バラ土の考察 | あなたに,も一度恋をする

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(  長文ですので、ご興味のある方だけどうぞです。)


バラ土は今はたくさんのメーカーさんが販売しています。

いい土でどんななんだだろう・・・

園芸を初めて一番最初に知りたいと思ったのが、「 土」のことでした。

今日はバラ土について書いてみることにしました。


下の画像は、先日バラを鉢替えした時に使った土です。

メーカーによって結構この土が違ってたりするので、カメラにおさめてみたのです。

向かって左がB社向かって右がI 社です。

それぞれ使用済みですから微塵もそれなりに出ます。

なのでよくわかるようにケーキ用粉ふるい器で洗い流して、細かい微塵をのぞきました。

この作業で二つのメーカーさんの基本の配合がよくわかるかと思います。


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ふたつともに私の育てたバラの根が入っていてややこしいですが、

これはピートモスの繊維ではありませんのでご理解ください。


左のB社の土ですが、ふわっとしているのがわかりますか?

右のI社の土はペタっとしています。



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B社の土は5年も使用した土ですが、微塵を除去したあとは、

結構赤玉土がつぶれずに残っていました。

大きさは中粒です。

赤玉土の配合が多いとがわかります。


一方、I 社の土は赤玉土の配合が少ないです。

半分以上は黒い粒、これは赤玉土の色ではありません。


二つの土は1週間前に洗ってバケツに入れていたので湿ったまま。

それを今日手に取って握ってみたら、大事な点に気づきました。

温度が違います。

B社の土は暖かく、I社の土は冷たい。

含んでいる空気の量によって、土の温度は変わるのです。

空気が多ければ、その土は冬暖かく、夏涼しいです。

植物の根は空気の多い環境だと育ちやすいのです。

ただ、空気の多い土は乾きやすい土とも言えるので、

水を頻繁にあげれない人には、I社の方が良いという方もいらっしゃるかもしれません。


ここに今回新しく購入したB社のプレミアムなスペシャル土も加えてみました。↓

同様に微塵を洗い流して同条件で撮影しています。

同じB社さんのものですから配合はよく似ていますが、粒が若干大きくなっていて

ピートモスの配合が増えているように思います。

より一層、ふんわりした感じです。


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このあと、これらを瓶に入れて土の層を見てみました。

比較してみると、土粒が一番細かいI社さんの土が一番密になっているため重たく、

B社さんのスペシャル土(プレミアム)が一番軽かったです。


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メーカーさんは販売する土に

牛ふんや馬ふん、燻炭や牡蠣殻、ピートモス、杉のバークチップ、IB肥料など、

実にさまざまな独自の肥料を施していらっしゃて、

それこそが高いお金を払って購入する理由なわけですが、

実際の良しあしは、その土で育ててみるまで、わかりませんね。

水やりが多すぎる人に適する土もあれば、

水やりがなかなか出来ない人に向く土もあるでしょうし、

育て方によっても、向き不向きの土があるかもしれません。


ここで一冊の本をご紹介したいと思います。

私に土の大切さを教えてくれた本です。

NHK出版 趣味の園芸 『よくわかる土・肥料・鉢』


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ネットでも情報は入手できると思いますが、

やはり一冊の本になっている分、十分吟味され、簡潔にまとめられているので、

これから園芸をなさる方には、、ぜひともオススメしたい本です。

ここから誰もが判断できるバラ土の良しあしの判断になる内容を抜粋し、

みなさまにご紹介したいと思います。


この本には、花の種類ごとに、基本用土の配合が載っています。

たとえばこのページはパンジー

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基本用土の配合を見ると、

赤玉土小粒6、腐葉土2、堆肥2 となっています

腐葉土、堆肥ともに重要な不可欠素材であることがわかります。

(これはあくまで基本ブレンドとして考えてください。)


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ではバラ土はどう掲載されているでしょう。


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赤玉土が7割と多く、

そして残りの3割が、腐葉土、もしくはピートモス

一般の草花の配合と比べて、赤玉土の割合が多いのがバラ土なんですね。

ちょっと驚いたのは、堆肥が含まれていないことでした。

これは意外です。

なぜって、メーカーは馬糞や牛糞、もみがら燻炭や、牡蠣殻など、

実にさまざまな栄養源を加えていますから。

私も自分で馬の堆肥を加えていますし、ニームカランジャペレットというものも加えています。

でも一般的な基本配合を押さえておくことで、

それぞれのバラ土メーカーのバラの育成における考え方を知るヒントになるかもしれません。


次に良い土かどうかの判断、またはその土を使う時の注意点として

いくつかご紹介します。

まずバラ土は購入して届いた時点で大抵完全乾燥していると思います。

これはカビを防ぐためでもあり、病害虫を死滅をさせるために大事な乾燥なわけですが、

乾ききっているために、鉢苗を覆って水を注いだとき、

土のなかにまったく浸透してない部分が出来てしまうことがあります。

ピートモスが多い土は特にこの傾向が強いです。

これは私も何度も経験しています。


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植え替えて、割り箸などで土をかき混ぜてみて水が一部にしか浸透しない土は、

こうした乾燥して軽い土に起こりやすいのです。

この状態で気づかないと、その後もずっとこの状態のまま育つことになるので、

当然水不足になって枯れることがあります。

要注意です。


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次に、水はけの悪い土についてです。

昨年、私が植えたミニバラが根腐れおこしたのは、こういう土でした。

微塵(みじん)だらけの土です。


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特に動植物かからず、『完熟』とうたっている堆肥のものに、

ただ細かくなっているだけで、極小の微塵になっているものがあります。

腐葉土のなかにも『完熟腐葉土』として買ったもの全て微粒子だったことがあります。

もしメーカーが、基本配合として赤玉土にこうした堆肥や腐葉土を混ぜ込んでいたとしたら、

それはとても危険です。

その土に植えられたバラは、空気や水の通りがスムーズにいかず、

ついには窒息状態、根ぐされしてしまうことがあるのです。

幸い、何かがおかしいと気づいて土替え出来ましたが、危ないところでした。


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ご参考までですが、

私がバラ土に入れ込んでいる 『サラブレッドお馬の堆肥』は、微塵になっておらず

腐葉土のように繊維が残っていますから、決して土がつまることはありません。

そうでなくても、バラ土の基本用土のなかには『堆肥』は不要となっているのですから、

バーク堆肥のような極小の粉のようなものをかなりの量入れ込んでしまうと、

赤玉土の粒どうしの間に入り込んで呼吸を阻害し、

根腐れしてしまう確率は高くなってしまうかもしれません。


私が根腐れ寸前だったミニバラの土その土を取り出し、ケーキ用ふるい器で洗い流したとき、

流れ出たのは、このページにあるような真っ黒の墨汁のような色をしていました。

まさに微塵の堆肥があふれるほど流れ出てきました。


この本のページには、このように記述されています。


みじんの多い堆肥は鉢底から流れ出る水が黒い。

熟成の高い堆肥は透明


これからバラを始められる方がいらっしゃったら、

ぜひともこうした点も、ご参考になさってください。


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何より注意しなければならないことは、バラの根が呼吸できること、

そのために水がまんべんなく通過できること、

そして命を脅かす菌がいないこと、

土に病害虫がいないこと

そして育ちながら微塵ができにくい良質の赤玉土を使っていること

ではないかと思います。

ブロ友さんが以前購入されたあるメーカーのバラ土には大量のシマミミズが発生してたそうです。

そしていくつかのバラ苗が枯れゆくのをご覧になって、

どれだけのショックを受けられたかをお察しすると言葉が見つかりません。


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これからバラを始めれる方がいらっしゃったら、

この本のなかには、土の良しあしを判断できる情報がたくさん掲載されていますので

機会があればご覧になってください。


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水はけ、水もちの判断材料など、


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ふまえておきたいことがたくさん。


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バラの土は、どんな土でも必ず微塵が入りますし、

どんなに良い土でも、運搬の際や、保管のときの重さでつぶれてしまいますから、

私はそうした理由で必ずケーキ用粉ふるい器で洗い流してから使用しています。

このことで、水となじみにくいピートモスにも十分水分がゆきわたり、

鉢から浮いてくることもありません。

しかし全ての方が、この面倒くさい作業が出来るわけではありませんので

ご自身の出来うる環境で、良い土をお選びいただければと思います。


私の土実験もまだまだ継続中です。

オススメの土や肥料と出会えたら、また新しい情報としてご紹介させてくださいね。

文面がまとまっているかどうかわかりませんが、

このへんで

ご参考になれたなら嬉しいです。

∬´ー`∬♪