エレベータの中でキスをされた私は(「瞬くん」参照)

拒否することもなく、そのまま受け入れた。


 瞬は「君を抱きたい」とストレートに言った。


 夢にまで見た結婚生活は寂しいばかりだった。

元々私は極度に寂しがりやで、一人ではいられない性格だった。

常にスケジュール帳を埋めていなければ気が済まず、

キャンセルが出ると他の人に連絡をして会う程だった。


 瞬を好きだった訳ではない、多少の好意は持っていたが

どうしても付き合いたいと言う程の物ではなかった。

私も結婚したばかりだったし、すぐ離婚など考えてもいなかったし

既婚者なら楽に付き合えるだろうと思っていた。


 そして何より、私はセックスに対して開放的な上に

好奇心旺盛で、断り下手でモラルを持ち合わせてはいなかった。


 結婚後初めてラブホテルに行った。

それはそれで興奮する出来事だった。


 これは不倫なのだと言う気持ちが興奮を掻き立てた。