~作中でプロレスは扱ってはいない。だがやってることはプロレスだ~

 

 

 

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はじめに言っておくと、

僕は人様の作品に対して感想を述べることが苦手です。

 

感想とはつまり思ったままの事なので、

なんとも幅広く自由で、すごく無責任だとおもう。

特に読書感想文って。

 

(ある先生は、著者にケンカを売るつもりで書けって教えるらしい。

 そこから、「こうすれば僕はもっと好きだ」って方向に誘導するのだとか)

 

 

と、ここまで書いて自分も

「感想頂けると嬉しいです☆」

なんて書いたりするので

私だってとんでもない悪党だなぁ(笑)

といまになり反省中(^^;

 

 

さりとて書き手って

言葉を食って生きている部分があるので

こんな言い草も許していただきたいし、

 

貰った時の嬉しさも分かるから

いざ書き始めるとつらつら書いてしまうのだけど(^^;

 

要は好きと意地のぶつかり合いなのです(笑)

 

 

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さて、本線に戻って

『文芸プロレス』の感想です。

 

 

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その前に僕がなぜこの本を買ったのかというと、

僕の中でいまプロレスが熱いから。

 

 

そして、売り子の墓村氏が

たしかパープルのウルティモドラゴンのマスクをして

長机で本を売っていたからだ。

 

(参考画像)

 

 

よーはこんな人が本を売っていたのだ。

 

 

自分、よく墓村さんに声を掛けられたなって思うけど、そこは文芸という架け橋があったからだと思う。

 

 

あと、プロレス好きな人は

実は結構優しい人が多いというのが持論。

 

 

んで、遅ればせながら作品を読んでみると、

詩 VS 小説

となっている。

 


 

別に越中詩郎さん(レスラー)を推してるわけじゃない。

まじで片方は詩なの。

 

 

で、対決してんの。

 

 

この文芸プロレスにはルールがあって、

書き手のヤン氏(詩)と墓村氏(小説)が

お互いに相手の出されたテーマで

規定日数の中で作品を書き上げていく

ラリー作品なのだ。

 

で、しかも

 

テーマに使われた文字は

次回以降使用禁止

 

例えば「感」とか出されると、

「~と感じる」とか「感覚」の言葉が

NGワードになる。

(ただし単漢字は4ラリーで1回のみ)

 

 

書き手からすると

 

ドMルールでしかない

 

 

やると分かる。

 

きっついやつ。

 

 

通常は書きにくいテーマを出して

相手を困らせるか、

書きやすいが以降の制約を増やすかになると思う。

 

 

 

しかし、そこはやっぱりプロレス。

相手の技を輝かせることも忘れない。

 

 

 

書き手視点では

「楽しいことやってんなー」

って思えるルールです。

 

 

(……が、やりたいとは言ってない)

 

 

 

 

 

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ようやく作品の感想です。

 

 

まず

詩はジャズに似ている

と。

 

ジャズは奏者を一人追っかけていくと、

その人のアレンジや変化が面白くなってくる。

だからジャズこそライブがオススメです。

 

 

奏者の持つルールを見つけて

自分だけの楽しみを見つけて

そこに愉悦する自分も見つける

 

そんな楽しみ方がある。

 

 

ヤン氏の詩もそんな面白さを感じた。

 

活字だけどビジュアル的にも

配列にこだわったりしてて

パッと見でも面白い。

 

流れがあるので心地いい。

 

 

 

 

墓村氏の小説は

一連の世界観で戦っているのがまた面白い。

(戦っているという表現がなんともおかしいのだけれど^^;)

 

 

四作とも登場人物のリンクする、

同じ世界の話の中で

相手から出されたテーマを受け切っている。

 

 

会話は饒舌なところがあって

好みが分かれるところだけど、

それぞれ登場人物のキャラが立っている。

 

(ちなみに僕は頭が理系なので、長台詞が苦手)

(でもって地の文でも説明文は嫌いという偏食具合。何読んで生きてきてんだ? って話ですが) 

 

 

僕は完全にエンタメに振り切って、

事件的な出来事で物語を書くようにしています。

 

でも墓村氏は何気ない出来事と

その中の人物の内面を書き上げる。

 

こういうのはね、

 

 

やると分かる。

 

きっついやつ。

 

 

ほんと、難しいんですよ。

 

 

 

なんていうかね

繊細なの。

 

 

 

この手の秋風が吹いていくような作品は

僕の場合すごく暗くなっちゃうから

難しいんです。

(だから僕は勢いと濃い味付けで勝負するタイプだけど)

 

 

 

墓村氏の小説は滋味深いタイプ。

 

どこか崩れると途端に読ませられなくなる。

でもいい感じのバランスを取った

繊細で地に足つけてもどこか平和なほんわかした空気感が漂う。

 

これは書き手受けするし

読み慣れた人からすると

とても小説らしい小説だと思う。

 

 

 

 

またそれを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなような人が書いてる。

(見た目とギャップあり過ぎだろ)

(卑怯ですか? 外道ですか? 邪道だろ)

 

 

読み手視点は無理なので

書き手視点で感想を書きました。

 

 

今度は大阪で最新刊を買って

両者の苦しみクライマックス感を

楽しみたいと思ってます(笑)

 

 

以上が

『文芸プロレスvol.05 エメラルドフロウジョン』の感想です( ´ ▽ ` )

 

 

 

結構マジで

マニアック的な楽しみがある団体です♪

(団体って言っていいのか? でも団体かなあ 笑)

 

 

明石&赤堀