日本国がとるべき国防政策は如何様なものか。もちろん憲法9条を素直に読めば“陸海空軍その他の战力は、これを保持しない。国の交战权は、これを認めない。”とあるわけだから,正常的思考を持っている人ならば,やはり自衛隊は廃止、解体しかなうと考えるでしょう。確かにいつの日にか自衛隊は廃止、解体せにゃいかん。とりわけ小渕内閣が推し進めた日米ガイドラインのあたりから自衛隊は米軍との一体化が進み,小泉内閣、野田内閣ではそれに拍車がかかり,安倍内閣に至っては集団的自衛权までをも認める始末。あげく,軍事費は5年連続で上昇している。日本の軍事費総順位はなんと世界第8位。独立国家の少なかった20世紀初頭ですら日本は八大国と呼ばれたわけで,国家総数が200に迫る現代世界に置いて,世界第8位の軍事費支出なんて明白に憲法違反だろう。日本政府は“自衛隊は専守保衛に必要な最低限度の战力”という言い訳で自衛隊を容認してたけれども,遺憾ながら今日の自衛隊は“専守保衛”や“最低限度の战力”から大きく逸脱しており,法律的観点から見るならば,もはやその存在を容認することはできない。


 だが自衛隊の廃止は容易でないのが現状だ。自衛隊廃止を言えば選挙で勝てないし,米国や右翼報道に洗脳されて“日本には軍事力”と想い込む人が多いのだから。右翼どもは口を開けば“左派は国防を語れ”というものの,では右翼どもの国防政策が現実的優良なのかといえば全くの逆だ。右翼どもの国防政策はひたすら米国から武器を買う,ひたすら米軍の駒部隊をやる,ちょっとの对立には直ぐに軍事力を以てあたる,二战で失った領土を战争で取り戻す,核武装する,など全くの狂暴頓珍漢的政策ばかり。五十歩百歩万歩ゆずって,憲法が変わり国防軍が出来てからそれらを主張するならまだ理解できる。だが,まずは現存する憲法を遵守するのが先だろうがって話。


 となれば,やはり専守保衛を前提とする国防政策を立てにゃいかん。自衛隊のみならず国内の武力組織は将来に廃止されるべきだが,最低限度の武力という観点から言うならば,まずは“自衛隊”を廃止する。しかし,完全解体ではない。自衛隊を廃止した上で,陸上警備隊、海上警備隊の2つから成立する“国家警備隊”と,国際災害救助隊の合計2組織に再編する。陸上警備隊は10万人の人員を限度として,大型備品は非武装の輸送用車両、ヘリコプター。战車や装甲車といった大袈裟な兵器は無くても充分に足りる。海上警備隊は1万〜1万5千人の人員を限度として,大型備品は掃海艇、救助艇、海洋ヘリコプターとする。空母だの護衛艦(重巡洋艦)イージス艦だのといった大袈裟且つ異様に高価な兵器は不要。日本は海洋国家であるから国際テロが海に机雷を巻けば輸送が滞り市民生活に多大な影響が出るけれども,そこで活躍するのは空母やイージス艦ではなく掃海艇だ。航空警備隊は必要ない。他国へ爆撃しにいくわけじゃあるまいし,陸上警備隊のヘリコプターがあればこと足りる。少なくとも,F15だのF35だの,あまりに高価過ぎる鉄の塊は不要だろう。警察予備隊が海に战車を“特車”と言い換えて利用し誤魔化したのは有名だが,言葉遊びを避けるためにこの辺は厳格的規定する必要がある。外交面の安保政策でいえば,まずは日米同盟からの脱退。実際のところ,日本に脅威を与えているのは中国でもなければ朝鮮でもなく,日米同盟なのだから。


 例えば朝鮮のミサイルが云々と騒ぎ立てる右翼も多いけれど,*元内閣官房副長官も言うように,朝鮮は自国攻撃に利用される在日米軍基地があるから日本領への攻撃を示唆しているのであって,日本が米国への基地提供をやめさえすれば,朝鮮は日本を攻撃する理由はなくなる(朝鮮も敵を増やす余裕はない)。

*新聞紙上の記事より。柳沢協二元内閣官房副長官。

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 また中国との軋轢に関しては,悲しいことだけれども日本側に一切の非があると言わざる得ない。中国は近代以降欧米及び日本の侵略に悩まされ,絶えず国土を蹂躙されてきた。だが加害当事者たる日本はロクな反省もせず,虐殺はなかったとわめき,あろうことか米国の靴なめをしつつ中国への挑発的態度を繰り返しているわけで,中国としても日本に充分な警戒をするしかないのである。これも日本が過去の過ちを素直に認め,挑発的態度をやめれば一気に沈静化する話。


 これらをやれば中国、朝鮮との对立は直ぐに沈静化する。これでもはや重武装軍隊は明白に不要となるわけだ。それこそ先にあげた警備隊で充分にこと足りる(というか現状ですら,米国の战争について行くのをやめ,国内の専守保衛に専念するのであれば十分にこと足りるが)。それからは亜州との結びつきを強める。例えば中露を筆頭に多数諸国が加盟する“上海協力机構”に加盟するのが現場では最善だ。


 むろん,右翼は中国が攻めてくるだの朝鮮のミサイルがどうのと被害妄想が強すぎる上に,たくさんの右翼が将来的には中国再侵略をやりたがっているから,この国防政策には耳を貸さんだろうが,大多数の一般市民、無党派層、穏健的右派や民主的反米右翼に於かれては,参考にして頂きたいところ。