母は進行した認知症になって久しい。

悪いなりに…と言うのは適切でないかもしれないけれど、それなりに安定していたと言うか。

でも徐々に弱っている母。（誤嚥性肺炎やら何やかんやあります）

「発熱があり呼吸状態が悪くなっているので来られますか？」と病院からキーパーソンである兄に夜中に連絡があり。

終電が終わっている時間帯にも関わらず連絡＝緊急性が高い。

急ぎ病院へ向かう兄。遅れて行く私。

母は持ち堪え、熱は下がる。

酸素は10ℓから8ℓになり「さらに徐々に減らして行けそう」なレベルに。

顔色も良くなり尿もよく出ている。

取りあえず危機は脱した感はあるけれど。けれども・・・

『老い』と『死』は避けられないものである事はわかっているつもりで。

母も自分も、いえ、誰一人永遠に生きられる人はいない。

乏しいアタマと言うか理性を必死に総動員して納得している。

でも、感情を抑える事は難しい。

（あの時、ああしていれば良かった）（もっと良いやり方があったのではないか）

無力感と後悔と後ろめたさで胸がつぶれる。

懸命に持ち堪えている母を目の当たりにして（あぁ、命ってすごいんだな）と。

母は勇敢に認知症と言う病気と闘っているんだな、と。

私は今まで心のどこかで

（お母さん、私みたいな『難しいがん』じゃなくて良かったね。認知症になるくらい長生き出来て良かったね）

みたいに思っていたのではないか？

八つ当たりと言うかどこかで甘えがあったような気がします。

口やかましく説教できないから捨て身で「八つ当たりしていても事態は好転しないのよ」と教えてくれたのか。

梅は咲いたか　桜はまだかいな…しょんがいな（江戸端唄。しょうがないな～）

親の小言と冷酒は後で効く