ある素敵なバスタイム(閲覧注意/TM) | Fragment

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ホミンを色んな仕事させながら恋愛させてます。
食べてるホミンちゃん書いてるのが趣味です。
未成年者のお客様の閲覧はご遠慮ください。

ボクとミンホ兄さんが高校生の時のお話。

ミンホ兄さんの色んなものがパーンてなっちゃった時のお話。

ええと、ミンホ兄さんが高校三年生の終わりと、ボクが高校一年生の終わり頃かな。
ミンホ兄さんは仕事が忙しくなってて、自由登校の頃はすっごい忙しくしてた。

家にもあんまりいなくて、でもボクのレッスンには高確率で迎えに来る。
母さんが言うには、父さんに似てるって。
そういうところ。

くす。






父さんと母さんは出張に出ていた。
会社の重役として別な会社に何かをしに行ったみたい。
今夜はその相手の会社の人達と会食があるとかで、ボク達は母さんが作っていってくれたカレーライスで夕飯だ。
ボク達だけの夜っていうのも珍しくはないけれど、あの大きな父さんと母さんがいないと、広い部屋ももっと広く感じちゃうね。

ミンホ兄さんがカレーを温めて、冷蔵庫にある母さんの作ってくれたおかずを出して並べてくれた。
ポテトサラダもある。
お漬物もある。
ちゃんとご飯も炊いていってくれたみたい。
チンするご飯じゃなかった。

ミンホ兄さんは仕事をしてきてちょっと疲れてるみたいだった。
しきりに目を擦っていたっけ。
眠いのかな。

今日ぐらいボクが片付けをして、兄さんには早く寝て貰おうと思ったのに、お皿一枚割っちゃった。
ボク、こういうところ少しだけ父さんに似たかもしれない。


『テミナ、風呂入ろう、』

『うんっ、』

ボク達は小さな頃から今でもこうして一緒にお風呂に入ったりする。
毛が生えた時ミンホ兄さんにからかわれたけど、立派に生えてた兄さんのを見て物凄く羨ましく感じたっけ。

明らかに体格が違う。
体のパーツのひとつひとつが違う。
兄さんは鹿で、ボクは狼で、男同士なのに。
ミンホ兄さんの体は、羨ましく思えるものばかりだった。

ボクが生まれた時から住んでいるこの高層マンションも、母さんのおかげでピカピカのままだ。
母さんはホームクリーニングを頼んでいたりするみたい。
大事に大事に物を扱う母さん。
住んでいる場所も、きっとボク達のためにピカピカにして気を使ってくれているんだろう。

そんなことを考えながら、ミンホ兄さんの逞しい背中を泡立てて洗っていた。

『母さん達、何時頃に帰ってくるかな、』

きっと明日のお弁当だってちゃんと作ってくれるのだろう。
母さんはどんなに遅く帰ってきても、次の日のボク達のお弁当はちゃんと作る。
よくわからないけど、「パパとの約束だから」なんだってさ。

『どうだろうな、だいぶ遅くなるだろうな、』

『お弁当、いいのにね、』

『…、ああ、だよな、』

兄さんもボクと同じことを考えてはいたようだ。

『ほら、交代、』

『うん、』

今度はボクの背中をミンホ兄さんが洗ったくれる。
豪快に洗ってくれるとボクの体が揺れてしまう。
ガクガクと動いて、その度になんだか笑ってしまうのだった。

『なあテム、』

『なあに、』

ミンホ兄さんの手が止まった。
流してくれるのかなって思って、振り向こうとした時だった。

『お、お?』

ボクは背中からミンホ兄さんに抱きしめられたのだった。
ふたりで、泡だらけの体のまま。

『…、』

『ミノヨン?』

お腹をぐっと抱きしめられている。
泡だらけのまま。

『母さんに聞いたんだ、』

『え?』

『お前が、メスじゃないかって、』

『ボクが?』

兄さんが僕の背中で頷いたのがわかった。

『…母さんは、なんて言ってたの?』

ボクは自分が自分でどっちなのかっていうのは、よくわからない。
ミンホ兄さんや父さんのように、男でオスのような体の作りに到達していない。
兄さんだけと比べてみても、兄さんがボクの年齢の時とを比べてみても、ボクはヒョロヒョロしていて女の子に間違えられるくらいだ。

だから、ボクの体が結局どっちなのかっていうのは、知らない。

『その時にならないとわからないって、言われた。』

『その時?』

兄さんがまた、背中で頷いた。

『自分がオスとして愛するメスに出会った時か、自分がメスとして愛するオスに出会った時か、その時に決まるんだって、言ってた。』

その辺りは保健体育で習った気がする。
でも、ミンホ兄さんだって習っていたはずだった。
それでも母さんに聞いたの?
どうして?

『…お前が誰かのオスになるとか、想像つかなくて、』

ボクだって想像がつかない。
なんだか、ボクはこのまま父さんと母さんと、兄さんとずっとずっと一緒にいるものだって、子供じみた考えを底に持っていることを自覚しているから。
友達だって多い方でもない。
兄さんといる時間が誰とよりも多い。
だから、兄さんと居てボクがどっちになるかだなんて、わからない。

『ミノヨン、』

お腹を抱きしめる手の力が強くて、ちょっと苦しい。
名前を呼んだら、それが和らいだ。

『ごめん、テム、』

『ううん、いいんだ、けど、』

『…、』

『ボクだって自分のことはわかんないよ、』

『…、そうだな、』

兄さんが好きだ。
だから、誰かと恋愛するとかもわからない。
ボクは兄さんが好きだ。
それだけだ。
誰かと恋をしてボクがメスになるとか、オスになるとか、そんなことーーー


『でも、母さんに言われたんだ、』

『…?』

『俺と恋をして、お前がメスになったとしたら、』

『…ぼくが、メス、』

『どうなるかを、よく考えろって。』

『っ、』

その瞬間だった。
兄さんの泡だらけの手が、僕の股の間に入ってきた。

『濃すぎる血が作るものを、考えろって。』

濃すぎる、血ーーー

『それって、』

兄さんがまた、背中で頷いた。

『あかちゃん…?』

もうひとつ、頷いた。


ボクと兄さんは、兄さんの誕生日を境にエッチなことをする関係になった。
父さんと母さんには、なんとなく内緒にしていた。
怒られるとも、認めてくれるとも思えなかったからだ。
それでも兄さんがボクを抱きしめてキスをしてくれれば、ボクは安心したし、嬉しかった。

嬉しかった。

お尻が痛くなるのはちょっと困るけど。


『お前の体は、まだ半分子供だ、』


子供。
安心したような、悔しいような。
一瞬だけど、不思議な気持ちになった。

『だから今のうち、俺と割り切る必要もあるのかなって、思ったんだ。』

割り切る?

『…、ミノヨン?』

なんだか怖くて、振り向けなかった。

『体の関係はあっても、心が反応しなければ、お前の体は反応しないんだろうなって、…』

割り切るって、そういうこと。
エッチなことをしても、ボク達はじゃれあっているってだけ思っていれば、赤ちゃんは出来なくて済むってこと。

出来なくて、済む。

そう認識した時、母さんの悲しむ顔が見えたんだ。

長い睫毛が、ゆっくりゆっくり震えて、瞼を落とす母さんの顔。
唇を噛んで、前髪を垂らすようにして項垂れる母さん。

なんだか胸が、ズキズキした。

ボクは自分の薄い胸に触れた。
手は震えていた。

母さん。

チャンミニ母さん、ダメだよね。
兄さんとそんなふうな気持ちの交わし方は、しちゃいけないよね。
だから悲しい顔をボクに見せたんだよね。

母さん。
チャンミニ母さん。

ボクは体の向きを変えた。
兄さんと向き合った。
また抱き合った。

『…やだよ、』

『…、』

『兄さんとエッチしない理由も、する理由も、何かを割り切って片付けるようなことにしたくないよ。』

『…、』

じゃあどうすればいいんだよって、自分ででも思う。
ボクが子供だから兄さんとエッチなことをしていても赤ちゃんが出来ないことに、今はふたりで甘えている。
でも、あと一年、あと二年と経つにつれてボクの体だって少なからず大人に向かっていくはずだ。
そうすれば、ボクがオスかメスか決まる日も近くなるということ。
兄さんにドキドキすればするほど、ボクが大人に近づくということだ。

じゃあ一緒にいないほうがいいの?

オスだとかメスだとか意識しなければエッチだけしていられる?

ボク達は兄弟だからって思っていれば反応しなくて済む?


全部全部、何かが違う気がした。
全部全部、何かが足りない。


『ボクはまだ、オスとかメスとか、赤ちゃんとか、わかんない。でも、ボクは、』

ボクはーーーー

『ミノヨンが好き。父さんと母さんが好き
。だから、みんなを悲しませたくない。』

みんなの間にいるテミンがいい。

子供でもいい。
大人になりたい時に、また考えるから。

ボクはまだ、大人にはなれない。
自分でもそれはわかる。

だから今は、

『ミノヨンが好きだから、一緒にいたい。それだけ。』

兄弟であること、家族であること、ボクはそれを誇りに思っている。
そこを大切にしたい。

『ボクのこれからを決めるのは、ごめんね、まだ早いかなって思うよ、』

『うん、』

兄さんが強く強く抱きしめてきた。
抱きしめてくれた。

『テム、ごめん、』

泣きそうな声だった。

『どうかしてた、ほんと、ごめん、』

泣きそうになってしまうくらい、ボクのことを考えててくれたんだね。

『テム、許してくれるか、』

許すも何も、きっと今話さなくても、そのうち先に母さんあたりに怒られていたと思う。
だから、ちゃんと今こうして話せたことに意味があると思うんだ。
ボクはね。

『ミノヨン、好きだよ。ずっとずっと、ボクはミノヨンが好き。』

『うん、』

だから泣かないで。
いつも明るくて、強くて、かっこいい兄さんでいて。

『ミノヨンとエッチしたい。でもまだ、オスもメスも決められない。』

『うん、』

『父さんと母さんを、ミノヨンを、ボクは困らせたくないよ。』

『ああ、』

『でも、ボクが一番好きなのは、ミノヨンだよ。』

『うん、』


ミンホ兄さんの優しい唇。
厚くて柔らかい、ボクの好きな唇。
それにボクの唇を重ねる。

兄さんの不安を、ボクが取り除いてあげられるとは思えない。
けれど、ボクのことで不安になってしまっているのだから、
兄さんの不安はボクがどうにかしてあげるべきだ。

もう大人になるミンホ兄さん。
学校を卒業して、働くことだけに集中する、大人のミンホ兄さんになる。
そんな兄さんに、ボクはどんな弟でいればいいのかな。

変わる必要って、ある?

ボク達の関係を変える必要って、ある?

ボクとミンホ兄さんが好きで好きで仲がいいことにダメなことってあるの?

どれも、ないと思うの。


『ミノヨン、』

『…、』

『好きだよ。』

『、』

『赤ん坊の頃から、今まで、ボクはずっとミノヨンだけだよ。』

『…、』

『これからも、ミノヨンはボクにとって誰の代わりにもならないよ。』

『、』

『兄さんは、ボクだけの兄さんで、兄さんだけのボクだ。それは幼稚園の頃からずっとずっと言ってきたことで、その気持ちを今になって変えたつもりなんて、ひとつもない。』

『テム、』

『今までも、これからも、ボクは兄さんのテムであることだけ。』

『…そうだな、』


抱きしめてくれる腕に元気が出た気がした。
キスしてくれる唇が、もっと優しくなった気がした。

ボク達は湯気のなか、キスを続けた。
兄さんは尻尾を洗ってくれた。
それが気持ちよくて。
それでね、付け根をコリコリされると力が抜けてしまうんだ。

そこからボク達は、バスルームでエッチなことをした。
父さんと母さんがいないことをいいことに、ボクはいっぱい鳴いてしまった。
後ろからしてくれるミンホ兄さんがとても頼もしく感じて、ドキドキした。

久しぶりの長風呂。
お風呂の中で抱き合って、たくさんキスして、茹でダコ状態で裸で飛び出て。
笑いあって水を飲んで。
裸のままで自分達の部屋に戻って。

ベッドの上でも抱き合って。

眠るまで父さんや母さんの話をした。



兄さんだって、母さんも父さんも好きだということ。

ボクのことを好きでいてくれているということ。

昔からずっとずっと、ボクとミンホ兄さんは好きあって仲が良すぎる兄弟だということ。

変わらないのは、これらなのだ。

これらを忘れなければ、きっとみんなを哀しませることにはならないと思うから。

大人になる度にボクは思いだしながら成長していこうと思ったんだ。


大好きな「ミノヨン」と一緒にね。

どこまでも、いつまでも、一緒にね。





朝起きると、やっぱりお弁当が用意されていた。
包みは四つ。
きっと父さんも母さんも、お弁当持って仕事に行くんだね。

兄さんはお弁当を持って、撮影の仕事に向かっていった。

スッキリした顔で、かっこよく見えた朝だった。

かっこいいボクのミノヨン。

大好き。




















では、また赤ん坊のボクな話に戻ります。
いつもたくさんの感想をありがとうございます。
ふふふ♡(6v6)
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