どうもこんにちは、mimoriです。
本日のネタバレ記事はコレ
毎週土曜日連載で、2022年7月2日現在ピッコマ・韓国版共に46話まで配信されています。
韓国・日本版は46話をもちまして第1シーズンが終了し、休載に入りました。
前回は、ルミナスと神殿で別れたところまで書きました。
今日はその続きです。
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首都に戻ってきたことを実感した。
皇居に着いた私は、待っていた両親に会った。
二人を見るや否や、駆けつけてその胸に飛び込んだ。
「お父様、お母さま!」
すると二人ともぎゅっと抱きしめてくれた。
暖かい温もりが私を包み込んだ。
「会いたかったよ、アイシャ」
「別荘まで会いに行こうとしたのを我慢したんだ」
「もう遠くに行かせないようにしよう」
「私の考えも同じだ」
二人は冗談のように言ったが、なんとなく冗談には聞こえなかった。
なんと14年間も私を過保護にしてきた人たちだ。
「私も会いたかったです」
旅行もいいが、やはり家が一番だ。
両親の暖かい胸に抱かれた私は、ニッコリ笑った。
「あ、それから!そこで友達もできました」
「友達だって?」
「だれ?」
「後でゆっくり紹介させていただきます。お母様がくれた別荘は本当に最高でした。とてもきれいで、素敵で・・・その中の人々もどれほど親切でよかったか・・」
私の言葉にははは幸いだと言うように微笑んだ。
「一生懸命準備したかいがあるね」
「はい!それから・・私がお土産もかってきました!見たらびっくりするとおもいますよ?すべて私がお母様、お父様とお兄様を思いながら買ってきたものです」
やがて侍従たちがこの部屋にぎっしりと贈り物を抱えて来た。
部屋いっぱいのプレゼントに家族の顔が半開きになっていた。
その種類だけでも、食べ物、着るもの、珍しいもの・・・とても多様だった。
「気持ちはありがたいが・・これは多すぎるんじゃないか?」
イシスが言った。
これは私の誕生日にとてつものないプレゼントくれた家族のための小さな復讐だった。
私はにっこり笑った。
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旅行から帰って来てから数週間。時は流れ夏はますます深まっていた。
春の祭典、夏の夏至、秋の収穫祭、冬の新年祭。これらがエルミル帝国の4大行事である。
今は「夏至の宴」が最も近くなっていた。
夏至は一年で最も火が長い間昇っている日で、我が帝国が光の神に追従するだけに、帝国の人々が非常に申請に考える日でもあった。
今回の夏至にも、皇居で船遊びと、空に明かりを浮かべる大きな儀式がある予定で、私は母を助けて夏至の企画を検討しているところだった。
テーブルの上には「神官招待」にかんする書類がたくさん並べられていた。
聞いたところによると、先日、光の神殿に特別なことがあったという。
すぐに次の大神官、もしかしたら法王になるかもしれないすごい新刊が出たと言う。
そのため、皇居では元々計画していたものをすべて取り消し、そのついでにその神官を含めて光の神官を招待することにした。
私は軽くあくびをした。通りかかった侍女が笑いながら言った。
「皇女殿下、お茶をもっとお持ちしましょうか?」
「うん、そうしてくれる?」
テーブルの上で一緒に書類を見ているようだったルーが、いつの間にか横になって昼寝をしていた。とても幸せそうな顔にふとルーが羨ましくなってしまった。
私も休みたい!
そう思った私が、ペンをおろそうとした時、部屋のテラスからコンコンという音がして、私は驚いた。
なに?
私の部屋は3階だ。
その次の瞬間、私は戸惑いながらも少し嬉しくなってしまった。
テラス越しに見える青い皇居の森を背景に彼が立っていた。
光の精霊王である彼と青い森の情景はとてもよく似合っていた。
ルミナス様。まさに彼だった。
ふと自分の隣の侍女たちを見た。侍女が私に新しい茶碗を持って来てくれたところだった。
「どうぞ、皇女殿下」
「あ、ありがとう」
私はしばらくためらったが、
「みんな、私、ちょっと一人でいたい」
「え?」
不火が慌てたように聞き返した。
私の話はとても突拍子もなかっただろう。
少し恥ずかしかったが、私は図々しく押し通した。
「うん、一人で考えたいことがあるの。みんな席を外してくれる?私が入ってこい言うまで来なくても大丈夫!」
戸惑うような表情を見せていた侍女たちだったが、かしこまりました。と素直に部屋の外に出てくれた。
やがて部屋に私しかいなくなると、私はすぐテラスに近づいて窓を開けた。
森の爽やかな香りとともに眩しい夏の日差しが部屋の中に入って来た。
そして私はにっこり笑った。
「お久しぶりですね、ルミナス様」
数週間ぶりに見る彼の顔だった。しかし、彼がいきなり私に聞いた。
「これくらは大丈夫かな?」
「え?」
彼に私が聞き返すと、彼は親切に説明してくれた。
「人間にはプライバシーがあると言っていたので、数週間に一回程度訪れるのは大丈夫かという意味だ」
「あ・・・」
私は彼の言葉に驚いて照れてしまった。
そうでなくてもルミナスが恋しかったせいだ。彼にもう一度会いたかった。
彼が前のように突然現れなかったのが私のことを気にかけてくれていたことだったとは。
「はい、大丈夫です」
実はもう少し頻繁に来てくれても構わなかった。
「なるほど!」
私の答えを聞いた彼は穏やかに笑った瞬間、もう一度心臓がドキドキした。
・・・健康診断では異常がないと出たのに!
私が健康診断を受けると言う話を切り出すや否や、父、母、兄まで走って来て、どこか悪いところはないかと問い詰めた。
そして受けた健康診断では異常は一つもなかった。
私が精霊使いだから、彼の気運ひとつひとつに反応するのかな?
多分そうかもしれない。私は今更彼を眺めた。
腰まで下がる白金髪と日差しのように眩しい金眼。そして目がくらんでしまうほど美しい彼の姿まで。眩しい夏の森を背景にした彼は本当に美しく見えた。
それこそ見ているだけで夢の中にいるような気分にさせる精霊だった。
「ところで、どういうことでここまで来られたんですか?」
「たいしたことはない、人間の世界で身分を作ることも順調に進んでいる」
「あ、やっぱり神官になるんですか?」
「そうだよ」
「もしかしたら、今回の夏至の宴会でお会いできるかもしれませんね。夏至を迎えて皇居に神官の方々を招待します」
「聞いた」
「あ、それではこれもお分かりですね。今度光の神殿で次期大臣になるかもしれない方がでたと・・・」
あれ?次期大臣になるかもしれない人が現れることが、果たしてありふれたことなのか?それにその神官がつい最近現れたそうだけど!
まさか・・・?
「・・・ほとんど神聖力教皇監だそうだが、その方と私が一緒に今回の行事を主管することになりました」
「なるほど」
「それで・・、ルミナス様は神官になるとおっしゃいましたよね」
「そうだね」
「ええと・・、まさかルミナス様がその神官?」
ルミナス様は微笑んだ。
真夏の日差しが顔負けするほど眩しい笑顔だった。
ルミナス様が神殿で次期大臣級なら少なくとも彼にむやみに振る舞う人はいないだろう。ふと気になることができた。
「ところでどうやって次期大臣の資格を得たんですか?」
「ただ光の能力を少し見せたら、子供たちが飛び跳ねていた。あえて大臣になるつもりはないが、必死に頼むからそうすることにした」
「子供達・・・ですか?」
「神官たちよ」
神官たちを子供と呼ぶなんて!
その中には80歳を超える神官もいる。確かに、当然のことだ。
膨大な時間を生きた彼としては、すべての人間が子供のように見えると言っても過言ではないだろう。
色々と彼が人間ではないということが、このように切実に感じたことはなかった。
つづく・・・
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律儀に数週間空けてやってきたルミナス。
そして、少し力を出しただけで大臣を請われる。むしろ祀られている方ですけどね
なににせよ精霊王であるから彼自体規格外ですよね〜
これからどんな展開が待っているのでしょうか。
徐々に書いていきますが、当面は週1,2回の不定期更新になります。
またよろしくお願いします。
それではまた!
6月20日発売予定