瞬の仕事を手伝い始めてから早3ヶ月。
当初1ヶ月だけの約束だったのに、大きな仕事を受けてしまったので
辞めるに辞められず、共に頑張って来た。
いよいよその仕事も終え、仕事を辞める日が来た。
もちろん瞬は残って欲しいと思っている。
でも私には学校があるのだ。
本当ならとっくに辞めて勉強に専念できているはずだった。
でも延び延びになってしまっていた。
すっかり授業にも付いていけないし、私の中にも焦りが出て来た。
仕事は楽しかった。
瞬と一緒に働くとかは関係なく、誰かに頼られたり、役に立ったり
自分の努力が形になって行く事で充実感を得られた。
専業主婦時代に足りなかったのは、この充実感だったのだと、
もし仕事を始めていれば、不倫なんかしなくても済んだかも知れないと
思いさえした程だった。
実際には元ダンナが働く事を許してくれなかったから無理だったけど。
自分もまだちゃんと社会の一員としてやって行かれるのだと言う自信も着いた。
だから瞬にはとっても感謝している。
「寂しいよ」と瞬は泣いていた。
でも私は今回の自分の仕事にとても満足しているので、寂しさはない。
一生懸命勉強して、いつかまた瞬や会社の他の人達の役に立てる様になりたいと思う。
瞬と私との関係もまた少しずつ変わるかも知れない。
それはまたその時に考えるしかないな。