どうもこんにちは、mimoriです。
本日のネタバレ記事はコレ
毎週土曜日連載で、2022年7月17日現在ピッコマ・韓国版共に46話まで配信されています。
韓国・日本版は46話をもちまして第1シーズンが終了し、休載に入りました。
前回は、ルミナスは神官として皇居にやってきましたが、敬語を使わないためなにかと不審に思われているところをアイシャが連れ出したところまで書きました。
今日はその続きです。
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幸いルミナス様は私についてきてくれた。
単に近くの祈祷室に入ってきただけだが、緊張とドキドキによって心臓が激しく動いていた。
光の神を信じる帝国の特性上、皇居にも小さな祈祷室がいくつか作られていた。
まさに光の神であるルミナス様と一緒に入ることになるとは夢にも思わなかった。
これからどうしよう・・。ルミナス様に敬語をつかってもらうことはできなかった。
もちろん。今まで見てきたまさに彼がかなり慈悲深い精霊王であることは分かったが、それとこの問題は別問題だ。
言語は精神を支配する。誰かにき敬語を使うのは、そのひとが 自分より高い存在であることを認めているということだ。
どうして精霊王様にそうして欲しいと言えるのか!
私はため息ばかりついた。
「興味深いね」
このような状況でもルミナス様は祭壇に献呈しておいた花を眺めながら、ゆったりとした声を発するだけだった。
「興味深いですか?」
その時、なにかとても重要なヒントを得たようだった。ルミナス様の気分を害さないようにしながらも、彼に迂回的に敬語をお願いする方法を。
「ルミナス様」
「どうしたんだろう?」
彼は怪訝そうに私を眺めた。
彼は献花の花びらをそっと撫でていたが、彼が触ると花が急に生気がついた。
さっきまで少し萎れていたんだけど・・。
「ルミナス様は私と友達になりたいとおっしゃいましたよね?」
「そうだった」
「その理由はなんでしたか?」
「人間たち、特に君に興味を感じていたからだ」
「まさにそれです!
ル、ルミナス様は人間のルールを学ぶ必要がある!」
私の言葉にルミナス様の眉が少ししかめっ面になった。
私の話を理解できなかったようだ。私は彼が疑問を抱く前にすぐに補足説明をした。
「いくら人間と私に興味を持ったとしても、もし今のように、人間の規則をきちんと守らなければ、人間の世界はもちろん、私を理解することができないでしょう!」
話していたら私も説得されるかんじだった。私は確信を持って叫んだ。
「なぜなら、本当に人間の間で、人間と人間のように混ざり合わなければ、人間がどんな存在なのか永遠に学ぶことができません!」
「・・・・」
私の話に彼はしばらく考えているようだった。少しの沈黙が狭い祈祷室を支配した。
「・・・そうかな?」
ルミナス様は少しうつむいた。その姿に私は一生懸命頷いた。
「はい!例えば・・敬語もそうです。人間は身分を重要視するので、必ず高い人々には敬語を使わなければなりません。まぁ、どうせ敬語を使う方もあまりいないのではないでしょうか。神殿では皆さんにタメ口を使いましたよね?」
ただ一度予測してみただけなのに、ルミナス様は頷いた。
「そうだった。どうせみんな私の子供たちだから」
大神官様、お疲れ様でした・・。
いくらルミナス様が神聖力が高いとはいえ、明らかに噂になった行動だろう。
新しく入ってきて間もない神官が、毎日のようにタメ口ばかり話していたとすれば。
そんな大神官のためにも、私は必死に彼を説得した。
「普段の私にはタメ口で話してもいいので、兄、父、母の3人には敬語を、公的な場で私とルーン様がお互い敬語を使うことにしましょう、ルミナス様。先ほど言ったように、人間のルールを学ぶことはとても大切なことで、そのルールを実行することはもっと大切なことなんです!」
今私は両手を握りしめて切実に祈っていた。
通じるかな?
どうかどうか通じたらいいのに・・・
ルミナス様はそんな私を見つめていた。
どのくらい静寂が流れたのか、ルミナス様は頷いた。
私は明るくなった顔を隠さなかった。
ルミナス様が言った。
「分かった。君の言う通りにしよう」
「あの、本当ですか?」
「そうだね。人間がどんな存在ななのかもっと学びたいから」
私は勝利の喜びで感激の涙を流しそうになったのをやっと堪えた。
「それでは、これから父や母、兄に敬語を使ってくれますよね?」
「そうしよう」
「ありがとうございます!ルミナス様!」
すると彼は首を横に振った。
「そうではない」
「え?」
「人間の規則に従うことにしたではないか。だからお前も僕の家名である「ルーン」って僕を呼ばないと」
「あ、そうですね。その通りです」
私は笑ってしまった。
何気に粗末ながらも何か生真面目な彼の考え方が面白かった。
そうして私とルーン様は小さな祈祷室から慎重に出ることができた。
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外に出て応接室に戻ると、大神官を含め、家族は私を待ちわびていたようだった。
幸い、父の表情はそれほど悪くなかった。代わりに大神官の顔色が青白くなったのを見て、言い訳をとても熱心にされていたのを悟った。
私は彼に同情の目を向けた。 お疲れ様でした、大神官!
その時、母が聞いた。
「アイシャ、いったい何の話をそんなにしていたの?」
「そうだね、急に出ていくからとても慌てたよ」
「聖女と神官としての話をしました。ルミナス様の恩寵とこの世界の美しさと・・そう言うことについてです」
家族は変な顔をしていたが、半分くらいは納得したようだった。
一応聖女である私が、神官であるルーン様と話すことがそんなに変なことではないからだ。
「そうでしょう?とても役に立つ対話だったでしょう?」
私の話に彼は頷いた。そして次の瞬間、彼は口を開いた。胸が冷や冷やしているせいか、彼の唇がひらくのがとてもゆっくりに見えた。
「そうです」
「・・・・」
完璧な礼法に、完璧な敬語だった。
ルーン様の姿はまさに礼法教科書に出てきそうな姿だった。
やり遂げた!私がやり遂げた!私はさっき溢さなかった喜びの涙がまた流れそうで、胸元を掴んで感情を落ち着かせた。
驚いたのは私だけではなかった。
大神官が途方もなく驚愕した表情で私とルーン様を交互に眺めていた。
まさに、どうやって彼に敬語を教えたのかと聞いているように・・。
ルーン様がきちんと礼儀を弁えると、父は気分がよくなったようだった。
一層和らいだ顔でルーン様に向かって尋ねたからだ。
「あなたが大神官に匹敵する神聖力を持っていると聞いた。若く見えるのにとてもすごいね!」
「ありがとうございます」
ルーン様は長く話さなかったが、その言葉一つひとつにどっしりとした響きがあった。二人をハラハラと眺めていた私は、ようやく心中で完全に安堵のため息を吐いた。
「そうだね、これからよろしく。何よりも君が皇女の祝福を引き受けた張本人だからね」
「再残を尽くします」
私はにこにこ笑った。
ルーン様が私の言葉に説得された。私の話を聞いてくれたのだ。
嬉しくないはずがなかった。
みんな表情が悪くないのに、なぜかイシスお兄様だけはまだ気に入らないという表情をしていた。
どうしたんだろう・・
彼に私は首を傾げざるを得なかった。しかし、いずれにせよ、父と母は引き続き夏至の宴会についての説明をした。
人々の前で祝福を下すことや、宴会で神官たちと一緒に参加することなど。
半分はすでに知っていたことだったが、頭の中に刻み込むために熱心に聞いた。
そして説明がすべて終わった時、私と兄は代わりに大神官とルーン様を見送ることになった。
私はイシスお兄様の顔色を伺う。なぜかわからないが、さっきから兄の気持ちがあまり良さそうに見えなかったからだ。
それに比べてルーン様の顔は平然としていた。
強いて言えば、イシスお兄様を相手にする価値さえ感じていないようだった。
つづく・・・
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ついにルミナスに敬語を使うように直談判をしたアイシャ!
うまく誘導し、ルミナスも納得。
大神官もこれでほっとしたことでしょう
当面は週1,2回の不定期更新になります。
またよろしくお願いします。
それではまた!