9月17日~19日まで、美濃市広岡町の旧名鉄美濃駅で

『美濃町線開業100周年とモ593号修復記念』イベントが

開催された。

$MINODEN (みのでん) のブログ-旧名鉄美濃駅

旧名鉄美濃駅に隣接する家屋(たしかクリーニング店だったと記憶)が以前

火災に遭い、この影響で一番道路よりに保存されていたモ593号が被災にあった。

その後、旧名鉄美濃駅保存会の方々が中心となり、修復が無事完了。

これとあわせ、今年で名鉄美濃町線の前身である

美濃電気軌道(みのでん)※1 の開業から100年が経過したことをあわせ、

美濃町線開業100周年※2 とモ593号修復記念イベントが開催された。

$MINODEN (みのでん) のブログ-美濃町線が走って100年
イベントの詳細

$MINODEN (みのでん) のブログ-修復完了したモ593号
修復が完了したモ593号 車両の左側の空間スペースがあるが、かつて
ここに家屋が存在した。火災で焼失し、後に解体されたため、空き地となる。

$MINODEN (みのでん) のブログ-懐かしい写真展
なつかしの写真が展示されたモ593号の車内

$MINODEN (みのでん) のブログ-GORO
こんなものも ・・・車内中吊広告 野口五郎デビュー40周年記念アルバム

$MINODEN (みのでん) のブログ-全景
旧名鉄美濃駅 展示車両の全景 右からモ593号、モ512号、モ601号、モ870のヘッド部切り出し

※1 美濃電気軌道株式会社(通称みのでん)とは

 当時の上有知(こうづち)現在の美濃市、関、岐阜の有力者たちが
 
 出資し、大阪の電気商 才賀藤吉の支援をうけ、明治42年11月創立された
 
 美濃電気軌道株式会社は、明治44年2月11日、岐阜の神田町(現在の柳ケ瀬)~
 
 上有知間24.9km単線、岐阜駅前(現在の長住町、名鉄岐阜駅前付近)~今小町間
 
 1.4kmを複線で一挙に開業させた岐阜県内で2番目に古い電車であった。
 
 その後、岐阜近郊を中心に順次路線網を拡大させ、岐阜を電車王国にした。
 
 当初は4輪電動客車12両により、神田町(岐阜柳ケ瀬)~(上有知)美濃町を
 
 1時間おきに運転、1車両10人の乗車があれば採算がとれたが、
 
 なかなか達しなかったという。

 一方で、最大定員40名は厳守だったため、運行便によっては「積み残し」

 も発生したこと、時折、脱線が発生し立ち往生したことなどの記録もあるようだ。


 岐阜近郊の長良軽便鉄道(旧高富線)、岐北軽便鉄道(旧揖斐線)、谷汲鉄道(旧

 谷汲線)、各務原鉄道(現在の名鉄各務原線)のほか、鏡島線(後の旧鏡島線)、

 笠松線(現在の名鉄名古屋本線 名鉄岐阜~笠松)、竹鼻鉄道(現在の名鉄竹鼻

 線)これら全て、美濃電の、もしくは傍系会社の路線だった。


 現在の名古屋鉄道(名鉄)の路線として現存しているのは、旧笠松線だった、

 名鉄岐阜から笠松までの現在の名古屋本線、各務原線(旧各務原鉄道)、
 
 竹鼻線(旧竹鼻鉄道)である。

 更なる拡大のため、美濃電もひそかに名古屋を目指していたが、その後、

 名古屋鉄道(初代)との対決が待っていた。

 これとは別に美濃電も問題を抱えていた。

 美濃電は高速化に消極的であったこと、その頃台頭してきた

 バス路線業者との競争が激しくなると、貧弱な設備では競争力の面で厳しかった

 ことが想像される。

 かくして昭和5年8月20日、美濃電は、名古屋鉄道(初代)に吸収合併された。

 当時、美濃電が名鉄に合併されるとき、美濃電サイドからかなり反発があった

 ため、社名に岐阜の名を入れるように要望、ついに、社名が「名岐鉄道」と

 なった。皮肉なことに、現在、名鉄名古屋本線 名古屋~岐阜と競合する

 幹線国道の通称が「名岐バイパス」と呼ばれているのは、何かの因縁か??

 名岐鉄道という社名は、のちに愛知電気鉄道(名古屋本線の名古屋より東側)

 との合併により、2代目名古屋鉄道(現在の姿に近い)が出来るまでの間のみ

 存在した。 

 のちの名鉄美濃町線は、平成11年3月31日に、新関~美濃が廃止。翌4月1日より

 新関から300m線路を延長、長良川鉄道関駅の隣に新たに「関駅」を開業。

 長良川鉄道とのホームタッチでの接続、関~美濃の利用者に考慮した。

 しかし、美濃町線の残った区間も、平成17年3月31日、揖斐線、岐阜市内線、
 
 田神線とともに惜しまれながら廃止された。

 美濃電として開業以来94年間の営業にピリオドを打った。

※2 美濃町線開業100周年
 厳密には、平成17年3月31日に廃止となり、路線そのものは94年で消滅した。

 見方によっては、美濃電を愛する人たちが、100周年としたいという意向

 なのかもしれず、私もこれには同意したい。

その他)現在は美濃の街は『美濃市』市制施行されているが、未だにご年配の方の
    なかには美濃のことを『美濃町』と呼ぶ人もおられる。
    美濃電とか、美濃町といういいかたは、地元民で年配のかたには通用する。 

 参考文献)名古屋鉄道百年史 名古屋鉄道㈱、
      名鉄岐阜線の電車 ~美濃電の終焉~(上)(下) ㈱ネコパブリッシング