屈折した愛情のしんちゃんとまっすぐな愛情の瞬との間で

とても心が揺れた。


 当然と言えば当然だが、瞬も電話を掛けて来る様になった。

子供が寝てからダンナが帰って来るまでの短い時間。

どちらからの電話を取ればいいのか。

しんちゃんは携帯に、瞬は家に掛けて来ていた。


 一度瞬と話している時にしんちゃんから携帯に掛かってきた。

私は迷わず瞬との電話を切り、しんちゃんと話した。


 その時はしんちゃんが好きだったのだ。

でもしんちゃんの愛はどんどん屈折し、

私を深く傷付ける様になって行った。


 傷付いた心を癒してくれるのはやっぱり瞬だった。

もちろんしんちゃんの事を話す訳には行かなかったが、

日常のつまらない出来事を真剣に聞いてくれ、

私をたくさん褒めてくれた。そして必ず「愛している」と言った。

とにかく両極端な二人だった。