ダンナも行き詰っていたのだろう。

私をどんなに責めても何も出て来ない。

謝罪さえすれば許すと言っているのに、決して謝らないのだ。

何もないと言うのを信じる事もできない。


 私の母に相談したいと言い出した。

私も母は私と違い(笑)、モラルも良識もある。

娘だからと言ってヒイキもしないし、第三者として冷静な意見を言ってくれるだろう。

しかし、内容が内容だ。

娘が浮気していると相談されて普通でいられる親がいるだろうか。


 ダンナは浮気の事は言わない。夫婦仲が悪いと相談すると言った。

私も毎晩責められる事に疲れていたので、この状況を打開できればと思った。


 母は「しばらく放っておけ」と言ったらしい。

「元々夫婦仲が悪かったのが更に悪化しているのだから、

追いかけてメールや電話していたら逃げるだけだ」と。

「なるべく話をしないで、冷静になれるまで時間を置き、

少しずつ関係を改善させればいい」と。

本当はそれが一番の解決方法だった。


 正直私は瞬と結婚したいとは思っていなかった。

ちょっとした遊びのつもりだったのだ。

バレてしまったのだから、もう別れようと思っていた。

ダンナさえ目をつぶってくれたら、また元の鞘に収まるはずだった。


 母には後で、メールを見られた事を説明した。

もちろん浮気なんか絶対にしていないと言い張った。

当然怒られた。メールと言えども結婚しているのに何をしているのだと。

まあでもそんな事より、今はダンナとの関係改善を考える必要があったので

それほどお咎めはなかったけれど。


 ダンナは母の助言に納得が行かなかったらしい。

相談したその日からまた朝まで連日の攻撃が始まった。

結局相談した意味は全くなかった。