今日、かねてからお知らせ頂いてた演奏会に、ダァーさんとのデートもかねて行ってきた。
ブラームスの室内楽、ヴァイオリンソナタ全曲を演奏するという演奏会。
ヴァイオリン・ソナタというのは、ヴァイオリンとピアノの二人の奏者による演奏で
たくさんの作曲家が書いたジャンル。
今年の私は、2009年を、勝手に「ブラームス・イヤー」と名付け、
かたっぱしから、ブラームスの室内楽のCDを聴き続けていたけれど、
今回は、私が大事にお付き合いさせていただいているKKさんの生の演奏を聴ける絶好の機会になった。
行ってきて思った。
「やっぱ、CDなんかでおわったらあかん!生や生の演奏やで!」って。
ヴァイオリンのKKさんも、相方のピアノの方も、大学時代や大学院時代に
ドイツの州の奨学生として現地で研鑽を詰まれた方。
特に学生時代は偶然にも日本音楽コンクール関西部門において、それぞれの部門で3位。
その後、ピアニストの方は、ショパンコンクールアジア予選で入選もしている。
KKさんは、海外でマルタ・アルゲリッチとの競演も果たされた方。
この素晴らしい才能に恵まれたお二人が、ブラームス全曲を演奏するのに、実に何年も共に
取り組まれてきて迎えた今日の演奏会だった。
ブラームスのヴァイオリン・ソナタというジャンルは、ご存知の方ならわかると思うけれど、
他の作曲家と違い、ピアノの大変華やかで、「伴奏」というのとはほど遠いほど技巧が難題。
だからこそ、決してヴァイオリンの旋律をひきたてるためだけの裏方になっていない。
二つの楽器ともがそれぞれ主役となり、あるいは一体となった主役なんだと、今日、生の演奏を聴いて感じた。
あの細かい音符だらけのピアノの装飾音や複雑な構成、あわせるのは大変なのに、
それだけではない、すべての呼吸がビタリと息があっていた。
もう、何もかもが・・・。
それと、ピアノがまるでオーケストラのように感じる大迫力の部分があって、
これが、やはり他の作曲家のヴァイオリン・ソナタと格段の違いがあった。
CDで聴くと地味に感じたブラームス。
生で聴けば、まるで違う。圧倒されるんだ。これは驚きだった。
「あぁ、やっぱり、ブラームスの作品はドイツ音楽なんだな。」
そんな風に感じた。
最近、タダチケットで誘われていってた演奏会が、ことごとく素人的な演奏会でガックシ・・が続いてたけど、
やっぱり、KKさん達の演奏はちがうなぁ~~と実感。
何を取り組まれても一流の演奏だ。
こうして一つの作品を取り組むのに、何年もかけて研鑽を詰まれて仕上げてこられた。
即興的な演奏とは違う、緻密な計画のもとであわせてこられた呼吸。
ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲という貴重な演奏会。
本当に素晴らしい2時間でした。
最後のアンコールにも、やはりブラームスの作品ということで演奏された「子守唄」。
演奏される前にKKさんが
「今日、お越しくださったみなさまに、今まで私達を支えてくださったみなさまに、
感謝を込めて演奏いたします。」と言われた。
優しさ溢れるこの曲の音色に、涙がいっぱい流れて、やみませんでした。
演奏者の心に触れられる演奏会って、そう、たくさんあるものじゃありませんね。
今夜の素敵なブラームスに、乾杯です★