さて、αを購入すると気になるオプションのM型スクリーン。
フォーカスがつかみやすく、MFが楽しくなるこのスクリーン、どんな方に向くのだろうか?少し考えてみた。
1 今でもMFにはこだわりがある。
MFカメラ時代より、マット面でフォーカスの確認をしていた方で、あのザラザラスクリーンを体験したある方には、今のスクリーンは明るすぎるくらいだろう。
M型スクリーンを使用する目的は、基本的に大口径レンズ使用時のフォーカス確認の精度を高めることだ。現代の素通しスクリーンでは不可能なMFでの使用時は勿論、AF使用時においても、合焦音ではなく、ファインダー像でフォーカス位置を確実に確認することができる。
暗いレンズでは、昔の苦労が蘇るもののこれも楽しみになるかもしれない・・・。
2 ミリ単位でのフォーカス位置に拘る撮影をしている。
ポートレートなど、レンズの開放付近を使用し、さらにフォーカス位置が「睫」か「瞳」かに拘るような方にはこれは必須のスクリーンだ。撮影倍率が低くても開放付近で撮影する方には効果ありだ。逆に、人にフォーカスを合わす程度の認識・意識であれば、それほど拘る必要もないかもしれない・・・。
3基本的に廉価版(F値の暗い)レンズは使用しない。
ハッキリ言って、M型スクリーンは大口径レンズ用だ。
これはM型スクリーンの特性として、G型スクリーンよりも光の拡散性が大きい。そのため、スクリーン像が少し暗くなる。これは一律に1段暗くなるというものではなく、レンズの明るさによって少しずつ異なる。
体感的には明るいレンズでは気にならないが、暗いレンズになるほど更に暗く感じるようになる。
どれくらいまで許容できるかは個人差があるが、おおむね、F4のレンズまでは問題を感じないと思う。
後は、撮影する環境(明るさ)やレンズの種類、使用者のカメラ経験により異なるようだ。
よくSTF135の使用ではどうかということが話題になるが、正にここら辺が多くの方の許容限界点になるようだ。
しかし、根本的に確認しておくことは、M型スクリーンは大口径レンズの使用時におけるフォーカス精度を高めることを目的にしているということだ。
標準のG型でも大口径レンズをハンドリングすることは可能だ。しかし明るさを犠牲にしてさらにフォーカスのピークを高めたのがM型スクリーンなのだ。
フォーカッシングのし易さは、スクリーン像の大きさ、明るさ、そして拡散性で大きく左右される。M型スクリーンは、スクリーンが犠牲にした明るさを大口径レンズの明るさに求めることによって、拡散性を高めることができるのである。
よって、暗い(と感じる)レンズでM型を使用する場合は、必要な明るさを失っていることに気づいていないと無駄に苦労するかもしれない。
理想を言えば、レンズによって使い分ける。これが一番だ。