正月に大阪に帰省していた幼なじみのKちゃんが、嫁ぎ先の静岡に帰る前に、皆で会おうと言う事になり、急遽、大阪駅近くのホテルのレストランでプチ同窓会を行なうことになった。
Kちゃんと会うのは、中学卒業以来…と言う事は、優に50数年ぶりになる。
幼稚園、小学校、中学校と一緒だったが、中学時代は、同じクラスになったことは無かった。その頃の彼女は、すらりとして、髪の毛サラサラな可愛い女子だった。
ホテルの入口で、私を見つけて声を掛けてくれたH君が今回の発起人。彼とは、比較的、近年に会ったので直ぐ分かるが、彼が話している何人かの人達は、全く知らない人ばかり。
『おーい、これ誰か分かるか?』と言われたが、分からない。何と、それが今回の主役のKちゃんだった。
『えーっ、Kちゃん?えらい変わったなぁ。』と言うと、『あんたもそうや。お互い様やで。』と言われた。
随分、身体つきが、ふくよかに…と言うより、でっぷりと太っていて、髪の毛は、染めているのか黒いけれど、昔の様にサラサラではない。顔にはシミも目立ち、あの頃の可愛さはすっかり、どこかに吹き飛んでいた。
紹介されて、やっと分かったが、もし、道で出会っても、きっとお互い、気付かないまま行き違っていただろう。
彼女の他に女4人、男3人来ていたが、こんな少数の参加者の名前を事前にメールで貰っておきながら、その名前と顔が一致する人が殆どいない。
全員既婚で、中には、孫がいる人もいる。
驚いたのは、定年後に大学に通い始めた人がいたこと。この歳になって大学に行きたくなって通い始めたとのこと。
大学院ではなく4年制大学の学生だと言う。オープンキャンパスの日に教職員に間違われ、父兄から質問されたことがある、と笑っていた。随分、頑張るものだ。
大学が神戸にあるらしく、私が神戸に住んでいると知ると、また連絡すると言われたが、共有した時間が余りにも昔過ぎて、二人で会っても話題に困るなぁと困惑した。相手も言っては、みたものの、きっと連絡は、来ないだろうと思う。
自己紹介した時、私が定年後も同じ職場で働いていることを羨ましがる人が多くいた。
この歳になると、やれ高血圧だの、前立腺ガンだの、と色んな病気に悩む人も多い。そんな健康上の理由で再雇用されなかった人もいるし、ハローワークで、やっとマンション管理の仕事にありついたと言う人もいた。
今の私は、時に仕事に対する不満や遣り甲斐の無さを感じることがあるが、改めて自分が置かれた状況を有難く思わねばと思った。
今回のメンバーは、発起人のH君が連絡先の分かる人に片っ端から連絡したので同窓会と言うより、Kちゃんを知る人が集まったと言う感じ。だから同じクラスになったことは無いけど、話した事は、ある程度の人も来ていたので、増してや分からなかった訳だ。
『もう、このメンバーで会うことは無いよね。』と言いながら、Kちゃんとの別れ際、誰かに渡そうと用意していたのか、静岡のお茶の包みを渡された。身体つきは変貌しても心遣いは、変わっていなかった。
この歳になって昔の友と会うと、人それぞれ、本当に色んな人生を歩んでいるのだと、実感させられるなぁ。
(2019.01.09)