・子育てに係る支援と学校教育環境の充実について

・病児・病後児保育事業所

・保育士確保事業

・児童相談所(子どもの育ち支援センター新館整備事業)

・子育て家庭ショートステイ事業(里親)

 

 

・産後ケア事業が最も必要とされるのは、尼崎市内や近隣自治体に支援してくれる方がいない、アウエー子育てと言われる世帯だと思います。子育てを手伝わなかった夫に対し一生、不満を持つ話をよく聞きますが、尼崎市に地縁がない方に行政から手を差し伸べられたと感じていただけなければ、その不満は何の躊躇もなく転居されることにつながるのではないでしょうか。母子手帳の発行、新生児の住民登録などの際にアウエー子育て世帯へ重点的に広報し、寄り添う姿勢を伝える必要があると思いますが、対策とご見解をお聞かせ下さい。

 

市長答弁

産後ケア事業を含めた子育て支援施策の広報につきましては、現在、妊娠届け出時に、そうした内容をまとめた冊子を配布し案内するとともに、「妊娠8か月のアンケート」を送付する際にも案内文を同封する他、生後2か月頃の全家庭を訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」においてもあまっこ元気ブックの冊子を配布し、周知に努めています。
また、産婦健診を行っている産院や寄り添い型支援を実施している南北地域保健課の保健師が、「産後ケア事業」の利用が必要と思われる方に対しても、個別で利用勧奨を行っています。
更に、令和6年4月からは、本市で出生届けをされた全員にお渡ししている「赤ちゃん誕生メッセージカード」にも産後ケア事業の案内を掲載することとしています。

今後もあらゆる機会を通じて子育て支援施策の周知を図っていく中で、誰一人取り残さない伴走型子育て支援の充実に取り組んでまいります。

 

 

 

 

・病児・病後児保育事業所については、令和3年9月に1カ所、休止してから県立総合医療センター・高原クリニック・堀内内科むこのそう病児・病後児保育室の3カ所となり補填できていません。初期費用、保育士不足など様々なハードルがあり手を挙げていただける医療機関は一歩踏み出せないと聞いております。特に医療機関では保育士の確保は困難なのではないでしょうか。尼崎市保育士・保育所支援センター、あまのかけはしと連携をし、保育士確保事業に病児・病後児保育事業を拡充できないでしょうか?

 

市長答弁

あまのかけはしでは、保育士を安定的に確保し、保育施設における待機児童の解消を図るため、令和3年度から潜在保育士等の就職支援及び保育施設等への保育士等の雇用支援など、就職に向けたマッチング支援を国の要綱に基づき実施しておりますが、現在のところ病児・病後児保育事業実施施設は支援の対象としておりません。
しかしながら、病児病後児保育施設で勤務をご希望する方や勤務条件が合致する場合には、「あまのかけはし」と所管課が連携し、各施設へ繋いでまいります。

 

 

 

 

・保育士確保事業ですが、法人保育園で保育士確保を業者に依頼すると3桁の請求が来ることもあると聞いています。兵庫県の保育士修学資金貸付事業は、保育士資格取得を目指している経済的に支援が必要な学生を対象に修学費用を無利子で貸し付けるもので、原則、兵庫県内の保育所等で5年間保育業務に従事した場合には返還が全額免除されます。保護者に支援が期待できない若者にとって保育士養成施設に在学中の生活も費用がかかり、チャレンジすることに躊躇すると思います。尼崎市で勤務していただく要件を加え、法人保育園事業者と官民協力して県の事業に上乗せして支援することで、保育士を獲得することから、保育士を育てる支援にも目を向けるべきではないでしょうか?

 

市長答弁

兵庫県の保育士修学資金貸付事業は、学業が優秀か、家庭の経済状況等から真に貸付が必要か等の審査がありますが、一定の条件で貸付金の返還が免除になる事業であり、尼崎市民も対象となっています。
一方、本市の独自事業としましても、奨学金を利用して保育士資格を取得し、市内の保育施設等に就職した方が、奨学金の返済に要した費用の一部を補助する奨学金返済支援事業を令和元年度から実施しており、特別な条件もなく、新規採用から5年以内の常勤保育士であれば補助対象となります。
今後につきましても、経済的に困難な状況の中で保育土を目指す方々のため、当事業を継続するとともに、県事業も含めて積極的なPRに取り組んでまいります。
 

 

 

 

・子どもの育ち支援センター新館整備事業については、視察にした横須賀市立児童相談所では、初めからなければ後で変えることが難しい点として、他の方と接触しない工夫や部屋数の他、職員事務所の課題が多くあり、必要な机の数が置ける、ミーティングのスペース確保。書類保管場所としては移動式書庫が、のちのち助かることが上げられ、横須賀市ではスペースがないため廊下フロアにパーテンションで仕切り代用していました。備品は働く職員の声を聞いて事前に揃え、置き場所に困らないようレイアウト設計が必要に思います。

また、国は家庭的な一時保護を推奨しておりますが、新館の計画ついてどのような配慮がされるのでしょうか?

 

市長答弁

新しく設置する一時保護所につきましては、リビングの天井や廊下の腰壁に木材を使用することで木の温もりを感じられるようにするほか、居室や浴室、トイレを個室とすることで、プライベートな空間の確保を図るなど、家庭的な環境を作り出すことで、子どもたちが安心して一定期間生活できるような工夫をしています。
また、子どもたちの多様な家庭環境を考慮し、洋室と和室の2種類の居室を用意するとともに、兄弟で同じ居室で過ごすことも想定した設計にするなど、子どもの状況に応じて柔軟に対応できるような配慮もした設計としています。

 

 

 

 

・子育て家庭ショートステイ事業についてですが、厚労省の調査で保護者と暮らせない子どもたちは、令和2年3月末時点、施設で暮らす子ども78.4%に対して里親らと暮らす子どもは21.6%と低い結果でした。明石市では、保護者と暮らせない子どもたちが家庭のぬくもりを感じながら望ましい環境で生活できるように、あかし里親100%プロジェクトを実施し、小学校区に最低1世帯の里親家庭の登録や短い期間、子どもを預かるショートステイ里親・ボランティア里親も実施されています。同じような事業と思いますが、すべての小学校区に里親家庭を目指すなどの目標と、今後の保護者の家出、離婚、病気、児童虐待等、様々な事情で保護者と暮らせない子どもたちに対しての尼崎市の目指す方向をお聞かせ下さい。

 

市長答弁

本市でも、ご家庭の事情で保護者と離れて暮らす子どもたちを家庭に迎え入れ、子どもたちの養育を行う里親がおられますので、子どもの養育が一時的に困難になった場合に、里親宅でショートステイ事業を利用できるよう、新たに里親とのマッチング事業を令和6年度予算案に計上しているところです。
こうした里親の協力のもと、本事業を通じて、育児の不安や子育ての負担軽減を図るとともに、地域の中で、子どもたちが安心して過ごすことができる環境を整えていくことは、非常に意義があることと考えています。
そのため、現在、令和8年度の本市児童相談所の開設に向けて、里親登録等の推進を図る兵庫県と連携し、里親の広報や啓発を進めているところでもあり、引き続き、社会全体で子どもを育む環境の充実に向けて取組を進めてまいります。