こんにちはminntaです。
書きたかった介護日誌
少しづつ筆が進んできました。
介護にご興味がある方のみ、
読んでくださいませ。
(簡略な自己紹介)
私の母はアルツハイマー型認知症。
現在介護度3です。
ロングショートで特養にお世話になり、
月に5泊6日で自宅に帰ってくるときに、
姉と1日交代で介護をしています。
認知症患者のやっかいな行為といえば『徘徊』。
ここ数年、この『徘徊』という言葉を無くそうという動きもあるようですが・・・。
母は帰宅した際、この『徘徊』を何度も試みます。
足腰がヨタヨタながらも、一瞬のスキをついて外に出ようとします。
まだ足腰が歩けていた頃は、玄関ドアを開けて、車がバンバン通る道に立って周囲を眺めるという、チョー危険な状態。
それをご近所の方が、とても心配して下さっていました。
それで母がドアを開けた際にすぐに気づけるようにと買った物がコチラです。
真鍮のドアベルで、とてもよく鳴り響きます。
この音が鳴ると、すぐに階下に降りて、母を引き戻す繰り返しが続きました。
お値段は3581円とリーズナブルで、音質がとても綺麗です。
こちらで動画でも音が確認できます。
↓
けれど、外に出ようとするの頻度がさらに増えて、玄関前にこんなバリケードを張るようになりました。
ゴミ箱やら、ワンコ用の柵やら、スーツケースやら、大きな物を置いて通行できないようにします。
これでようやく、母もどうにもこうにも外に出れなくなりました。
認知症の方が外を歩き回るには、それなりの理由があり、最初はちゃんと行先がある事が多いのだとか。
そして歩いているうちに、どこに向かっているのかわからなくなり、さらに帰る道もわからなくなってしまうのが多いのだとか。
私の母の場合は、帰宅した家はどうも自分の家ではないらしく、それが時に『旅館』であり、時に『知らない誰かの家』ように思えるらしく、
「早く、家に帰ろう。」と私に懇願します。
よくよく話を聞けば、自分の家の向かいは〇〇さん、お隣は△△さんと言う。聞いた事のない人がどんどん出てきて、それはども幼い頃に住んでいた家の記憶。
そのため、娘に連れてこられたこの家は、いったい誰の家なのかを確かめるために、外に出て確認したくてしょうがないのだと分かってきました。
話は変わりますが、
多くの老人施設では、土地いっぱいに施設を建てるため、居住空間から出ると、すぐに建物の出口があり、数分で外に出られるコンパクトな建物になっています。
そのため、居住空間とリビングのある場所から利用者が勝手に外出できないように、自動ドアはロックされるところが多いと聞きます。
実際私が訪ねた叔母の施設や、知り合いの叔母様の施設は出入り口のガラスドアはしっかりロックされていました。職員が暗唱番号を押さない限り、外には出られないのです。
特に叔母が入った施設で見た光景は、どこか刑務所的な封鎖空間にも思えたものです。
今、母がお世話になっているロングショートの特養では、入口の封鎖は身体拘束の部類に入るという理由で、施設入り口のドア封鎖は行わず開放されています。利用者はそこから自由に出入りできるようになっていて、ピアノのおかれた広いロビーにも、歩行訓練のために自由に行き来している方もいらっしゃいます。(ショートステイの人たちですので。)
母はこうした利用者と異なり認知症が進行していますから、場所の記憶が出来ず、たとえ施設内であっても自由に行き来するのは危険です。
けれど生活圏内の場所から外に出ても、ロビーに抜けるまでには何十メートルも距離があり、その途中に受付事務所があって出入りの人のチェックがされているので、母が通過すれば呼び止めて頂けるスポットがあります。そこを通過する事が出来ても、そこから建物の出口までさらに15メートル以上の距離があるため、あっという間に外に出てしまったという状況になりにくいと思われます。
母の認識はいつもマダラで、時には特養を『病院』と思い込み、しっかり言うことを聞いて治してもらわなきゃと思いがあるようです。
そんな事もあって、日中はユニットのあるリビング棟から殆ど出る事もなく過ごせております。
が、夜中になると廊下に出てはヨタヨタ歩きで徘徊しているそうで、その都度、夜勤の職員さんが声かけをして部屋に戻ってもらうという繰り返しをしていると聞きます。
足腰はすでに弱っていますから、広い範囲を歩き回る事は出来ないと思いますが、万が一の事を考え、一昨年に『認知症保険』に加入しました。
認知症の方およびそのご家族のための保険
「認知症あんしんプラン」
この保険は、業界発で出た保険で、万が一、認知症の方が行方不明になった際、それにかかる捜索費用の補填や、踏切事故やその他の事故における賠償が最高1億円まで補償してくれるものです。
過去、認知症の方が、家族が目を離したすきに家を出て、踏切事故を起こしたケースでは、家族へ多額な賠償要求がされ、さらにはケアマネまでそれが及びそうになったとか。
この事件は、当初徘徊防止に苦戦していた私達には朗報となる保険でした。
費用は年額15110円、毎年自動更新されます。
母はいつもこう聞いてきます。
「ここは誰の家?」
「ここはお母さんの家よ。」
そう告げても、5分経てば忘れてしまう母。
そうして、また尋ねてきます。
「ここは誰の家?」
遠い記憶の世界で生きる母。
母は子供の頃すごした世界に、また一歩引き戻されているようです。