しんちゃんと初めて会った2週間後。

大阪に出張に行くから来られないかと言って来た。


 泊まりはさすがに無理だけど、朝行って終電で帰って来るのはできると思った。

会ってから毎日メッセと電話でやり取りをしていた私たちの思いは

どんどん深まっていた。


 その日の朝。私は風邪を引いていて体調が悪かった。

でもやっぱりしんちゃんに会いたくて新幹線に乗った。


 大阪に行くのは初めてだった。

でも行ったのはしんちゃんが泊まるホテルだけだった。

とにかく時間のない私たちはただ抱き合い、そして眠った。


 「男と別れたか?」当然聞いてきた。

「うん」そう答えるしかなかった。

今隣にいるのはしんちゃんで、しんちゃんを愛しているのは事実なのだ。

帰ったらやっぱり瞬とは別れようと思っていた。


 一緒にいられたのは10時間位だっただろうか。

私は一人でまた新幹線に乗った。

京都、名古屋・・・。東京に近付く度に寂しさが募る。

何度飛び降りて大阪に戻ろうと思ったか知れない。


 何度もメールのやり取りをしながらとうとう着いてしまった。