私が瞬としんちゃんの間で揺れている頃、思わぬ人が再登場した。

間接的とは言え、私を恋愛(不倫?)の世界へと誘ったタクトだ。


 突然メッセに声が掛かった。

「元気か?」

驚いた。もうすっかりタクトを忘れかけていた頃だった。


 大好きだったタクト。こうやって声を掛けてくれるのを何日待ったことだろう。

声を掛けてもらえず、落ちる寂しさ、悲しさそして情けなさ。

それをやっとの思いで乗り越えたのだった。

でも私は思った「勝った!」


 恋愛は駆け引きだ。勝負なのだ。追えば逃げるし、逃げれば追う。

私はタクトの冷めた気持ちを戻したいが為に

とっても辛い思いをしながら、静かに身を引いたのだ。

そして時間は掛かったけれど、とうとうタクトから声を掛けて来た。

「よく頑張った!私は偉い」(笑)


 タクトがハマッている新しいゲームに誘ってもらった。

新しいゲームに入り、また仲間が増えた。

タクトはみんなに私を彼女だと紹介した。嬉しかった。


 同じ頃、しんちゃんがやっているゲームにも入っていた。

しんちゃんは私に「絶対に付き合ってると言うな」と言った。

しんちゃんはそこのリーダーだった。

とても女性にもてていて、事実しんちゃんガラミの揉め事も多かった。

私は友達もいないそのゲームで、しんちゃんともロクに会話もできず

何の為にここにいるのだと寂しい思いをしていた。


 そんな時にタクトは仲間に彼女だと紹介してくれたのだ。

当然仲間は私の事を大事にしてくれる。

しんちゃんのゲームには行かなくなり、タクトのゲームに入り浸る様になる。


 リアでもゲームでもしんちゃんとの関係は悪化して行った。