・国で示されたケアマネージャーの役割について(改定案でヤングケアラーも業務範囲、テレビ電話が訪問の代わりになります)

①  在宅ケア高齢者のデジタルデバイスの普及、操作等の支援対策

②  試験的にデジタルデバイスを使用した在宅でのフレイル予防の運動やお話会。ふれあいサロンのご利用につながるようweb参加等の実施

③  デジタル弱者、特に高齢者のデジタル推進について、杉原デジタル政策監の見解

④  ヤングケアラー支援をよりアウトリーチするため、ケアマネージャーに期待する役割

 

厚労省は第9期介護保険事業(支援)計画の基本指針案について、社会保障審議会介護給付費分科会で、今後のケアマネジャーの役割としてヤングケアラーなどの家族支援が盛り込まれ、ケアマネジャーの負担増が想定されます。

また、基本報酬の逓減制適用について、現行の「40件以上」から「45件以上」への一律緩和を提案されました。
 

厚労省によると、ケアマネジャー1人当たりの月間の労働投入時間のうち、利用者宅への訪問に係る「移動・待機時間」に11.2時間を費やし、約7%を占めており重要課題としています。
現行は、居宅介護支援の訪問するモニタリングは月1回(介護予防支援は3月に1回)以上ですが、本人と、サービス担当者会議などで、主治医、サービス事業者などから同意をいただいていることを前提に、状態が安定している利用者に限り、テレビ電話装置などを介して意思表示できること(家族のサポートがある場合も含む)を、一定の要件を設けた上で2月に1回(介護予防支援は6月に1回)以上の訪問等、具体的な要件案を上げました。


2022年第9回定例会で、第9期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定のためのアンケート調査に、要望し入れていただいた結果によると、「日常生活でスマートフォンやタブレット、パソコンなどを利用していますか。」との問いに対して、未認定者では「利用している」が7割を超え、「利用していない」を上回っているのに対し、要支援認定者・要介護認定者では「利用していない」が「利用している」を上回り、特に、要介護認定者では「利用している」は2割未満と低くなっていました。
未認定者での利用状況を年齢別にみると、年齢が下がるほど「利用している」が高くなっており、特に65〜69歳では9割以上の利用率となっていますが、
70〜74歳で、82%、85〜89歳41.7%など、90歳以上でも14.3%と私の想像より利用されていました。

 

認知症の予防に対する考えは、「自宅でもできる簡単な予防活動があれば取組みたい」が未認定者・要支援者ともに最も多い結果となっています。
高齢者ふれあいサロンは、要介護状態に関わらず「知らない」が最も多く、今後のご利用の意向は、要介護状態に関わらず「わからない」が最も多いです。
一人暮らしは、23.9%で、一人暮らし以外でも日中一人になると回答された方は、よくある30.8%、たまにある43.4%。また、10.4%の方が週に1回か、ほとんど外出されないと回答され、友人との交流は、月1・2回27.6%、ほとんどないが、27.2%と多いです。

 

本市で働くケアマネージャーの方から「映像で話すことで電話よりも体調や生活状況が分かります。また、お電話では時間が長くなることが多いので、後日の連絡ができるようSNSのメッセ-ジ機能でご連絡いただければ、後でご連絡をして、ゆっくりお話を聞けるので実現すれば助かります。」とお伺いしました。

人材不足のケアマネジャーが疲弊して高齢者・ヤングケアラー事業に支障がでてはなりません。

 

国の第9期介護保険事業(支援)計画の基本指針案では、介護保険事業以外の地域の集まり(通いの場)などに医療・介護専門職を派遣できるようになるとあります。2022年第9回定例会で、スマホ講座等との連携も含めて、他都市のデジタルデバイスの活用状況を参考にしながら検討を進めてまいりたいと思っております。とご答弁いただきました。


質問

在宅ケアをご利用の高齢者の皆様に、デジタルデバイスの普及、操作等の支援対策が急務と考えますが、スマホ講座等の実績と今後の見解は。

 

答弁
現在、市内の老人福祉センターでは、電気通信事業者等と共同して、高齢者のスマートフォン初心者を対象とした講座を実施しており、令和4年度は4回実施し延べ75人の方が、令和5年度についても11月末時点で5回実施し、延べ104人の方が受講されました。
受講された方からは、「わかりやすかった。」、「講座を受講してLINEやメールの送信等ができるようになった。」といったお声を頂戴しており、高齢者のスマートフォンの利用促進につながっていると聞いております。
しかしながら、後期高齢者では4割以上の方がスマートフォンを利用していないとのアンケート結果もあることから、引き続き、老人福祉センターにおいて、高齢者向けのスマホ講座を実施するとともに、民間電気通信事業者等と共同し、受講機会の拡大や周知啓発など、高齢者のICTの活用促進に向けて取り組んでまいります。

 

質問

試験的にデジタルデバイスを使用した在宅でのフレイル予防の運動お話会ふれあいサロンのご利用につながるようweb参加等の実施をご検討いただけないか。

 

答弁

スマートフォンの普及率が高まる中、デジタルコンテンツやアプリ等を活用する高齢者も増加していることから、これらを活用して在宅でのフレイル対策や認知症予防を推進することは、重要だと認識しております。
そのため、「介護予防・重度化防止ハンドブック」に掲載した体操などを紹介した動画のオンライン配信や、認知症サポーター養成講座のオンライン受講の立ち上げなど、デジタルデバイスを活用した在宅でのフレイル対策や社会参加につながる取組を実施しています。
また、今年度、高齢者ふれあいサロンやいきいき百歳体操の代表者交流会をオンラインで開催するとともに、同事業に興味のある方も参加できる取組を予定しております。
今後も引き続き、通いの場につながるデジタルデバイスを活用した啓発活動や参加型イベントの研究を進めていきます。

 

質問

企業でのDX化デジタル化が企業内で、どれだけ行き渡っているかが価値を決めるとされます。行政機関だけのDX化ではなく、すべての尼崎市民・事業者が対象であるべきだと思いますが、

デジタル弱者、特に高齢者のデジタル推進について、杉原デジタル政策監のご見解をお聞かせ下さい。

 

デジタル政策監答弁

現在、本市では、市民の皆様向けのサポートとして、最も身近で便利なデジタル媒体である、スマホやタブレットの操作に慣れていただくため、国の事業に本市も協力しながら、各地区の生涯学習プラザでスマホ教室を開催しています。
今後もさらに、高齢者の方がデジタルの恩恵を受けられるような取り組みを進めていきつつ、どうしてもデジタルの利用は難しい方でも、できうる限り差が生じることな<行政サービスが受けられるよう、コールセンターや、窓口などの市民接点におけるデータを活用した情報提供など、間接的な形での活用も含めて、本市のDXを推進してまいります。

 

 

 

 

 

 

 

ヤングケアラー等世帯訪問支援事業についてですが、令和4年度16世帯、5年度の新規申請13世帯・利用世帯22世帯と想定より少なく予算が余ったと聞いておりますが、今後、ご家庭を訪問するケアマネージャーが支援に関わることで、アウトリーチの可能性が広がると思います。

助けを求めづらい。自分がヤングケアラーだと思っていない児童生徒に、アウトリーチできる体制を包括支援担当と子ども相談支援課が協力して前に進めるよう要望します。

 

質問

行政内部のヤングケアラー支援に包括支援担当と子ども相談支援課との連携・役割と、これまでの支援をより、アウトリーチするため、訪問し介護だけでなく家族、生活についてもよく知る、ケアマネージャーに期待する役割を、お聞かせ下さい。

 

答弁
ヤングケアラー支援においては、当事者の子ども達が、ヤングケアラーであることを自覚していない場合や、障害や疾病など家庭内のデリケートな問題から周囲の大人に相談することができない場合など、問題が表面化しづらいという課題があることから、周囲の大人がこうした状況に早く気付き、早期支援に繋げることが重要になります。
こうした複雑、複合化した課題を抱える家族への支援においては、高齢者支援、子ども支援といった分野ごとの枠組みを超えて、手を携えて支援に取り組むことが重要と考えております。


その一環として、令和5年7月に開催された尼崎市重層的支援推進会議において、国の「介護保険事業計画基本指針案」にヤングケアラーへの支援を強化する方針が盛り込まれたことなどを情報共有し、包括支援担当やこども相談支援課など各部署での連携や、地域包括支援センター等への周知等の協力を求めるなど、庁内連携を進めているところです。


また、ケアマネジャーについては、日常の支援においては、居宅介護支援等のため家庭を訪問し、その家庭の家族関係や生活状況について直接把握する機会が多いことから、担当する家庭の中でヤングケアラー状態にある子どもの存在に気づいた場合、速やかに子どもの育ち支援センター「いくしあ」に繋いでいただくとともに、様々な課題を抱えるヤングケアラーへの支援には、関係機関による連携した支援が重要であるため、支援にご協力いただくことにも期待しているところです。
いずれにいたしましても、こうした複合化した課題を抱える世帯への支援においては、関係機関による連携した支援とともに、若者に寄り添いながら信頼関係を築くことで支援につなげることが必要であり、引き続き、アウトリーチ支援を含めた適切な支援が1人でも多くの方に届くよう取り組んでまいります