「性教育と緊急避妊薬、オーバードーズの正しい知識の普及」

高い専門性と最新の情報を持つ専門家に、小中高校で毎年講演を複数回の学びの機会を要望!

 

失敗や性暴力など意図しない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」を医師の処方箋なしで薬局にて販売する試験的な取り組みが行われ、兵庫県では神戸市でテストケースとして3件の調剤薬局で実施されています。

薬の効果やリスク、性被害に遭った人への対応などを学び、性行為から薬の効果がなくなってしまう72時間が過ぎないよう、その場で服用してもらう等、厚労省の認定薬剤師制度の研修を受けた薬剤師が尼崎市にも多くおられ、今後、医師の処方箋なしで販売されます。

しかし、本市だけでなく日本の性教育は遅れていると言わざるを得ません。私は鍼灸短大在籍時、解剖生理学で性的なことも学びましたが、体のしくみへの関心の方が高まりました。やはり専門の方からご教授頂くのが興味本位ではなく正しい知識が身につきます。

また、10代に急増する市販薬の乱用、過剰摂取いわゆるオーバードーズが子ども達の命を脅かす問題となっています。

全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査によると2016年に市販薬が一気に拡大し、2022年には覚醒剤や大麻を上回り65%を占めています。依存性があり、肝臓や腎臓の障害、呼吸や心臓の停止による死亡例も報告されています。

このような現状に対し、子どもと保護者への正しい知識を普及させる対策が必要ですが、「知っている」「だいたい知っている」方からの知識が怖いと思います。医大の心療内科で専攻生のころ、心療内科は心身症が専門で、精神疾患は精神科の医師から病理・薬剤等の知識をご教授頂きました。同じように思われる心療内科と精神科でさえも違います。また、私が解剖学を学んだ頃は、舌の先には甘みを感知する味蕾細胞が多いと学びましたが、現在の医学では舌全体に存在することが分かり訂正されています。

 

質問

児童・生徒・保護者等への性教育と緊急避妊薬・オーバードーズの正しい知識の普及には、高い専門性と最新の情報を児童・生徒に教えられる小児・婦人科の医師もしくは看護師、薬剤は認定薬剤師の方から学ぶ必要があります。

また、子ども達や保護者に意識をしっかり持って頂くためには、本市の小中高校で各学年、毎年、ご講演して頂く等、複数回の学びの機会が必要に思いますが、ご見解をお聞かせ下さい。

 

答弁要旨
教育委員会では、幼児児童生徒の健康保持増進のため、専門医活動事業において、尼崎市医師会の協力のもと産婦人科医、皮膚科医、精神科医など、専門分野の医師から幼児児童生徒や教職員、PTAを対象とした、性教育や生活習慣病等についての講演等を行っております。
本年度も学校園からの依頼により、小学校では、思春期の心身の変化、いのちの安全を含めた性教育、中学校では、性被害、予期せぬ妊娠を防ぐ術、相談機関の紹介等、学校の実情、希望に応じた内容での産婦人科医による講演を計画しております。

 

緊急避妊薬は72時間がボーダーラインで誰もが、ここに行けば必ず処方されると思って頂ける場所が必要に感じます。また最近、調剤薬局で医師の処方された薬がなく、患者は多くの薬局を回らなくてはならないケースが増えています。本市からの助成もなくなり現在はありませんが、かつて尼崎市薬剤師会の会営薬局の再興も検討が必要と感じますので要望させて頂きます。