パナソニックスタジアム吹田(市立吹田スタジアム)の視察に行ってきたレポートを掲載致します。

設立から現在までの経過、及び地域への貢献等を視察の目的とし、特に以下の項目を注視。

①  スタジアムの概要

②  地域振興

③  環境・防災

①  スタジアムの概要

1建設事業の概要
(1)基本的な枠組み
スタジアム建設募金団体が、寄附金を募り、サッカースタジアムを万博記念公園内
【日本万国博覧会記念機構(平成26年度から大阪府)が所有】に建設する。
市は、完成後、このスタジアムの寄贈を受け、ガンバ大阪を指定管理者に指定し公共施設として管理する。
 

 

関西財界・サッカー界・ガンバ大阪・地域の皆様が建設資金を寄附(建設募金団体)→スタジアム建設→吹田市が指定管理者制度で運営(ガンバ大阪)

※完成したスタジアムを吹田市に寄贈することで、スタジアム建設募金団体への寄附が、吹田市(国等)に対する寄附金として扱われ、通常の寄附金控除と、住民税の特例控除(ふるさと寄附金の制度)が適用される。
※スタジアムは、平成27年9月30日に完成し、市に寄贈される。また、同日付で、ガンバ大阪を指定管理者に指定する。


(2)基本的な条件
スタジアムの建設及び管理運営に関する基本協定書(平成23年11月25日締結)
(ア)市はスタジアムを建設する義務を負わない。
(イ)市は建設用地の借受け費用として、スタジアム建設募金団体から寄附を受ける。
施設の設置条例の議決を経て公の施設として活用する。また、管理運営についてガンバ大阪を指定管理者に指定する。
(ウ)ガンバ大阪は指定管理者に就任後のスタジアムに係る用地賃借料その他の維持管理
費用及び大規模修繕費を負担する。
イスタジアムの負担付き寄附の受納について議決(平成 23年12月26日)


寄付の条件
(ア)施設設置条例の議決を経て、ガンバ大阪を指定管理者に指定する。
(イ)市が建設予定地を日本万国博覧会記念機構から借り受ける。

市立吹田サッカースタジアム条例及び指定管理者の指定を議決(平成27年8月7日)

 

 

(3) スタジアム建設資金
建設資金 140億8,567万円
内訳法人99億5,019万円(721社)
個人6億2,215万円 (34,627名)
助成金 35億1,333万円(日本スポーツ振興センター『toto』、国土交通省、環境省)

機構との賃貸借契約の概要
契約の種類・本体部分 事業用定期借地権設定契約
工事ヤード 土地一時貸付契約
契約の期間 本体部分・平成 25年12月11日から平成75年3月31日
      工事ヤード・平成25年11月7日から平成27年9月30日
年間の賃料 本体部分・年額 150,892,434円(毎年見直し)
      工事ヤード・年額79,989,420円(毎年見直し)
延滞金ほか
①賃料の滞納 年14.6%の延滞金を支払う。
②途中解約 1年分の賃料相当額を違約金として支払う。(定期借地契約)
③原状回復 土地は、契約終了後、更地返還する。
その他賃借料の予算については、平成25年9月議会において債務負担行為を設定
      スタジアム用地等借上料
      期間 平成25年度~平成74年度
      限度額 9,776,816 千円

2指定管理の概要
(1)指定管理者
大阪府門真市大字門真 1006番地
株式会社 ガンバ大阪 代表取締役小野忠史
(2)指定の期間
平成27年(2015年)9月30日~平成75年(2063年)3月31日【47年6か月】
(3)指定管理の形態
利用料金制(指定管理委託料なし)
(4)市立吹田サッカースタジアムの管理に関する基本協定書(平成27年7月15日締結)
アスタジアムの用地賃借料その他の維持管理費用及び大規模修繕費は指定管理者が負担
イ 吹田市が、事業用定期借地権設定契約で負った義務を指定管理者に負ってもらう。

 

②  地域振興

株式会社ガンバ大阪とパートナーシップ協定締結

平成29年(2017年)7月20日(木曜)この協定は、双方がより密接な連携・協力のもとに、市立吹田サッカースタジアムを中心とし、本拠地を有するホームタウンとしての活動を推進することにより、『ガンバ大阪のあるまち』として地元への愛着と誇りを育み、活力ある地域社会の形成・発展に寄与することを目的としています。

主な連携協力事項

1.  ホームタウン意識の醸成に関すること

2.  ガンバ大阪主管試合の集客に関すること

3.  ガンバ大阪主管試合などの広報に関すること

4.  スポーツの推進に関すること

5.  スポーツを活用したまちづくりの推進に関すること

6.  その他、双方が有益にして必要と認める事項

今後は、本協定に基づき、吹田市とガンバ大阪は、上記の6項目において、より綿密な連携・協力。

・パートナーシップ連携協力事項に係る取り組み内容

吹田市
1ホームタウン推進事業
ホームタウン意識の醸成を図ることやスタジアムの認知度を高めることを目的とした事業等を展開し、市をあげてガンバ大阪を応援します。
2スタジアムふれあい事業
スタジアムに市民を招き、市の魅力のひとつである国際試合が可能なサッカースタジアムを体感することにより、スタジアムを通じて、『ガンバ大阪のあるまち』への愛着と誇りを育みます。
3 その他
この協定の目的達成のため、ガンバ大阪及び関係諸団体と連携・協力を密にし、市をあげて様々な事業に取り組みます。

ガンバ大阪
1市事業への協力活動
市、後援会等が実施する事業に対し、人的・物的協力を積極的に行います。
2地域貢献活動
地域の人々に」クラブをより身近に感じていただくため、地域の人々と交流を深める場や機会を創設します。
3 その他の活動
この協定の目的達成のため、市及び関係諸団体と連携・協力を密にし、様々な活動に取り組みます。

 

令和6年度(2024年度) スポーツ推進基金関連事業(ネーミングライツ使用料を吹田市に寄付)

220,000,000円/年

 スタジアム利用促進 事業名

分配割合(円)

使途

事業名

内容

詳細

50% 110,000,000

スタジアム利用促進

サッカースタジアム振興事業

利用料低減負担金交付

条例で35%減額が上限

30% 66,000,000

ホームタウン推進

ホームタウン推進事業

(株)ガンバ大阪へホームタウン推進事業負担金交付

※下記参照

20% 44,000,000

スポーツ施設及び、その環境整備

①   サッカースタジアム振興事業

市民体育館管理事業

②   武道館管理事業

総合体育場管理事業

①   LED及び防犯カメラ、電気使用量負担金

万博外周道路路面デザインシート修繕

②   備品購入

 

※ホームタウン推進事業

・市民ふれあい事業(対象:市内小学4年生全員)

・スタジアムピッチ体験事業(対象:私立・公立の市内幼保。バスがない園については送迎バス付)

・キッズフォローアップ事業(コーチ派遣)

私立・公立の市内幼保園、小学校、発達支援センター等(延べ50回)

中学生女子サッカー教室@総合運動場(96回)

・ラッピング事業(路線バス・コラボラッピングボール小学校19校×25球+100球(17校×25球は令和5年度実施済)

・吹田スタジアムフェスタ開催、等

 

スタジアム内のラウンジ貸館事業(市民の利用、市職員の発令式、成人式の開催等)

パナスタでは、試合開催日以外に会場の貸し出しを行っております。
会議、研修、パーティー、式典、展示会、イベント等、スタジアムならではの特別感をご体感いただきながら様々な用途にご活用が可能です。

会議・研修・セミナー・面接・イベント・展示会・商談会

フリーマーケット等の利用が可能です。

 

 

③  最新鋭のエコスタジアム

地域防災の拠点

・災害対策本部のバックアップ機能
・救援物資配送センター(全国からの支援物資の拠点となる。名神高速道路吹田IC、中国自動車道吹田JCTが近い)
・太陽光発電による電気確保
・生活用水の確保(飲み水、シャワー、手洗い用)
・災害用備蓄倉庫の設置(近隣の大阪府の災害用備蓄倉庫と近く半分備蓄。想定避難者の半日分を備蓄)
 避難所
 長期:300人が1ヶ月滞在
 短期:800人が10日滞在

・スタジアムのバックヤードやコンコースでも空調があり、猛暑の夏でも被災者の二次被害が予防される。