母の介護が始まって早3年余り。

このところ数日に一度、自分の神戸の家に帰るが、とんぼ返りで大阪の実家に戻ると言う日が続いている。

一日のローテと言えば…

朝の四時頃、母がごそごそしだす。私も起きて母の腰を抱えて、えっちらおっちらトイレに連れて行く。

服をまくりあげズボンを下げてやる。今は自分で用をたせるが、たせなくなったら、おむつにさせるしかない。これは本人が一番嫌っていること。

七時までヨコになり、テレビをつけて佛壇のお茶を替える。熱い湯で絞ったタオルで母の顔を拭く。ついでに口をゆすがせ入歯を付けさせる。

次に着替え。家に居て誰にも会わないがお洒落な服を着たがる。椅子に手を立てかけさせてズボンを脱がせパンツを下げるが、その下には自分でオムツを履いている。

ここでもタオルで脚を拭き、頭も拭くと気持ち良さそうにする。

私の服も併せ洗濯機へ。時にシーツや掛布団も洗うと、とても喜ぶ。

朝、約一時間程かけて庭で飼っている大量のメダカの世話をしていると洗濯が終わり、物干に。

その日、母が食べたい物を聞いて買物に行く。近くの小さなスーパーで済ませることもあるが少し離れた大きなスーパーへ行くこともある。まだ新聞も読みたいと言うので併せて買ってくる。

このところメニューは大体限られていて、主なものは、お好み焼き、焼きそば、うどんすき、親子丼、かぼちゃと鶏肉の煮付け、肉野菜炒め、酢豚、刺身、魚煮付け、八宝菜、カレー、焼飯、関東煮など。私が食べたいスパゲッティや辛めの中華は好まないので作らない。

お昼を食べると必ずデザートを欲しがる。主にブドウやスイカ、無花果、柿等の果物が多い。

これが終わると昼寝。私も側で横になるが勿論眠れない。タイガースの野球中継や大相撲があれば目を開けて見ているが直ぐ目を閉じることも多い。そして私はテレビのボリュームが11で十分なのに65位まで上げるのでうるさくて仕方ない。

六時頃、夕食を終えると顔を拭き、入歯を洗う。トイレに立つ度に膝の痛みに対しローションを塗る。以前は湿布を貼っていたが、かぶれるのでローションを探して来たら、これが気に入った様子。

床に着くのは七時位だが寝る前にトイレに行って八時に導眠剤を飲ませる。暑い時期は枕元に麦茶を置いてやると夜中に飲んでいるが、その度に物を落としたりするので私も目が覚める。

こうして一晩中、私は浅い眠りで疲れている。

趣味の船釣りには随分長い間、行けていない。今年は釣れていた明石の蛸釣りやキス釣り大会にも、この11年で初めて行けなかった。奈良の従姉妹の柿農園の手伝いにも行けず、なかなか自由時間が取れず私自身の残り少ない(?)人生を母に捧げているが母が逝っても悔いの無いよう、これからも頑張りたい。

母は時々、「お前、産んどいて良かったわ。」と言ってくれるが、ここ迄、育ててくれた母には感謝しかない。

(20240926)