ISILはアメリカが泳がせているのではないか? | 岐路に立つ日本を考える

岐路に立つ日本を考える

 私は日本を世界に誇ることのできる素晴らしい国だと思っていますが、残念ながらこの思いはまだ多くの国民の共通の考えとはなっていないようです。
 日本の抱えている問題について自分なりの見解を表明しながら、この思いを広げていきたいと思っています。


人気ブログランキングへ

 日本人2人の誘拐により、日本でも俄然と注目度の高まったISILですが、このISILに関しては何とも不可思議なことが多いなと、私は思っています。

 私が不思議に思っているのは様々なことがあるのですが、一番不思議なのはお金に関する話です。ISILは様々に悪辣なことを行えるためにものすごく稼ぐ力があり、「史上最も裕福なテロ集団」だと言われていますが、その実態はどうなのでしょうか。

 ISILの資金源として挙げられるのは、まずは誘拐による身代金です。誘拐ビジネスによって彼らがこの1年間で得た身代金の総額は、日本円で41億円~53億円だと推計されているそうです。

 別の資金源として、略奪が挙げられています。すなわち、新たに占領した領土において、銀行などから現金などを大量に略奪しているのだというわけです。しかしながら、銀行の店舗自体に置かれている現金の量はさほど多くはないはずです。実際銀行で貸出を行う場合には、現金を渡すようなことはせず、預金口座の残高の数字を書き換えるだけで行うものですから、見かけ上日々動いているお金に比べて、銀行の店舗に実際に置かれている現金の量は格段に少ないはずです。日本の銀行とは違って、預金量もさほど多くないでしょうから、年間で10億円という金額でも、なかなか達成は難しいのではないかと思います。

 さらに別の資金源として、「税金」が挙げられています。一節によると、彼らは年間で100億円程度の税金を集めているとのことですが、本当にそんなに集めることが可能なのでしょうか。暴力で脅して「税金」を取り立てるといっても、ISILの戦闘員の総数は3万人程度しかおらず、それなりに広大な支配地域をおさめるにはかなり不足していると考えられます。悪辣であるほど抵抗も強くなり、逆に支配が難しくなる側面も当然あるはずです。

 また別の資金源としては、古代遺跡の盗掘もあるとされています。しかし、エジプトのピラミッドを思い起こせばわかるように、大半の古代遺跡はすでに盗掘されてしまった後だと考えるのが常識的なところで、そんなにめぼしいものが今なお多く残っているとは考えにくいところでしょう。彼らが地元の住民を盗掘のために強制労働させているという話は、信憑性にうすいのではないかと思います。

 さらに別の資金源として、裕福な寄進者からの資金提供と、支配地域から算出する石油が挙げられています。石油は最大の資金源だとされ、1日につき1億円程度の利益が上がっているということになっていますが、ここまで石油価格が下がっている中で、本当にこれだけの利益をあげられているのでしょうか。

 ISILは国際的な金融システムに組み込まれておらず、金融制裁やマネーロンダリング対策の銀行規制が効かないと言われているそうですが、これもかなり怪しいとは思わないでしょうか。裕福な寄進者からの資金提供が銀行口座からの振り込みではなくて、現金を輸送しているとでも言うのでしょうか。彼らが得ている石油代金もすべて現金決済で行われており、銀行を経由していないとでも言うのでしょうか。実に不思議です。

 しかも、彼らが押さえている油田は12カ所であり、その場所もわかっているわけですから、それぞれの油田で生産が滞るように爆破するか、それぞれの油田からの石油の積み出しができないようにしてしまえば、容易に資金源を断つことができるはずなのに、そういったことが行われている形跡がありません。アメリカ政府はそんなことも思いつかないほどボンクラぞろいなのでしょうか。

 「彼らの主要な資金源は誘拐による身代金だ」「いや、略奪によってもめちゃめちゃ稼いでいるらしい」「激しい暴力を背景に、厳しく税金を取り立ててもいるそうだ」「古代遺跡の盗掘もやって金を稼ぐという無法ぶりも発揮しているんだそうだ」などと、その常軌を逸した悪辣さが絶えず強調されながら、それらを冷静に見ていくと、どうも悪辣さを無理矢理強調しているだけのように感じられてくるわけです。彼らは一日で3億円、年間で1000億円程度稼いでいるとの話までがまことしやかに語られていますが、実態はそれからはかなりかけ離れているのではないかと思います。もし本当に年間で1000億円も自由にできる資金があるとするなら、その資金はもっと別のところから出ていると考えないとつじつまが合わないでしょう。

 私からすれば、ISILは何らかの目的のためにアメリカによって泳がされている組織に過ぎないと考えた方が合理的なのではないかと思えてなりません。


人気ブログランキングへ