先日、JR東日本が「みどりの窓口」の削減方針を凍結すると発表しました。コロナの影響が深刻になり始めた3年前、切符などの対面販売の効率化を図るため、2025年までに「窓口」を7割削減するという方針を打ち立てたのですが(この結果、440駅にあった窓口が直近で209まで減少)、この春、窓口減少による利用客の混雑と苦情が激増したことから、削減をストップする方針に切り替えたとのことです。インバウンドや国内利用者の増加などが背景にある一方、削減スケジュールが少し性急すぎたのかもしれません…。

経費削減(JR)と利便性向上(利用客)を図る計画は、道半ばで頓挫してしまったようです。

 

今朝の日経「春秋」では、このテーマについて作家宮脇俊三氏の「最長片道切符の旅」(1970年代後半の紀行文)を引用し、当時の「めんどうなお客」と「国鉄職員」との(解決まで4日間に及ぶ)やりとりを、“鉄ちゃんとプロたちとの、静かなる対決”と間接描写しています。光景は目に浮かびますが、今となっては昔の話です。

 

自分も会社に勤めていたころ、国内出張で新幹線を利用するときなど「みどりの窓口」によくお世話になりました。今では申込から精算まで、すべてスマホで完結できるのでしょうが、出張を繰り返していたころは丁度ネット移行への端境期だったと思われます。したがって、窓口削減の対応策として設置された高機能発券機?も使ったことがなければ、見たこともありません。

 

「春秋」は、“最長片道切符もお手の物というアプリや発券機を開発したらいかがか”と期待を込めて締めくくっていますが、まったく同感です。さらにネット完結であれば効率化にもつながり、職員への苦情も減少すると思われます。デジタル社会移行への過渡期の混乱は覚悟のうえで…。

 

余談ですが、「みどりの窓口」(立川志の輔)という有名な落語があります。窓口対応の職員が、次から次へとわがままな利用客に振り回され、「やってらんねーよ」的な展開となり、最後に逆の立場となって下げが来るという傑作です。CDもあり、YouTubeにもアップされていますので、ご存じない方は一度お聴きになると大笑いできます。個人的には録音媒体をイヤホンで聴くのが好きですが、いつのまにか観客と同化しニヤついてしまうので注意が必要です。

 

 

これは、5/14の空。ヒバリが飛んでいました。今日は雲ひとつない快晴です。