春分の日で95歳になる母。介護が始まり既に2年余り。

初期の頃、日帰りで大阪の実家に通っていたが1年程前から2泊から3泊して大急ぎで神戸に帰り、用事を済ませ、また、とんぼ返りという生活が続いている。

母は、まだまだ頭は冴えていて『昼ご飯、何食べたい?』と聞くと『昨日、明日は、焼飯にするて言うてたやろ。』とか『昨日頼んだパン、また忘れたやろ。』と私よりしっかりしている。

ただ足腰は弱り、トイレと食事以外、ぼぼ寝たきり。昼も夜もベッドに横になり、気付けば、ウトウトしている。

私は、本来、夜は12時過ぎに寝ていたが、母のそばで寝るようになってから9時位に床につき、夜中にも何度か起こされ、なかなか寝付けない。布団の中で色んな事が頭を巡る…昔に出会った人、仕事でのミス、旅先の出来事、片想いだった人…などなど。

眠りが浅いせいか、毎日夢を見るし、しかも良く覚えている。

結末さえ望まなければ短編小説が何冊も書けそうだ。

昨日の夢は、友人と釣りに行く前日の話。二人で用意していたら、他愛も無い事で口論となり、結局、予約をキャンセルして船宿の女将に平身低頭して謝るというもの。異動したその人の事を考えていたら、そんな夢になったみたい。

おとといは、大きなレストランの片隅で食事していると他に席があるのにきれいな女性が、わざわざ隣に座り、話かけて来た夢。そして食後、大きな壁をくぐり二人で何処かへ行くというもの。何処に行ったかまでは完結せず目が覚めた。うーん残念。

その前日の明け方、亡くなって15年にもなる父が現れ、笑顔で私に礼を言う。何の礼かというと母の介護のこと。死んでも母の事が心配なのかと目覚めて感心した。この事を母に言うと大いに喜んだ。


早く今の生活から解放されたいが、意識が確かな内は、施設行きを頑なに拒む母。という事は、今の生活が1日でも長く続く事を願わざるを得ない。最期の親孝行だもの。

さて、今後どんな人がどんなストーリーで夢に出てくるか楽しみだ。

2024/02/10