はじめに
この記事は不快と思われる内容があるかもしれません。
でも、同居する家族がいないと、
こんな事が起こるという事をお伝えしたくて
記事にしています。
あくまで叔父と叔母における事例です。
すでに二人とも亡くなっていますで、
これは回想記録です。
この時叔父は亡くなり、
叔母は1人暮らしになって、
介護サービスを使うようになりました。
79歳‐レビー小体型認知症
本態性振戦もちで、
いつも身体が左右に大きく振れています。
歩行はすでに困難を極めていました。
栄養不足のため、体重は30㌔を切り、
骸骨のような姿でした。
息子は叔父の死後、
お嫁さんと息子がそれぞれ週に一度
隣の県から見にきてくれますが、
しょせん週に一度の数時間、
大ざっぱに分かっても、
詳細は把握できません。
結局、介護に関するキーパーソンは、
隣に住む姪の私が
担わざるを得ませんでした。
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前記事にも書いたように、
独居になった叔母
昼も夜も戸締りをせず、窓の施錠をせず、
いつ強盗に入られても
おかしくない状況でした。
そんな最中に、かかってきた電話
その電話は叔母の言うには、
税務署職員を名乗り、
『先日夫さんの亡くなった際の
必要手続きの書類に誤りがあるので
口座を教えてほしい』
という内容で話が始まったのだとか。
この日は叔父が亡くなり、
数か月経った頃でした。
私が叔母の代わりに
叔父の医療費還付を税務署に
書類を提出していた時期です。
なので夫の死亡関連の話と言われれば
叔母は騙されても不思議ではなかったけど
幸い、叔母は詐欺には敏感ゆえ、
『怪しい、おかしいぞ!』とピンときて、
一旦電話を切り、
我が家にかけこんできたのでした。
実は叔母宅には、
10年以上前からオレオレ詐欺電話が
かかっていました。
この何年か後、警察の巡査から、
”叔母宅が詐欺グループリストに載っている事”
を知る事になるのですが、
こうしたそのリストは
同業者間で売買されたり、
無償で提供しあったりされるらしく、
一度リストに載ると、
カモとして狙われ続けるのだそうです。
(もしこの記事を読まれて、
ご家族で別居老人がいらっしゃる方に
詐欺電話がよくかかっていたら、
電話番号を思い切って変えられる事を
お薦めしたいです。)
しかし、この時の詐欺の電話は
今までのオレオレ詐欺と違って
叔父が亡くなっている事を
知っている。
内情を知っている。
とにかく叔母が気づけてよかった。
叔母が駆け込んで来たあと、
私はすぐに叔母の家に上がり、
電話機の説明書を取り出して
かかってきた番号を調べました。
この日、受信したのはこの1件だけ。
こともあろうかその電話は、
非表示にするのを忘れて
かけてきたのです。
かけてきた番号をネットで調べると、
税務署の電話番号とは違う。
驚く事に、それは、
叔母宅が時折出前で頼んでいた
●●●屋でした。
(↑アメトピに掲載されて
アクセス数が増えましたゆえ、
近所の無関係の飲食店が疑われる事がないよう、
何を出前するお店かを伏せる事にしました。
ご了承下さい。)
間違いではないかと思い、
まずは非通知でかけてみた。
やはり、その●●●屋。
けげんな声で「はい・・・。」とだけ出た。
普通、商売していれば、
「は~い、●●です~。」と
店の名前で出る。
お客もいない様子のシーンとした状態での
「はい・・・。」
用心しまくっているような声色で、
間違いないと思った。
そこで叔母宅から堂々とかけてみた。
「さきほど税務署を名乗る電話が、
今かけている電話からかかってます。
お電話なさいました?」
と聞いてみた。
もちろん男は拒否。
「え?いや、してないです。」
「するはずないです。」
かかってきたのは午後3時。
それを伝えると、
その店はお昼営業を終えて
午後2時過ぎから夕方まで
お店を閉めるのだとか。
そうか、その間に詐欺電話やってんだ・・・
と思う私。
近所のだれだれが亡くなった、
そんな情報をお店やりつつつ収集し、
そんななかで出前に時々配達していた
叔母宅の夫が亡くなった事を知り、
こういう事やってんだ。
ただあんた、油断しすぎ。
非通知にするの、忘れてましたね。
非通知ではつながらないから、
通知でかけてきたんだよね。
この●●●屋、
●●●屋が本業で、詐欺が副業なのか、
はたまた
詐欺が本業で、●●●屋が副業なのか、
どっちにしろ警察への通報は
実際の被害もないゆえ、
被害届も出せない。
加えて認知症である叔母ゆえ
情報提供するのも、信用してもらいにくい。
何より逆恨みが最も叔母には危険と思い
断念しました。
ただ、二度とかかってこないように
防止策として、私は嫁を装い、
独居の叔母のすぐ近所に
詐欺電話に気づく嫁が住んでる事を匂わせ
カモにしづらい家だと思わせる必要があり、
こう締めくくりました。
「そうですかぁ~、
お電話なさってませんかぁ~。
それはヘンですねぇ・・・。
でもご主人、その閉店時間中に
おかしな人が忍び込んで
そこから電話を使われてる可能性が
あるかもしれません。
充分、ご注意なさってください。」
とだけ言っておいた。
そこでその男、
「忍びこめるはずはいです。
だってその時間、
ずっと自分がここにおりましたから。」
だったら、おまえじゃねぇ~か!
(自ら自白)
このあと、叔母宅の台所につるしていた
この●●●屋のメニュー表を持ち帰り、
叔母が二度と出前をしないように
自宅で処分しました。
詐欺はどこにいるかわかりません。
叔母宅の場合、詐欺師は身近にいた。
これは私にとって背筋が凍る出来事でした。
ちなみに、この時の電話番号、
●●●屋の名前、
起きた日付、時間、
万が一のために記録しています。
こんな事があるゆえに、
私は昼も夜も施錠をしない叔母宅に
いつ、強盗が入っても不思議ではないと
思っていたのです。
次の記事は、
「お金をたかる親戚現る!」
です。