな会話をしてあの方が敬語を使うようになったのですか?」
「えっと・・・」
その過程を言えば実に長くなるだろう。
「聖女・・として落ち着いて説得したら、あの方も受け入れてくれました」
「おお!なるほど、さすがアイシャ様」
大神官は本当に感心したようだった。私は祈祷室のことを考えながら、大神官の目を避けて遠くを眺めるだけだった。
「ところで・・・どうしてルーン様に大神官を譲られるんですか?」
「ははは、もちろんルーン様はまだ大神官候補にすぎません。でも・・・」
彼はにこにこと笑った。
「その方が持つ神聖力は本当に素晴らしいです。私が一線にいるのが恥ずかしいほどです。あの方にどうして畏敬の念を感じないのでしょうか?」
ある意味大神官である彼にとって、ルーン様は自分の席を脅かす挑戦者かもしれない。
しかし、彼が高齢であったためか、それとも彼が本当に聖職者らしい品性を持っているためか
「私はあの方が作っていく新しい神殿がとても楽しみです。まぁ、法王になるかもしれないという言及まである方ですからね」
法王というのは大神官とは違う。大神官が単なる光の神殿における一番の長であれば、法王は全大陸に広がっているすべての神官の首長である。
まさに人間の中で神に最も近い者と言えるだろう。もちろんそれほど珍しい席だったので、法王になった者は歴史でも数えるほど少なかった。
「・・・本当にルーン様が法王になれるのでしょうか?」
「ははは、先のことは分からないのではないでしょうか」
その言葉が正しい。先のことは誰も知らないんだ。
「ところで、皇女殿下に久しぶりにお会いできてとても楽しかったです」
「ああ、私も同じです。久しぶりに大神官にお会いして、私も心がとても満足しました」
「7歳の時以来、たびたびお会いしましたが、こんなに長く会うのは初めてですからね」
「そうですね」
「夏至の宴会に皇女殿下のデビュータントもうまくいくことを祈っています」
「ありがとうございます。がんばります」
私はにっこりと笑った。
「そしてどうぞ、ルーン様をどうぞよろしくお願いします」
彼の言葉に私は改めてルーン様を見た。風の中で長い白金髪が少し靡くのが見えた。
ちょっと考え込んでいただろうか、私はイシスお兄様が呼ぶ声にすぐに返事ができなかった。
「・・イシャ、アイシャ!」
「あ、はい?」
「これでお客様に挨拶を差し上げなければならない」
もう別れる時間だ。大神官とルーン様は乗ってきた神官専用の白い馬車に乗っていた。私を裾をそっと持ち上げて挨拶をした。
「またお会いしましょう」
私の笑顔に二人は頷いた。
「またお目にかかります」
「エルミルのひとつだけの星に祝福を!」
そして馬車は出発した。なぜかその後をずっと見ていたかったが、兄がそばにいたので、私は兄について帰るしかなかった。
「あの神官、やっぱり気に入らない」
「・・・ははは・・」
どうやらルーン様は兄にひどく睨まれてしまったようだった。
なぜだろうか、第一印象が悪くて?
「あんなに硬いのにデビュータントを台無しにしたらどうしよう?」
「まさか、それはないでしょう」
私は首をそっと振った。そんな私をじっと見ていた兄は、すぐ私の肩に手を置いた。
「アイシャ!でも心配しないで。このお兄さんが君のデビュータントを最高の日にしてあげるから!」
兄はデビュータントに本当に多くの期待を持っているようだった。
「はい!」
私は兄と歩きながら軽く尋ねた。
「ところで、皇太子様の業務はどうなっていますか?まさか私のデビュータントの仕事でもっと忙しくなったんじゃないですよね?」
「ははは、そんなはずがない」
イシスはにっこりと笑った。
「心配する必要はない」
何か私の勘がおかしいと言っていた。
私が生まれて最も多く接した存在が精霊ならば、おそらく人の中では断然「イシスお兄様」を挙げることができるだろう。
それだけお兄様は私に真心と愛を注ぎ、私もそれに報いるために努力した。
そのため、私と兄は何よりもお互いの感情に敏感だった。
何か不自然なことがある時は、誰よりも早く気づくことができるという意味だった。
「心配は不要ですか?」
私の声に兄が半分後ろを向いた。どこか寂しいひょうじょうだった。
兄は私に少し近づいた。
「そうだね、何も心配する必要はないよ」
彼は笑った。私は兄を見つめ、なぜかその笑には隠された何かがあるという気がした。もちろん私の勘違いかもしれないが・・・。
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まだ私がデビュータントの時に着るドレスが決まっていなかった。
ある日、母の元へ向かった。
「いい午後ですね、お母様」
母は明るく笑って私に席を勧めた。
私は席に座る前、釘を刺されたゆに席を立ってしまった。母の部屋に新しいものが一つ見つけた体。
部屋の中央のハンガーにかかっている白いドレスだった。
管理が行き届いているのか、そのドレスは汚れ一つない真っ白なものだった。
「きれい!」
何気なくそう思った。
私がそのドレスから目が離せないことに気づいたのか、母が声をあげた。
「ああ、あれが気になるようだね」
小さくワラてt、ハンガーに近づき、その服を自分に当ててみた。
残念ながらそのドレスは母が着るには小さく見えた。
ちょうど私くらいが着たらちょうどよさそうなドレスだったというか、それでも美しいということには変わりがなかった。
「綺麗じゃない?」
「はい、本当に綺麗です」
「わたh氏のデビュータントに着ていたドレスだ」
「お母様のデビュータントですか?」
「そうだね、私も14歳の時デビュータントをしたんだ」
私はそのドレスをもう一度見た。それなら数十年過ぎたドレスという話だが、時間の流れを感じられないほどセンレンされていてきれいだった。
母がどこかおぼろげな顔をして、そのドレスを撫でた。
「もう随分前の話だけど、アイシャがデビュータントをするのを見て、ふと思い出したんだ!」
その顔には私が知らなかった思い出がいっぱいのようだった。
「話していただけますか?その日がどうだったのか」
「あら、果たして面白いかわからないな」
「聞きたいんですよ、お母様の話が」
すると母は照れ臭そうに笑った。どこか少女のような微笑みだった。
母は私をテーブルに連れて行って、お茶を入れてくれた。
つづく・・・
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イシスはやはりルミナスが気に入らないみたいですね
正体を明かしていないから仕方がないことですが、
個人的にはちょっとシスコンが過ぎる気はする
当面は週1,2回の不定期更新になります。
またよろしくお願いします。
それではまた!